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産業技術総合研究所 東北センター

地域活性化のために技術支援と事業化支援の連携を!

東北センター所長 吉田 忠


年明けましておめでとうございます。
昨年は、東北経済産業局が推進する産業クラスター計画「TOHOKUものづくりコリドー」が新たにスタートするとともに、産業界においても特に自動車関連分野に代表されるように、県域を超えた広域連携が進展しつつあり、東北地域に新たな変化の兆しが感じられた年でした。

総研は、今年第2期中期計画の折り返し地点を迎えますが、産総研の全ての研究が「対応する産業への寄与を通じ、結果として全産業が持続可能性の向上に向けて重心移動することに貢献する」を目標とし、その推進体制強化のために昨年12月1日にイノベーション推進室を新設するとともに、3名の担当理事や産業技術アーキテクトを配置しました。すなわち、全産業が持続性に向けて重心移動することをイノベーションと定義し、産総研は本格研究を通じてそのための技術を提供するとともに、産業界の経営層にも積極的に働きかけて重心移動推進のための戦略的連携やプロジェクトなどの立案・推進を目指しています。

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北センターは、上記「TOHOKUものづくりコリドー」とも連携しながら地域産業の振興に向けて、産総研の東北地域における「研究拠点」および「連携拠点」としての一層の機能強化を目指します。東北センター自らは、今後とも低環境負荷型技術の提供に努め持続可能な産業構造へのシフトに貢献するとともに、多様な地域ニーズに対しては「オール産総研」で応えていくことが重要且つ不可欠であるため、東北センターはその窓口として引き続きコーデイネート役を果たしていきます。

北センターは、これまでもコンソーシアム会員企業との定期的な技術交流を通じて、全国に向けた成果普及や製品化研究を行ってきましたが、今年はこれに加えて、東北6県の公設試験研究機関との連携を基軸にした産業技術連携推進会議(産技連)東北地域部会の新たな活動や広域連携推進のための足場を固め、地域産業の活性化に向けた具体的な取組みに着手します。その拠点として、(独)中小企業整備基盤機構東北支部と協力して“技術開発から事業化支援まで”を行う「東北サテライトオフィス」を4月から仙台市内に開設し、産業クラスターや各種プロジェクトの立ち上げ支援、セミナーや人材育成プログラムの実施など“目に見える”産学官連携活動を展開すると同時に、情報ネットワークを活用することで東北サテライトオフィスが各公設研のハブとしての役割を果たせるようにしたいと思います。前述したように、地域産業界が既に県域を超えた連携に進みつつある時に、私たち技術支援する側もこの動きに遅れないように広域連携を含めたサポート体制の整備が重要且つ緊急の課題となっています。東北を一つの地域として捉え、地域内での互いの強みを活かし連携することが全国における東北のプレゼンスを高め、競争力の確保にも繋がると確信し、東北サテライトオフィスがその一助になることを期待する次第です。
  本年が皆さまにとって実り多い年になることを願って、新年のご挨拶とします。




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