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イベント開催報告

研究講演会
  平成16年12月13日に仙台サンプラザにおいて、標記研究講演会を開催いたしました。「低環境負荷化学プロセス技術の開発」 をテーマとして、産総研伊藤企画副本部長からの挨拶の後、メンブレン化学研究ラボの清住主任研究員、蛯名主任研究員、超臨界流体 研究センターの倉田チーム長、超臨界インキュベーションコンソーシアム会員企業であるオルガノ株式会社の浦井部長が研究発表を行 い、併せて東京大学の山口猛央助教授と上智大学の幸田清一郎教授から特別講演をいただきました。
  当日は、約220名の来場を迎え、講演会の中でも活発な質疑応答があり、またポスターセッションの時間には各研究者からの説明 を熱心に聞く参加者の姿が見受けられました。東北センターの技術に対する参加者からの期待を感じることができる内容となりました。 以下に東北センターの発表者からのコメントを紹介します。

写真1
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発表する清住研究員
メンブレン化学研究ラボ 主任研究員  清住嘉道

  「層状ケイ酸塩から創る新規ゼオライト CDS-1の製膜技術の開発とその分離への応用」と題して、東北センターに移転してから約2年半の成果につ いて発表させていただきました。
  超臨界流体研究センターとメンブレン化学研究ラボとの合同の研究講演会であったのと、特別講演2件を企画したこともあり、当日は参加者数 約 220名という盛大なものでした。これもひとえに産学官の密接な連携が根付きつつある証ではないでしょうか。
  また、講演会以外にもポスターセッションの時間が中間にあったこともあり、発表担当研究者との様々な議論がなされていたように思われます。
  今回の研究講演会を通して、素材・解析・部材化・反応・評価まで自前でできるだけのことをやっていこうというコンセプトのもと、より実用化へ の取り組みを邁進していかなければと再認識させていただきました。
  最後に、本講演会を企画・運営していただいた方々に深く感謝の意を表します。

メンブレン化学研究ラボ 主任研究員  蛯名武雄

  研究講演会では「耐熱性ガスバリア膜『クレースト』の開発」と題する口頭発表をさせていただきました。 産学官からの約 220名の参加者の前で研 究のさわりをお話させていただく機会を頂き、大変光栄であるとともに、講演会の開催に尽力いただいた各位にお礼を申し上げたいと思います。
  講演では、粘土を主成分とする柔らかいセラミックスフィルム「クレースト」について、開発コンセプト、構造、性能、用途などについてお話しし ました。クレーストは、ガスバリアフィルムとして従来材料をはるかにしのぐ耐熱性・ガスバリア性を有しており、実用化が期待される新素材です。 発表後会場で率直なご質問を頂くだけでなく、ポスターセッション会場でも多くの問合せを頂き、実用化につながる大変有意義な機会となりました。 全国各地からのご参加をいただいたとのことでありますが、遠方の方ばかりではなく、地元企業からの問合せもありました。この研究講演会、今後と も東北センターの研究を外部にアピールする場として開催していただけることを切に希望いたします。
写真2
写真2
発表する蛯名研究員

写真3
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発表する倉田チーム長
超臨界流体研究センター  流体特性解明チーム長  倉田良明

  NEDOプロジェクト「超臨界流体利用環境負荷低減技術研究開発」の中で、超臨界流体研究センターでは化学技術戦略推進機構(JCII)との共同研究の もと、プロジェクト成果の体系化と公開、さらに関係資料の整備をはかるために「超臨界流体データベース」の構築を進めてきました。NEDOプロジェ クト終了後は、研究情報公開データベース(RIO-DB)上で運用し、一般に公開していく予定です。
  研究講演会では、この「超臨界流体データベース」の公開に先立ち、多くの方々に本データベースの概要とその操作性や特徴についてお知らせする と同時に、積極的な活用をお願いしたところです。このデータベースには成果集・論文等の文献に加え、金属材料を中心にした装置用材料腐食の数値 データ、高分子シミュレーション、特許情報が蓄積されています。今後、酸素ガスを主とした高圧ガス法規や安全操作、事故事例の組み込みも予定し ています。
  環境問題への配慮が不可欠な社会において、超臨界流体利用技術が果たす役目と期待は大きいものがあります。このデータベースが、利用技術の実 用化において積極的に利用されるよう今後も整備をはかる予定です。

写真4 挨拶する
伊藤副本部長
写真4
写真5 写真5 ポスター
セッションの様子