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産業技術総合研究所 東北センター

東北センターへの期待
東北経済産業局 地域経済部長  高木 博康

の7月に東北経済産業局に着任しました。その前の3年間は在アルゼンチン日本国大使館に勤務していましたが、このことを自己紹介等で話すと、「アルゼンチンはとても暑かったでしょうね。ああ、あの細長い国ですか。」などと聞かれます。アルゼンチンは、南米ではありますが、日本とは地球のちょうど反対側に位置し、日本同様四季のある国であり、首都のブエノスアイレスの気候は日本の静岡県と似ていると言われています。なお、南米にある細長い国は、隣のチリです。このようにアルゼンチンは日本ではほとんど知られていない国です。2001年末には、未曾有の政治・経済危機となり、対民間債務がデフォルトしました。しかし、水資源の豊かな肥沃かつ広大なパンパ平原、未開発の鉱物(金、銅、レアメタル等)、石油・天然ガス等の天然資源を持つとともに、人材の質も途上国の中では高い方に位置付けられているなど、潜在的なポテンシャルの大きい国であり、特に資源の乏しい日本としてはも っと関 心を持っても 良い国だと思われます。
高木部長
高木部長

ころで、東北地域は、もの作 り に適した人材、豊かな自然等大きなポテンシャルを有していると考えますが、全国比で域内総生産(6.7%)、製造品出荷額(5.9%)とも人口構成比(7.6%)を下回り、上場企業数となると2%にも達していません。また、現在、日本経済が回復 の足取りを確実にする中で、東北経済は本格浮上に向けたきっかけをなかなか掴み切れずにいます。このような 中 、 東北経済産業局では、 東北経済連合会、政策投資銀行等とともに、東北地域の産業クラスター計画の見直しを行っているところです。

北地域が今後飛躍的に発展するためには、地域の企業が互いに連携し、競争し、また、産学官の共同研究等を活発に行うことにより、新たなイノベーションや新規事業が次から次へと創出されるような事業環境(産業クラスター)を域内に作り出することが必須です。このためには、地域の企業、大学、支援機関、自治体、等関係者の一体となった真剣な取組みが求められています。産業技術総合研究所東北センターにおいても、産学官の共同研究、企業の実用化への支援等を積極的に進めることにより、産業クラスターのネットワークの結節点としての役割を果たしていただくことに強く期待します。


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