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東北センターでは、東北産学官連携センター長(東北センター所長が兼務)のもとで、研究ユニットはもとより、産学 官連携コーディネータ、スタートアップ・アドバイザーおよびものづくり基盤技術支援、知財、契約、広報の各担当者が一体となって産学官連携活動を展開している。研究所 において最も重要な「共同研究」活動については別の機会に譲ることとし、ここでは産業界、大学等、東北経済産業局お よび地域などとの最近の産学官連携状況について、ご紹介させていただきたい。
地域の産業界との連携として、東北経済連合会(東経連)から産総研の技術シーズ提供の申し入れを受け、昨年2月と5 月に産総研イノベーションズ、知的財産部門(当時、知的財産部)の協力を得て、産総研の技術シーズ(=特許)紹介を 行った。具体的には東経連で開催している「産学連携マッチング委員会」に出席し、未公開特許(累計15件)の説明を行 い、その後のフォローを産学官連携コーディネータが行っている。マッチングの結果として技術シーズ導入の有望な3企業を東経連のスタッフとともに訪問し、技術シ −ズの追加説明および産総研の事業化支援制度の紹介を行い、その内1企業において技術シーズの導入計画が具体的にな りつつある。また、東経連との連携をさらに強化する一環として、8月には東経連の産学連携マッチング委員長以下6名 につくばセンターを訪問していただき、産学官連携部門長から「産学官連携の基本的な考え方」の説明や、3研究ユニッ トの「研究紹介と施設見学」および「産総研における水素関連研究の状況と位置付け」の説明をさせていただいた。産総 研の研究レベルと研究開発の姿勢に対して、東経連に大変好感を持って受け止めていただいた。東経連との連携は、継続 し一層強化していくことになっている。
地域の大学等との連携については、東北大学、東北学院大学、山形大学、日本大学工学部と連携大学院協定を締結し、 学生の受け入れ、講義などを行い、さらに、東北大学大学院環境科学研究科とは研究協力協定を締結し、多くの共同研究 を実施している。さらに、大学、高専および公設研を訪問し、東北センターとの連携強化を図っている。大学理事長や公 設研所長との面談は、連携活動に極めて有益と考え、重視して取り組んでおり、訪問先からもさらなる連携の提案を受け ている。
東北経済連合会のつくばセンターご訪問
(ニュートンのりんごの前で)
東北経済産業局との連携として、平成13年の秋から地域経済部(当時、産業部)の産業技術調査官として産学官連携 コーディネータが併任し、提案公募型プロジェクトや研究開発成果の事業化に関する技術的アドバイスを行っている。ま た、昨年12月には「東北経済産業局地域経済部と産総研東北センターとの情報交流会」を東北センターで開催し、局から 部長以下8名が参加し、東北センターの概況説明、研究室見学(ラボツアー)、局から新政策の説明、その後に活発な ディスカッションを行い、両機関への期待や要望などが双方から出され、さらなる連携強化に有意義な会合となった。本 年夏に第2回を開催することになっており、さらに、東北経済産業局の他の部局との「情報交流会」も順次計画すること になっている。
地域との連携として、東北センターは後述の産学官連携関連の催しを主催するとともに、地域での各種イベントや集会 に積極的に参加している。これらの活動によって、情報の発信、地域ニーズ把握、発掘を図っている。主催している「東 北産業技術研究交流会」では、産総研および東北センターの産学官連携・研究活動の紹介と東北6県の公設研の成果発表 を、企業はじめ各界の参加を得て開催している。これによって研究交流・協力および地域ニーズの発掘が図られている。 開催地は各県公設研持ち回りで既に4回開催している。
「東北地域産業技術懇談会」では、主催の東北センターと東北6県の産業技術関連部門(東北経済産業局、県産業技術 担当課長、公設研所長ほか)との交流促進による産学官連携活動強化の場として既に3回開催しており、この懇談会は東 北経済産業局、各県および産総研・東北センターの基本的な考え方や最近の状況などの相互理解、連携強化に非常に役 立っている。
産総研・東北センターは、来年度からの第2期中期計画に向けて産学官連携活動をさらに強化してまいりますので、今 後とも皆様の一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。
(産学官連携コーディネータ 板橋修、鷲見新一 記)
技術シーズの説明を受ける東経連マッチング委員の皆様
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