■「不易流行」とは、芭蕉の俳諧の基本理念で、「不易」とは永久不変の芸術の姿であり、「流行」とは「不易」を求めて進展し流動する芸術の側面を言います。芭蕉はさらにこの両者が一句の中に統一されていることを理想としました。これを換骨奪胎(芸術→研究)して東北センター第二期中期計画の(大げさに言えば) 基本理念 ・ポリシーステートメントもどきを以下に少々。 |
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・ クールビズ姿の加藤所長 |
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いうまでもなく、東北センター第一期において、ナショナルセンター化の指向のもとに種々の検討を重ね、「低環境負荷化学プロセス」の本格的研究に重点研究分野を定め、さらにその実用化・企業化を志向する地域フロントとして産学官連携活動強化を図るという方針は、第二期においても不易であります。一方、ともすれば硬直化・固定化しがちな組織運営を改善し、柔軟なかつ筑波他の地域拠点との流動性に富んだ研究組織展開をも視座に入れて、ご承知のように既存組織の融合再編により「コンパクト化学プロセス研究センター」を立ち上げました。一層の具体的アウトカム創出が大いに期待されるところです。
さらに、第一期において極めて効果的であったインキュベーションコンソーシアム活動も拡大強化され、超臨界流体・メンブレン研究開発技術を軸にMEMS・マイクロリアクター・バイオマスなど関連分野も包含した開放的なグリーンプロセスインキュベーションコンソーシアム(GIC)の設立、より特化して東北OSLに今般設置 された超臨界流体連続供給装置を活用し、そのエンジニアリング構築を通して実用化を強く意識した活動を図る「超臨界流体技術実用化推進研究会」の設立、関連する連携研究体の設置等々、東北センターの研究活動の 強みを生かした重層的なかつ多様な産学官連携活動の展開を図りつつあるところです。
反面、憂慮される要因としては、限られたというより坐視して待つのみでは確実に弱体化していく管理関連部門のマンパワーやリソースの減少があります。現状では全所的な見直しのもとに組織的・体系的な支援は、期待薄というよりさらに一層の削減を求められている状況であり、自助努力による一層の効率化が必要です。士気の低下につながらないよう配慮しつつ優先順位を考慮した適正化を図るという難しい舵取りが重要です。
ともあれ、東北センターの研究ユニットと管理関連ユニットは、従来以上に協力関係を強固にして東北センター全体のパフォーマンス向上に翼を連ねて いきたいと思います。
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