平成16年10月に「共生システム理工学類」を設置した、「新生　福島大学」の産官民学連携の窓口となる地域創造支援センター（CERA）は、人文・社会科学と理工学の文理融合による以下のような特徴的な事業を行っています。

1.CERA地域フォーラムの開催：参加者の地域づくりに関する理解を深めながら、地域の未来について語り合い、夢と活力にあふれるまちづくり・ひとづくりについて地域とともに考えています。

2.登録研究会の組織化によるシーズ活用：異業種交流をもとにした商品、そば焼酎「福島の風 出逢い」を開発した
「経営戦略研究会」、スポーツの資源を有効に活用して地域振興に貢献している「福島大学スポーツユニオン」、その他、地域経済発展を担う人材育成を目的に、平成16年度からスポｰツ用品大手のゼビオ株式会社と連携して市民講座を行っている「マネジメント研究会」等、18の研究会が登録しています。

3.リエゾン機能としての役割：産学官連携研究員、CERA連携協力員を迎え、共同研究、受託研究のコーディネート技術支援や技術移転事業、経営支援事業などについて積極的に取り組んでいます。

4.「地域連携推進ネットワーク」の立ち上げ：福島県内15の高等教育機関により、平成18年4月に「地域連携推進ネットワーク」が設立されました。このネットワークを活用することにより、企業や地域のニーズに合う研究シーズをネットワークに加盟している１５の高等教育機関の中から引き出し、最適なマッチングが可能になりました。

5.その他：民間機関等との技術・経営相談対応、セミナー・シンポジウム・研究会等の開催、学内外の研究プロジェクトの企画・実施、奨学寄附金、調査依頼の受け入れ・斡旋等を行っています。

CERAは地域に開かれた大学の窓口として、地域と大学の協力・連携の拠点として、地域社会の課題や要請に応える研究の拠点として、ますます活動の場を広げていきます。

日本大学工学部工学研究所は、知の創造と還元（社会貢献）を使命として設置されたものであり、郡山地域テクノポリス推進機構などの公的機関の支援を得て、大学研究者の有する専門知識や研究成果等を地域社会へ還元することに努めています。

大学構内には当研究所の関連施設として「次世代工学技術研究センター」、「環境保全・共生共同研究センター」などがあります。ここでは私立大学学術研究高度化推進事業に採択された二件の大型研究プロジェクトが進行中です。その研究成果を社会還元するため、地元企業と共に「医療・福祉機器等関連新事業創出研究会」「機能材料・製造プロセス研究会」「環境保全・共生科学技術研究会」が組織され、一年に四回程度、各々の研究会が開催されています。

福島県産業交流館に「技術サポートオフィスＮＵ」を開設し、技術アドバイザー（ＯＢ、ボランティア）が地元企業からの技術相談に応じたり、研究者の紹介などを行っています。また，毎年「産学官連携フォーラム」を開催し、専門家講演会や産学官を交えたパネルディスカッションなどを通じて地元企業との連携を深めるよう努力しています。

郡山市、県及び国の援助により、平成１８年８月、大学構内に「ものづくりインキュベーションセンター」が開設されました。郡山地域テクノポリス推進機構が運営主体となり、技術指導員が常駐し、マシニングセンターなどの工作機械のそろった試作センターが併設されているのが特徴です。現在１１社のベンチャー企業が入居しており、企業の技術者と大学研究者が至近距離に共存するという恵まれた環境のなかで、ベンチャー企業が主体となった開発研究が行われています。