2025年度 計量標準総合センター オープンデイ
産総研 計量標準総合センター(NMIJ)は、これまで「成果発表会」を開催し、計量標準分野の最新成果を広く紹介してきましたが、今年は構成を見直し、新たに 「計量標準総合センター オープンデイ」 として開催します。
従来の2日間開催から1日へと集約し、より充実した内容でお届けします。研究者による「研究トピックス講演」に加え、実際の計測設備や実験環境をご覧いただける「ラボ見学」を通して、社会や産業を支える計量標準研究の現場を体感いただけます。
今回のリニューアルでは、研究内容や取り組みをこれまで以上に分かりやすく発信し、産業界の皆さまをはじめ、外部の方々との対話や連携の機会を広げることを目指しています。NMIJの研究がどのように企業の技術課題解決やイノベーション創出に貢献できるのかをご理解いただける、より“開かれた”イベントです。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
開催概要
| 開催期間 | 2026年1月29日(木) 9:30-16:00 |
|---|---|
| 場所 | 産業技術総合研究所 つくばセンター共用講堂(産総研 つくば中央) |
| 参加申込 |
事前登録制(無料) ※当日の受付は行っておりませんので、あらかじめご了承ください。 |
| お問合せ先 |
本件に関するご質問は下記までご連絡ください。
<計量標準総合センター オープンデイ事務局> |
お申し込みについて
研究トピックス講演のお申し込みについて
- 定員に達した場合、受付を締め切らせていただく場合がございます。
ラボ見学のお申し込みについて
- いずれか1コースのみ、お申し込みいただけます。
- 応募多数の場合は、抽選により参加者を決定させていただきます。抽選結果は、1月上旬にご連絡いたします。
- ラボ見学は、非居住者または特定類型に該当する方はご参加いただけません。
- 特定類型該当性とは:http://www.meti.go.jp/policy/anpo/law_document/minashi/meikakukanitsuite2.pdf
サテライトイベントのお申し込みについて
- いずれか1イベントのみ、お申し込みいただけます。
- ラボ見学と同時に申し込めないイベント、及び、会員限定イベントがありますので、ご注意ください。
- 詳細はサテライトイベントの箇所をご確認ください。
申し込み締め切り
| ラボ見学 | :2026年1月5日(月) |
| 研究トピックス講演 | :2026年1月25日(日) |
| サテライトイベント | :2026年1月25日(日)(一部抽選制:1/5(月)締め切り) |
申し込み後、参加申し込み受付メールを送付いたします。
メールが届かない場合は、メールアドレスにお間違いがないかご確認の上、再度申し込みをお願いいたします。
スケジュール
プログラム
研究トピックス講演
プレナリーセッション
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13:15-13:30【イントロダクション】
総合センター長挨拶
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13:30-14:15【プレナリートーク】
産総研におけるインフラスマート保全・長寿命化技術の社会実装への取組み
産総研では、社会課題解決に向けた融合研究を推進し、加速的な社会実装を実現するため、2025年度より新たに7つの実装研究センターを設立しました。レジリエントインフラ実装研究センターでは、老朽化や専門技術者減少へ対策が急務となっている社会インフラを対象として、点検・検査・診断・補修のメンテナンスサイクルの省人化・自動化及び、長寿命化技術の研究開発を行うとともに、社会実装に向けた実証試験や技術移転を進めています。計測、探査、材料分野と情報・AI、ロボティクス分野の融合による新たなスマート保全システムを実装し、レジリエントな社会の実現に貢献することを目指しています。
工学セッション
工学計測標準研究部門トピックス講演会
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14:30-14:35
部門長挨拶
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14:35-14:55【講演①】
局所角度分布測定に基づく自由曲面形状計測技術の開発
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14:55-15:15【講演②】
電圧天びん法によるプランク定数にもとづく微小質量計測技術の開発
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15:15-15:35【講演③】
動的な流量計測に対する参照標準の開発と展開
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15:35-15:55【講演④】
低周波領域における微小振動加速度評価技術の開発
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15:55-16:00
閉会挨拶
物理セッション
精密計測で未来を創る—量子・電磁波を用いた革新の計測ソリューション
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14:30-14:35
部門長挨拶
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14:35-14:55【講演①】
量⼦通信の安全性と量⼦計算の信頼性を確⽴する“光⼦のものさし”
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14:55-15:15【講演②】
シームレスな計測を実現する基準源脱着型デジタル・マルチメータの開発
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15:15-15:35【講演③】
マイクロ波・ミリ波を用いた電磁波計測技術とセンシング応用—水分量の非破壊計測—
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15:35-15:55【講演④】
高スイッチング周波数動作の実現に向けたパワーデバイスのSパラメータ測定技術
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15:55-16:00
閉会挨拶
物質/分析セッション
ナノの世界を測る・視る – 計測技術で切り拓く材料評価と産業応用の未来
半導体品質管理から次世代材料評価までNMIJが誇る計測技術を紹介します。産業応用の未来を切り拓くヒントを探る講演会です。
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14:30-14:35
開会挨拶
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14:35-14:50【講演①】
時間領域サーモリフレクタンス法による薄膜の面直・面内方向熱拡散率測定技術の開発
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14:50-15:05【講演②】
SEM/FIB-SEMでみえるもの ― 多角的な材料評価・計測
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15:05-15:20【講演③】
見える化の次へ ― 品質管理・ライン管理を支える粒度精密化技術とオンザフライ計測
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15:20-15:35【講演④】
X線マルチスケール構造ダイナミクス観察技術の開発
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15:35-15:50【講演⑤】
陽電子による空孔計測の応用展開
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15:50-15:55
閉会挨拶
ラボ見学
工学コース①
- 角度校正装置
- 自由曲面形状計測用SDP
- 高周波振動・衝撃校正装置
角度の国家標準設備及び高精度な角度測定技術を活用した自由曲面形状計測に関する研究成果を紹介します。また、振動標準に関してレーザ干渉計を用いた高周波振動・衝撃校正装置をご見学頂きます。
工学コース②
- 圧力標準
- 力およびトルク標準
- 無響室・残響室
力・トルク・圧力の国家計量標準の現状と最新の研究成果をご紹介します。また、音響標準等で使用される音の反射がない空間を実現する無響室と音響エネルギーを空間的に均一に拡散させる残響室をご見学頂きます。
物理コース①
- Beyond 5G/6Gを支える高周波電力標準
- 光産業の信頼性を担保する測光・放射標準
高周波および測光・放射に関する精密計測技術をご紹介します。Beyond 5G/6Gに向けた高周波電力の校正装置や、カロリーメータ方式の国家標準器をご覧いただきます。また、照明・ディスプレイ産業を支える測光・放射光標準をご紹介し、標準電球などの光源や照度受光器などの光検出器について、各種測光・放射量の精密校正技術をご説明します。
物理コース②
- 高温熱電対の精密校正技術
- 量子技術を実装するための超低温冷凍機
高温熱電対の精密校正技術と、量子技術に不可欠な超低温冷凍技術をご紹介します。1000 ℃以上の高温域で広く利用される高温熱電対の高精度校正方法や、産総研が保有する国家標準器を実際にご覧いただけます。また、超伝導量子コンピュータなどに必要な熱雑音の極めて小さい超低温環境を効率的に生成する冷凍技術についてもご説明します。
物理コース③
- 量子技術が支える直流電気標準
直流電圧/直流抵抗の国家標準として稼働中のジョセフソン電圧標準/量子ホール抵抗標準の各装置および次世代量子電流標準の実現に向けた研究について紹介します。
物質コース①
- 超高温材料の熱膨張を画像で検出
- ピコ秒時間分解能の温度センシングで薄膜の熱伝導率を計測
熱物性標準研究グループでは、熱エネルギーの移動と蓄積にかかわる熱物性値の計測と標準にかかわる研究開発をしています。本見学コースでは「2000 K超の高温における熱膨張率計測技術」と「厚さ100 nmクラスの薄膜材料の熱伝導率計測技術」をご紹介します。
分析コース①
- X線マルチスケール構造観察装置
- 陽電子顕微鏡
- ポータブル陽電子寿命装置
独自開発したX線マルチスケール構造観察装置(放射光施設に設置)の構成・試料周り・計測フローを写真・動画等を用いて紹介します。当グループでは、陽電子を利用して材料中の結晶欠陥や微細な空隙を評価するための分析技術の開発を進めています。当日は、最先端の分析装置である「陽電子プローブマイクロアナライザー」および「ポータブル陽電子欠陥評価装置」をご見学いただけます。
分析コース②
- サンプリングモアレ
- デジタルホログラフィ
- レーザー加工計測・AI利用実験自動化
光を用いた革新的な非破壊イメージング技術として、簡易マーカとデジカメ撮像による簡易かつ高感度な変位計測技術と橋梁等への応用、デジタルホログラフィによる高速・高精度3D形状計測技術、超短パルスレーザによるガラス加工中のその場モニタリング技術やAIを用いた実験自動化・検査技術について説明・装置見学を行います。
分析コース③
- AISTANS
- 小型X線CT(検出器、X線源)
- 高エネルギーX線発生装置
X線や中性子といった量子ビームを活用した電池等の材料や電柱等の社会インフラの非破壊内部イメージング・CT技術と、小型加速器中性子解析施設(AISTANS)、ポータブルX線発生装置、高エネルギーX線発生装置、湾曲型大面積X線カメラなどの最先端施設・装置の紹介と見学を行います。
分析コース④
- リアル表面プローブ顕微鏡(RSPM)
- 可視-近赤外過渡吸収分光装置(VITA)
先端ナノ計測施設(ANCF)では、研究者が独自に開発した分析機器・技術を公開しています。また、国のマテリアル戦略の下に推進する「マテリアル先端リサーチインフラ(ARIM)」事業に参画してマテリアルDXを推進しています。当日は、半導体デバイスやナノ材料等の分析に用いる最先端の設備をご見学頂きます。
サテライトイベント
pHの現状と認定審査への対応
pH認定事業に関わる現状の課題と解決に向けた分析機器関連事業者を交えた情報交換会です。(事前申込制:先着20名)
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9:30-9:35
開会挨拶
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9:35-9:50
話題提供:pHの現状と認定審査における問題点とその対応について
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9:50-10:25
意見交換
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10:25-10:30
閉会挨拶
物質計測標準セミナー
世界最高水準の定量NMR技術と物質計測の最新動向を公開!分析の信頼性向上で品質保証や国際対応を支え、競争力強化に直結する最新計測技術を体感、課題解決や新たな連携のヒントを探ります。(事前申込制:先着70名)
第一部
(9:15 集合)-
9:30-9:40
開会挨拶および主旨説明
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9:40-10:00
NMIJにおける定量NMRの高度化と実用事例紹介
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10:00-10:20
物質計測技術ピッチ
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10:20-10:30
意見交換
第二部
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10:35-11:55
物質計測技術説明会/NMRラボツアー(事前抽選制)
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11:55-12:00
閉会挨拶
NMRラボツアー
- 検体特性に応じた定量NMRのための調製環境とサンプリング方法
- 定性から高精度定量までをこなすNMRシステム
医薬品や食品分析などに不可欠な「定量」の信頼性を支える定量NMR技術。産総研では、一次標準比率法としての定量NMRを確立、定量NMR用認証標準物質を開発・供給するとともに高純度有機化合物の純度校正サービスを提供しています。見学では、サンプリングと調製環境および定量NMRシステムをご紹介します。
(ご注意)
- NMRラボツアーは、オープンデイのラボ見学とは異なります。物質計測標準セミナーと同時にお申し込みください。また、ご参加は抽選制とさせていただきます。(NMRラボツアー申し込み〆切:1/5(月))抽選結果は1月上旬にお知らせいたします。
物理計測クラブ
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10:15-10:25
主催者挨拶
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10:25-10:40
見学コースの概要説明
- 本イベントは、物理計測クラブの会員の方のみご参加可能です。
- 参加申し込みフォームより、ラボ見学 物理コース①~③にお申し込みの上、物理計測クラブイベント参加、を選択されますと、お申込みいただけます。
- ご参加の可否につきましては、ラボ見学の抽選結果のお知らせと同時にお知らせいたします。