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特集 工芸試作品展示室の開設
佐藤事務局長(県産業デザイン交流協議会)、庄子教授、加藤所長、筆者
「せんだいにデザインミュージアムをつくろう」提案パネル展にて
左から佐藤事務局長(県産業デザイン交流協議会)、庄子教授、加藤所長、筆者
  平成16年7月1日、産総研東北センター内に「工芸試作品展示室」が開設された。  当センターの倉庫には、幾多の組織改組に遭遇しながらも、当センターの前身である商工省工芸指導所・産業工芸試験 所時代の試作品・資料等が多数残存していた。展示室として旧応接室を充て、工芸指導所・産業工芸試験所東北支所時代 に試作された作品・関連資料が公開展示されている。

  昭和53年に、工芸指導所に関する研究を行っていた東北工業大学大学院の庄子晃子教授により当センターの工芸試作 品に関する調査が開始され、平成8年に一応の成果を得ていた。その後、平成15年夏、ブルーノ・タウトの調査を行っ ていた松戸市教育委員会と東北工業大学の見学・調査が行われたのを契機に、 “ 仙台デザインミュージアム ” 設立の機運が 高まっている中で、庄子教授による再調査が行われた。その結果、200種、467点の工芸試作品が現存していることが明ら かとなり、学生の卒業研究成果として発表された。

  これらの試作品を今後どのように管理すべきかについて産総研広報部と東北センター加藤所長の提案、及び庄子研究室 の献身的協力を仰ぎ、急遽、「工芸試作品展示室」を開設し公開する運びとなった。本展示室は、事前の申し込みにより 随時閲覧することが可能である。

  また、当時発行された工藝ニュース (1〜41巻)、工藝研究(No.1〜58)等の内容についても、平成15年6月から当セン ターホームページ上の「論文・成果集」から誰でも簡単に閲覧できるようにした。  これら「電子媒体図書室」「工芸試作品展示室」の立ち上げにより、先人研究技術者の努力に敬意を表するとともに、 今後の産総研のビジョン展望に役立てたいと念願している。
(東北産学官連携センター 森 克芳 記)


OSL入居企業紹介
  当社は理化学機器・分析機器などの研究開発用ツールを販売するかたわら、平成5年度から自社ブランド製品の開発に 取り組んでいます。

 この間、NEDO地域新生コンソーシアム事業及び中小企業総合事業団課題対応新技術研究調査・開発事業に取り組み、 その成果の一つとして、超純水中超微量シリカ自動計測器を製品化しました。また、平成15年度より、産総研東北セン ターのメンブレン化学研究ラボ及び国立一関工業高等専門学校との産学官連携により、経済産業省地域新生コンソーシア ム研究開発事業「環境汚染物質測定用オプティカルイオンセンサーの創製」を実施しています。そのため、平成16年3 月に共同研究者として東北センターOSL棟に入居させて戴き、本事業に取り組んでいるところです。

 研究内容は、メンブレン化学研究ラボの鈴木敏重副ラボ長・松永英之主任研究員らが開発した「フッ化物イオン迅速測 定法」と一関高専の小田嶋次勝教授らが開発した「ポルフィリン感応膜を用いた重金属イオンセンサー」をさらに発展さ せ、in−situ測定に最適な測定システムを構築し、商品化を目指すための実用化研究です。お陰様で、フッ化物イオン迅 速測定法を活用した「可搬型簡易フッ化物イオンメータ」の開発は順調に進み、事業化目標である今年4月からの製品化・ 販売開始に目処がつきつつあります。

  OSLへの入居により、シーズの提供者並びに所内の専門分野の研究者と随時ディスカッションしながら常に専門的な アドバイスを受けることが可能となることから、当社に不足している技術力を補うには誠に好都合な環境が整います。一 方、我が社のような中小零細企業では設備が不可能な最新の測定機器の使用が可能となることから、それらの測定データ から研究開発に有効な的確な情報が得られ、効率の良い研究開発が推進できると期待しています。

  また他方では、所内の研究者と活発に情報交換することにより、事業化に繋がる新たな課題の創発が可能となるのでは という期待もありますので、是非、多くの研究員の方々との情報交換の場を設けて頂ければと存じます。
(有限会社イハラ理研 井原忠雄 記)
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   (産総研東北センターとうほくOSL内)
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