計量標準総合センター : National Metrology Insutitute of Japan (NMIJ)

計量標準総合センター成果発表会 ポスターセッション 1日目(2017年1月26日)  時間 14:00〜16:30

    【物理計測標準研究部門 時間標準研究グループ】
  1. イッテルビウム原子の光誘起表面離脱現象に関する研究

    安田正美、佐藤拓海(東京農工大学)、畠山 温(東京農工大学)

    光格子時計実験の出発点である原子線源として、従来、原子オーブンが用いられてきた。これは、大電力が必要など、小型可搬化への障害となっている。 この問題を解決するために、光誘起表面離脱現象に着目した。これは物体表面に付着した金属に紫外線を照射すると、金属原子が離脱するというものである。 この現象を詳細に調べるために、イッテルビウム原子をパイレックス等の基板に堆積し、X線光電子分光を行う。
  2. デュアル光格子時計による超精密周波数比計測

    赤松大輔、小林拓実、久井裕介(横浜国立大学)、保坂一元

    我々は、これまで2台の独立な光格子時計を用いて、SrおよびYb原子の時計遷移周波数の比を測定してきた。 このような場合、それぞれの真空容器の温度の測定の不確かさを加味する必要がある。 そこで、遷移周波数比の測定不確かさの低減を目指し、SrおよびYb光格子時計を一つの真空容器中で実現するデュアル光格子時計の開発を行っている。 本発表では、デュアル光格子時計を用いた周波数比計測について発表する。
  3. 時間周波数国家標準高度化のためのイッテルビウム光格子時計の開発

    小林拓実、安田正美、赤松大輔、田邊健彦、保坂一元

    本研究は、時間周波数国家標準であるUTC(NMIJ)の周波数を、光格子時計を用いて調整し、現在よりも高信頼、高安定な時間周波数標準の生成を目的とする。 これを可能にするために、小型、省電力、長期運転可能なイッテルビウム光格子時計を開発している。本発表では、光源および小型真空装置の開発について報告する。
  4. イッテルビウム原子に安定化した399 nmレーザー光源の開発と評価

    田邊健彦、赤松大輔、稲場 肇(周波数計測研究グループ)、大久保 章(周波数計測研究グループ)、

    小林拓実、安田正美、洪 鋒雷(横浜国立大学)、保坂一元

    イッテルビウム(Yb)原子は、光格子時計など様々な基礎物理の研究に用いられる原子である。 今回、極低温Yb原子気体を用意するためのレーザー冷却用遷移として用いられる波長399 nmのレーザー光源を開発し、Yb放電管を用いて周波数安定化した。 本発表では、開発した399 nmレーザー光源の絶対周波数測定と不確かさ評価の結果を報告する。
  5. UTC(NMIJ)の現状及び周波数遠隔校正の基線長拡張

    鈴山智也、雨宮正樹

    高信頼、高安定な時間周波数の国家標準であるUTC(NMIJ)を連続的に発生させ、周波数標準器の持込及び遠隔校正を実施している。 新規や持込校正からの移行も含めて遠隔校正の件数は年々増加しており、着実に普及している。本発表ではUTC(NMIJ)の現状と併せて、 標準器から校正器物までの距離である校正基線長を 1600 km から 5000 km まで拡張した周波数遠隔校正について報告する。
  6. 【物理計測標準研究部門 周波数計測研究グループ】
  7. 光コム発生のための解析技術の開発

    柏木 謙、稲場 肇

    光コムは精確な光周波数を実現可能な技術して登場し、その発生装置の作製技術の成熟に伴って様々な計測への応用が拡大している。 しかし、その発生装置の設計・開発には経験的な方法が採られており、明確な指針が得られていない。 そこで本研究では、光コム発生装置内で光スペクトルを効率的に拡大可能な条件の解析技術について検討する。
  8. 光コムの高精度化に向けた光ファイバ型干渉計のノイズ測定

    和田雅人、大久保 章、稲場 肇

    光コムは周波数の精確なものさしであり、その性質や特長を活かして環境ガス分析をはじめ、長さ計測・標準、光時計、テラヘルツ、果ては天文分野にまでその応用が広がってきている。 リアルタイム計測、およびより広い範囲での応用のためには、光コムの精度を更に向上させることが重要である。 本研究では、光コムの周波数精度を制限する光ファイバー型干渉計のノイズを測定し、その低減に向けた検討を行う。
  9. デュアルコム分光法を用いたガス分析装置の開発

    大久保 章、岩國加奈、大苗 敦、佐々田博之(慶應義塾大学)、洪 鋒雷(横浜国立大学)、稲場 肇

    環境ガスや工業用ガスのリアルタイム分析のために、高分解能、高周波数精度、広帯域のスペクトルを短時間に得られるデュアルコム分光装置を開発した。 分解能・周波数精度については十分高性能であることを実証しており、現在は感度の評価・向上に向けてスペクトルのノイズ評価や高感度が期待できる中赤外波長への対応といった課題に取り組んでいる。 本発表では、デュアルコム分光によるガス検出の原理とこれまでに得られた成果を紹介する。
  10. 【物理計測標準研究部門 量子電気標準研究グループ】
  11. 1 MΩ集積化量子ホール素子の開発

    大江武彦、Gorwadkar Sucheta、板谷太郎(ナノエレクトロニクス研究部門)、金子晋久

    電子機器の小型化、省エネルギー化に伴い、微小電流、高抵抗の精密測定のニーズが増しつつある。 抵抗精密測定の精度は、基準抵抗器の安定度に依存するが、高抵抗の標準抵抗器の安定度はそれほど高くなく、不確かさの主な要因となっている。 直流抵抗の一次標準として用いられている量子ホール素子を直並列に組み合わせ1 MΩの集積化量子ホール素子を作製し、極めて安定に1 MΩを示すことを確認した。
  12. 単一電子レベルの微少交流電流計測を目指した超電導電流アンプの開発

    岡崎雄馬、Ngoc Thanh Mai Tran、中村秀司、金子晋久

    単一電子素子を用いることにより、光・音波・温度といった種々の物理量をフェムトアンペア、ピコアンペアレベルの微少電流に変換して検出できる。 このような計測においては、従来半導体電流アンプが用いられてきたが、検出感度は半導体アンプの雑音に制約されるため、さらなる感度向上は困難であった。 本研究では低発熱・低雑音な超電導電流アンプを開発し、従来の半導体電流アンプよりも雑音レベルを1桁低減させることに成功した。 開発した電流アンプと単一電子素子を用いた検出器を組み合わせることによりさらなる高感度検出が実現できると期待される。
  13. 高周波反射測定を用いた単一電子ポンプの実時間測定

    中村秀司、則元将大、岡崎雄馬、金子晋久

    我々はこれまで量子電流標準の実現に向けて、超伝導単一電子素子を用いた単一電子源の研究を行い、その高周波駆動、並列駆動、逆近接効果の影響などを明らかにしてきた。 今回我々は、さらなる精度向上とエラーの物理的起源の解明に向けた単一電子源の実時間測定について報告する。 素子は半導体二次元電子系上に、電子線描画、超高真空蒸着などを用いて作製した。 また高周波測定系は希釈冷凍機中に低温アンプ、マッチング回路等を作製し導入した。反射および透過測定系の動作、基板特性、素子動作などを報告する。
  14. 【物理計測標準研究部門 応用電気標準研究グループ】
  15. 量子化ホール抵抗を利用した分圧器の開発

    堂前篤志、大江武彦(量子電気標準研究グループ)、金子晋久(量子電気標準研究グループ)、桐生昭吾(東京都市大学)

    極めて安定な分圧比の実現が見込まれる量子化ホール抵抗分圧器(QHR分圧器)を試作した。 これは量子化ホール抵抗(QHR)を複数個用いて構築した分圧器であり、その分圧比は基礎物理定数の組み合わせ:h/e2h: プランク定数, e: 素電荷)を基本に決まる。 このため、QHR 分圧器の分圧比は、原理的に経時変化しない。この特徴を活用すれば、市販抵抗分圧器の高精度評価が可能になると見込まれる。
  16. 未利用熱利活用のための熱電材料の精密測定技術の開発

    天谷康孝、島崎 毅(極限温度計測研究グループ)、河江達也(九州大学)、藤木弘之、

    山本 淳(省エネルギー研究部門)、金子晋久(量子電気標準研究グループ)

    未利用熱の利活用のため、排熱を電気に再資源化する熱電発電が注目されている。 産総研では、物質の熱-電気変換性能の指標となるゼーベック係数(熱起電力)の計測技術の研究開発を実施している。 安定な温度場生成技術と正確な電圧計測技術を駆使することにより、ゼーベック係数の絶対測定に成功し、0.1 μV/Kレベルの高感度化を達成した。 温度サイクルで生じる熱電材料の潜在的劣化の早期検出への応用を進めている。
  17. 交流プログラマブルジョセフソン電圧標準システムを利用したサーマル・コンバータの評価

    天谷康孝、丸山道隆(量子電気標準研究グループ)、島崎 毅(極限温度計測研究グループ)、

    山森弘毅(ナノエレクトロニクス研究部門)、藤木弘之、金子晋久(量子電気標準研究グループ)

    10 Hz以下の低周波での交流電圧測定の高精度化を目指すため、これまで報告された中で、 最大振幅値となる電圧実効値10 Vで、交流プログラマブルジョセフソン電圧標準を用いたサーマル・コンバータの評価を行った。 サンプリングのパラメータの最適化を行い、約1 ppmの不確かさで交流電圧の評価が可能なことが示された。10 Hz以下の低周波領域では従来法と比べ、不確かさが一桁低減した。
  18. リチウムイオン電池の非破壊評価

    坂本憲彦

    充放電の繰返しで生じる、リチウムイオン電池の内部インピーダンスの変化を、精密に計測することにより、電池内部の劣化状況を評価する手法について紹介する。 内部インピーダンスの低い大容量蓄電池の計測に対応できる、mΩレンジのインピーダンス評価装置を開発した。 電池端子間への微弱な交流電気信号の印加のみで計測できるため、電池を分解することなく、内部の変化を捉えられる非破壊評価が可能となった。
  19. 100アンペア/1キロヘルツの交流電流比標準の開発

    山田達司

    近年では、車載用バッテリのような身近な所で100 Aレベルの大電流が使われている。 このような大電流を1 %以下で、かつ広帯域で高精度に計測するニーズが高まっている。 交流用電流センサを評価するためには、電流比較器を用いた交流電流比標準を用いるが、これまでは、50 A/4 kHzまでの範囲であった。 今回1 kHzまでの範囲で100 A(電流比1000/1の対応)まで拡張した。
  20. 【物理計測標準研究部門 電磁気計測研究グループ】
  21. 10 MHz発振器の発振周波数近傍におけるスペクトル形状

    平野 育、柳町真也(高周波標準研究グループ)、池上 健(高周波標準研究グループ)、

    高見澤昭文(高周波標準研究グループ)、 鈴山智也(時間標準研究グループ)、和田雅人(周波数計測研究グループ)

    スペクトルや位相雑音を算出するためには、発振器の発振周波数を算出する必要がある。 しかし、発振器の周波数は常に変動しており、測定初期と末期の瞬時周波数の差が大きくなった場合、計算の正確さか不明となる。 今回、測定時間内の測定波形から算出した周波数を元にスペクトルを算出し、周波数測定精度が位相雑音算出結果に与える影響を検討した。
  22. 窒化ガリウムダイオードの精密測定と整流器設計における活用

    岸川諒子、川繁男(JAXA/ISAS)、堀部雅弘

    我々は、ワイドバンドギャップ半導体である窒化ガリウム(GaN)を、宇宙における無線電力伝送や無線通信に活用する研究を行っている。 例として、受信機の核となる整流回路をGaNダイオードを用いて開発を行っている。 整流回路の効率的な設計には、ダイオードの精密計測の実現と測定結果に基づく回路設計技術の確立が必要である。計測の不確かさ解析技術および、 その不確かさに基づく回路設計マージンを推定する技術の開発状況を報告する。
  23. 電磁波センシング技術を用いた農畜産物の品質検査技術

    昆 盛太郎、堀部雅弘

    穀物や家畜用飼料、食品などの品質を、リアルタイムに計測するための電磁波センシング技術の開発に取り組んでいる。 本技術は、原理上、非破壊で対象の水分量や糖度などの品質の全数検査が可能であることや、不透明な遮蔽物があっても計測が可能な点で、可視光を用いる従来技術と比べて優位性がある。 本技術について、現在の開発状況や測定結果の例などについて報告する。
  24. 高周波平面回路の評価技術の開発

    坂巻 亮、堀部雅弘

    車載用レーダーやWiGigといった、ミリ波帯を利用したデバイスの開発が盛んに行われている。 こうしたデバイスの伝送線路としてコプレーナ線路に代表される平面回路が用いられている。 平面回路の評価にはプローブを用いた測定系が用いられるが、ミリ波帯では十分な測定再現性の確保が困難となり、測定の再現性の改善が必須である。 本発表では、不確かさ解析を行うことで、測定再現性が平面回路評価の結果に与える影響について調査したのでて報告する。
  25. 100 GHz超低損失誘電体基板評価システムの研究開発

    加藤悠人、堀部雅弘

    屋内の高速無線通信や自動車レーダーなどのミリ波帯電磁波応用が精力的に研究開発されている。 そこで使われる回路やデバイスの設計には、高精度なミリ波帯材料評価技術が必要になるが、その測定精度について十分な検討は行われてこなかった。 今回、単一の共振器で広帯域の低損失材料評価が可能な平衡形円板共振器法を用いて、100 GHz超までの誘電率測定を行い、その測定精度(不確かさ)を厳密に解析した結果を報告する。
  26. 4K/8Kスーパーハイビジョン向けコネクタの性能評価技術と国際標準化

    堀部雅弘、岸川諒子、中村真太郎(JQA)、佐藤恵子(JQA)、桶田真司(スタック電子(株))、野口博志(スタック電子(株))

    4K/8Kスーパーハイビジョンでは、CS左旋偏波放送において、アンテナケーブルでは3.224 GHzの電磁波信号の使用が予定されている。 アンテナケーブルのコネクタでは、F型コネクタ(C 15型コネクタ互換)が引き続き利用されることとなっている。 しかし、F型コネクタは国際標準で3 GHz以上の仕様が決まっておらず、計量機関での評価用標準器の校正が実現できていない。 そこで、評価用の標準器とその校正方法について、3者で共同して実現した。
  27. 【物理計測標準研究部門 高周波標準研究グループ】
  28. 周波数範囲110〜170 GHzにおける減衰量測定のトレーサビリティの確立

    ウィダルタ アントン

    産総研ではこれまでに、10 MHzから110 GHzまでの高周波減衰量標準の確立・維持・供給を行っている。 一方、最近スパーハイビジョン放送システム等には110 GHz以上のミリ波無線通信が実際に使用されるようになり、 それらのシステムの性能評価には、その周波数帯域における高周波減衰量測定の標準・トレサービリティが必要になる。 そこで、ネットワーク・アナライザによる110 GHz-170 GHzの減衰量測定に対する新たな不確かさ評価及びトレサービリティ確保の手法を紹介する。
  29. 携帯電話回線を用いた遠隔地周波数比較技術の開発

    柳町真也、萩本 憲(時間標準研究グループ)、高見澤昭文、新井健太(工学計測標準研究部門 圧力真空標準研究グループ)

    相互に離れた場所に存在する2つの発振器の周波数を比較する場合、従来は中間発振器を用いて周波数差を算出していた。 そのため、それぞれの場所での測定データを一旦集めてデータ処理する必要があり、即時性や簡便性が求められる場面では十分に対応できなかった。 本研究では、携帯電話回線を利用して中間発振器を用いることなく、直接周波数比較を行い、リアルタイムに結果を得る方法を提案し、実証実験を行った。
  30. 低振動パルス管冷凍機を用いた自律型低温サファイア発振器の開発

    池上 健、渡部謙一(量子光計測研究グループ)、柳町真也、高見澤昭文、

    平野 育(電磁気計測研究グループ)、萩本 憲(時間標準研究グループ)、J.G.Hartnett(アデレード大学)

    一次周波数標準器や将来の時系維持のための局部発振器として、水素メーザーより優れた周波数安定度を有する低温サファイア発振器を開発している。 低振動のパルス管冷凍機と振動抑制クライオスタットを用いた電気的冷却方式の低温サファイア発振器により、10-15台の周波数安定度を有し、 液体ヘリウムなどの定期的な補充が不要で数年にわたって連続的に動作する自律運転が可能となったのでその現状を報告する。
  31. テラヘルツ波センサの線形性自己校正システムに関する研究開発

    木下 基、飯田仁志

    テラヘルツ波分光は、これまでに他の電磁波では得られなかった範囲のスペクトル解析が可能であることから、新たな分析技術として注目されている。 しかし、スペクトル解析において重要となるセンサの線形性に関する評価技術は、現在確立されていない。 そこでNMIJでは、重ね合わせ法を基にしたテラヘルツ波センサの線形性を自己校正可能なシステムを独自に考案し、開発を開始したので、その詳細について発表する。
  32. 【物理計測標準研究部門 電磁界標準研究グループ】
  33. 30 MHz以下の放射EMI試験装置評価のためのダブルギャップループアンテナを用いた電磁界コムジェネレーターの開発

    飴谷充隆、石居正典、黒川 悟

    H27年度に開発した対数目盛コムジェネレータに、ダブルギャップループアンテナを組み合わせることで、 30 MHz以下の放射EMI試験装置の性能評価に利用可能な電磁界コムジェネレータを開発した。 当該装置は入力信号の位相差を切り替えることで、電界発生モードと磁界発生モードを瞬時に切り替えることが可能であり、 多様な被試験装置を模擬することで、EMI試験装置の信頼性向上を可能にする。
  34. グレーティンローブを抑制するアレーアンテナの新たな設計法

    She Yuanfeng、廣瀬雅信、黒川 悟

    線状アレーアンテナに関する新たな設計法として、アレーアンテナ近傍に導波路構造物を配置して、 不要な放射であるグレーティンローブを抑制することが可能なアンテナ設計法を考案した。 これにより、従来では困難であった、アレイアンテナ間隔を1波長以上離すことも可能となるため、 簡単な構造で高性能なアンテナを設計することが可能となった。本技術は、無線通信やレーダーなどのアンテナ設計への応用が可能である。
  35. 30 MHz以下の磁界計測用ループアンテナ特性の精密評価

    石居正典

    30 MHz以下の磁界計測にはループアンテナが用いられるが、NMIJでは絶対測定法と相対測定法のどちらについても、独自の測定手法を開発している。 従来、これらの測定手法は、特定のループアンテナの特性評価にのみ使われていたが、実際には様々なループアンテナにも適用可能である。 今回、NMIJで開発及び採用している絶対測定法と相対測定法について紹介する。
  36. 【物理計測標準研究部門 温度標準研究グループ】
  37. 銀定点(962 ℃)における高温用白金抵抗温度計の評価

    ウィディアトモ・ジャヌアリウス、原田克彦(工学計測標準研究部門 型式承認技術グループ)

    白金抵抗温度計(SPRT)は銀点(962 ℃)までの温度目盛を定義するための補間計器となっている。 しかし、この温度でSPRTを使用すると、安定性や再現性などに課題があった。 そこで、本研究は、現在市販されている高温用SPRTについて、その熱処理方法に着目して、個々のSPRTが安定して使用できる最適な熱処理条件を特定し、銀点での性能を評価した。
  38. 接触式表面温度計の校正技術の開発

    斉藤郁彦、中野 亨、丹波 純

    接触式表面温度計は、測定対象物に圧接させて使用する温度計である。 この温度計について実際の使用状態と同様な条件で校正する方法として、一定温度に保持した金属ブロックに温度計を圧接させて行う方法がある。 本研究では、150 ℃において金属ブロック内部の温度分布を高精度に測定し、接触面の温度を0.1 ℃以内の不確かさで評価した。 また、接触式表面温度計を圧接させた際の、金属ブロックの温度変化、および表面温度計の指示値の変化についても報告する。
  39. Rh-C共晶点(1657 ℃)を用いた熱電対校正技術の開発

    小倉秀樹

    1600 ℃以上での高温域ではガラス、半導体、セラミックスなどの素材産業等の分野で、製品の品質管理やエネルギー効率の向上のため熱電対を用いた高精度の温度測定が求められている。 しかし、現在、産総研から供給されている熱電対による温度標準の上限は1554 ℃であるため、Rh-C共晶点(1657 ℃)を用いた校正範囲の拡大を目指している。 本発表では熱電対校正用Rh-C共晶点実現装置の開発状況について報告する。
  40. 【物理計測標準研究部門 極限温度計測研究グループ】
  41. 単一光子分光による光バイオイメージング技術のための無冷媒希釈冷凍機システムの開発

    中川久司、沼田孝之(量子光計測研究グループ)、服部香里(量子光計測研究グループ)、

    丹羽一樹(量子光計測研究グループ)、福田大治(量子光計測研究グループ)

    治療薬や治療法の開発の効率化には、生細胞の可視化技術の高感度化が必要とされている。 産総研の有する超伝導転移端センサ(Transition edge sensor; TES)による超高感度単一光子分光技術を活用し、極微弱光を発する生細胞のin vivo光バイオイメージング技術の確立を目指している。 ここでは、キーデバイスであるTESを安定に動作させるために必要な50 mK以下の極低温を連続的に生成し、多様な光学的実験に対応可能な無冷媒希釈冷凍機システムの開発について報告する。
  42. トポロジカル絶縁体における量子化ホール抵抗の普遍性検証-物性評価およびデバイス作製

    三澤哲郎、福山康弘(量子電気標準研究グループ)、岡崎雄馬(量子電気標準研究グループ)、中村秀司(量子電気標準研究グループ)、

    名坂成昭(東京工業大学)、笹川崇男(東京工業大学)、金子晋久(量子電気標準研究グループ)

    トポロジカル絶縁体(TI)は、内部は絶縁体であるが、表面は金属的であり電流が流れる。 TIは近年ではスピントロニクス材料として注目されているが、磁性体を添加したTIにおいては、無磁場で量子化ホール抵抗が実現できることが知られており、 標準技術への応用も期待される。本研究は、TIの表面における量子化ホール抵抗の普遍性の検証を目指している。ここではTIの物性測定・分析と、測定デバイス製作について報告する。
  43. 3Heジュール・トムソン冷却装置の高精度温度制御

    島崎 毅

    近年、水素社会の実現や超電導を利用した機器のインフラへの応用などに向けた研究開発が活発に進められている。 その結果、極低温領域での精密な温度計測へのニーズが高まっている。産総研では、独自開発した3Heジュール・トムソン冷却装置を使用し、この極低温領域における温度計の高精度評価技術を開発した。 この冷却装置の特徴の一つは、極めて安定した極低温測定環境を生成できることにある。その温度制御特性について報告する。
  44. 【物理計測標準研究部門 応用放射計測研究グループ】
  45. 放射率その場補正による溶融金属の温度計測

    山口 祐、笹嶋尚彦、山田善郎

    製鉄、重工業等の製造プロセスにおいて、高温物質を対象とした非接触による温度測定は、品質・歩留まり向上、省エネルギー対策のために極めて重要である。 しかし、溶融状態の金属などの未知の熱物性の対象においては、正確な温度測定は困難であった。そこで、2波長放射温度と反射率比を同時に測定し、放射率をその場補正する手法を開発した。 これにより、例えば金属溶接部位の汎用温度分布計測などの応用が期待される。
  46. LEDチューナブル光源の照明分野への応用に関する研究

    神門賢二、田村 裕((株)セルシステム)、渡 脩((株)セルシステム)

    近年、中心波長が異なる複数の準単色LEDを用いたスペクトル可変光源(LEDチューナブル光源)が登場し、様々な分野での利用が始まっている。 照明分野でも、物体色評価の際の基準光源(CIE標準光源)のスペクトル実現等が試みられている。 本発表では、LEDチューナブル光源利用の調査結果、及び、ソーラシミュレータ用LEDチューナブル光源の改造によるCIE 標準光源スペクトル実現の試み等について報告を行う。
  47. イオンビームマイクロ加工に基づく完全黒色平板の開発

    雨宮邦招、越川 博(量子科学技術研究開発機構)、八巻徹也(量子科学技術研究開発機構)、

    井邊真俊、蔀 洋司(光放射標準研究グループ)、座間達也

    黒体を実現する場合、一般には微小な孔を設けた空洞を用いる。しかし、孔を大きくするほど、さらに巨大な空洞が必要になるため、大面積の黒体の実現はこれまで困難であった。 そこで、イオンビーム加工により「マイクロ空洞」を平板上に敷き詰め形成する技術を開発し、大面積な黒体平板の実現を目指している。 接触しても劣化しにくいという特色を有し、熱放射源、赤外線センサ、迷光防止用途といった応用が期待される。
  48. 2色放射温度計の性能評価方法と試験結果

    笹嶋尚彦、角谷 聡 ((株)チノー)、清水孝雄 ((株)チノー)、山田善郎

    製造プロセス等における非接触温度計測において、測定窓の汚れや放射率変化が問題となる現場や、細いワイヤ等、微小な物体の温度測定では、2色放射温度計が広く使用されている。 それにも関わらず、2色放射温度計の性能評価方法は確立されていない。そのため、今回、2色放射温度計特有の性能評価方法の提案を行うとともに、市販の2色放射温度計にこの試験方法を適用した。
  49. 複数の黒体炉、セル、放射温度計を用いたファーネス・エフェクトの実験的検討

    井邊真俊、山田善郎

    金属-炭素共晶点および銅点の高温定点の測定においては、ファーネス・エフェクトと呼ばれる現象が報告されている。 これは、同一のセルを同じ放射温度計で測定したにもかかわらず、セル加熱用の炉が異なると輝度温度が異なる現象で、高温定点における最も大きな不確かさ要因である。 しかし、その原因は未だ解明されていない。高温定点の熱力学温度を高精度に決定するためにも、この原因解明は不可欠である。 そこで、3種類の黒体炉、2種類の銅点セル、2種類の放射温度計を用いて実験をおこない、この原因を検討したので報告する。
  50. 【物理計測標準研究部門 光放射標準研究グループ】
  51. 精密光計測を実現するアレイ式分光放射計の応答特性の評価

    田辺 稔、神門賢二

    アレイ式分光放射計は、紫外から近赤外までの波長範囲と4桁超の光強度範囲で応答を示すため、分光分析機器に使用されている。 この放射計を用いた精密光計測には、広い光強度での入射光に対する出力値の比(直線性)の評価が要求される。 そこで、この特性を精密評価できる技術を開発した。本技術は、応答が非直線であるアレイ式分光放射計を補正できるため、分光分析機器の性能や信頼性を飛躍的に向上させることができる。
  52. 白色LED用蛍光体の光学特性評価方法の国際標準化

    市野善朗

    白色LEDにおいて波長変換を担う蛍光体は固体素子照明におけるキー技術の一つであり、信頼性の高い特性評価が要求される。 わが国では、平成23年度より白色LED用蛍光体の光学特性評価方法に関する国際標準開発事業(経産省委託)が実施され、JIS R1697新規制定に続いて現在、 ISO/TC206において規格制定に向けた審議が進んでいる。原案作成委員長として参画した国際標準開発の概要と今後の展望を紹介する。
  53. 紫外LED製品の信頼性向上のための放射照度評価技術

    木下健一、神門賢二

    近年、紫外LED光源の産業ニーズが、殺菌、水処理、紫外線硬化、 非破壊検査、皮膚治療等の様々な用途で増加している。 それら紫外線照射工程では照射面での放射照度が重要となる。しかし、光源のスペクトルや測定距離の違いが測定値に影響することから、これまで紫外光源の高精度な評価は困難であった。 そこで産総研の持つ光センサ評価技術を活用して、紫外LEDからの放射照度の評価技術を開発した。
  54. 三次元反射・透過計測システムの開発 −色と見え方の定量化技術の確立に向けて−

    蔀 洋司

    これまで主観評価に大きく依存してきた物体の色や見え方の評価を、光学測定により定量化する技術の確立を目指して、変角分光測定に基づく三次元反射・透過計測システムを開発した。 これにより、BRDF(二方向反射率分布関数)に代表される、任意の入射および受光条件下での物体の分光反射・透過特性を、波長360 nmから830 nmの可視域で高精度に評価することが可能となった。 本発表では、計測システムの概要および特殊色彩効果を含む幾つかの色材に対するBRDFの評価例を中心に報告する。
  55. 標準LEDの分光配光測定による高精度な明るさ評価技術

    中澤由莉、神門賢二、丹羽一樹、座間達也、山路芳紀(日亜化学工業(株))、松岡真也(日亜化学工業(株))

    昨年度、スペクトルの定量的な評価技術を用いて、分光測定によるLED照明の特性評価に最適なスペクトルをもつ標準LEDを開発した(2016年2月2日:プレス発表)。 今回、開発した標準LEDの明るさの指標となる全光束や、波長ごとの光の量である分光全放射束を、分光配光測定に基づき高精度に評価する技術を開発した。 本発表では、この技術の詳細について、測定不確かさの評価結果と併せて報告する。
  56. 【物理計測標準研究部門 量子光計測研究グループ】
  57. 超伝導転移端センサを用いた単一光子検出器の開発

    服部香里、小林 稜、丹羽一樹、沼田孝之、渡部謙一、福田大治

    単一光子のエネルギーを測定可能な超伝導転移端センサ(Transition edge sensor; TES) は、次世代量子情報通信やバイオイメージングへの応用が期待されている。 本発表では、TES検出器のエネルギー分解能最適化および素子評価の取り組みについて報告する。
  58. 精密レーザ加工に必要な高強度レーザのビームプロファイル評価技術の開発

    沼田孝之、瀬渡直樹(製造技術研究部門)、田辺 稔、雨宮邦招(応用放射計測研究グループ)、福田大治

    レーザ加工の精度向上には、加工点のビームプロファイルの制御が不可欠であり、kW級の近赤外レーザ光の空間強度分布を、正しく測定する必要がある。 しかしこれまでに、測定用センサの飽和を回避し信号レベルを調整するための露光時間の設定によっては、測定結果に著しい誤差を生じることがわかってきた。 そこで本研究では、これらの課題を解決し加工用レーザにも適用可能な、高精度なビームプロファイル評価技術を開発している。
  59. 超伝導単一光子検出器のバイオ応用技術の開発

    丹羽一樹、沼田孝之、服部 香里、小林 稜、渡部 謙一、福田大治

    超伝導技術により微小なエネルギー検出を可能とする超伝導転移端センサ(Transition Edge Sensor, TES)を用いて単一光子を分光計測する技術を開発した。 この技術により、創薬や環境分野での利用が拡大している生物発光反応など微弱光計測の高感度化が期待できる。 今回は、生物発光反応の分光計測とカラー顕微鏡イメージングへの応用試験の結果について紹介する。
  60. 【物質計測標準研究部門 無機標準研究グループ】
  61. 電量沈殿滴定法による高純度塩の純度評価と国際比較CCQM-K114の結果報告

    鈴木俊宏

    電量沈殿滴定法は高純度塩中のハロゲン(Cl, Br, I)を高精度かつSIトレーサブルに定量することが可能な分析法である。 本法を用いた認証標準物質(CRM)開発について紹介すると共に、本分析法を用いて参加した国際比較CCQM-K114(塩化カリウムの純度)の結果について報告する。
  62. 連続流れ分析法による海水栄養塩の定量の再評価

    チョン千香子

    連続流れ分析法は、海水栄養塩(硝酸イオン、亜硝酸イオン、りん酸イオン、溶存シリカ)の測定に一般的に用いられる方法である。 栄養塩の定量に使用する検量線の直線性を再評価し、この系では直線回帰できないことを明らかにした。その検討の詳細と、新たに採用した二点挟み込み法による海水栄養塩の定量結果について報告する。
  63. イオンクロマトグラフィーによる金属標準液の高精度濃度比較

    三浦 勉、山内喜通

    金属標準液の校正には、高精度な濃度比較が可能なEDTA滴定、酸化還元滴定等が用いられている。 今回、Cr標準液、Be標準液を対象にイオンクロマトグラフィーによる濃度比較法の検討を行い、既存の手法であるEDTA滴定や、 ICP-OESによる測定精度と同等なレベルでの濃度比較ができることが明らかになったので、その結果を報告する。
  64. 高純度金属中硫黄の高精度定量のための化学分離−同位体希釈ICP-SFMS法の開発

    和田彩佳、野々瀬菜穂子、大畑昌輝、三浦 勉

    金属中の軽元素は材料特性に大きな影響を与えるため、含有量の精確な評価が望ましいが、揮発性元素である硫黄の精確な測定は難しい。 本研究では、高純度金属中の微量の硫黄の高精度定量を目的とし、化学分離および同位体希釈法を併用したICP-SFMSによる硫黄の分析条件を検討した。その際に得られた知見について報告する。
  65. 波長連続光源分子吸収-同位体希釈法によるプラスチック材料中のハロゲンの定量法

    野々瀬菜穂子、石澤ゆかり、三浦 勉

    我々は波長連続光源を用いた炭素炉原子吸光分析法(GFAAS) によるCaとF,Cl,Brとの分子吸収の特性を調べてプラスチック中のハロゲンの直接定量に応用してきたが、 検量線由来の不確かさは2 %〜5 %程度であり定量性を改善する必要があった。 そこでCaCl, CaBrの分子吸収スペクトルがハロゲンの同位体によって分離する性質を利用し、同位体希釈法によるハロゲンの高精度定量の可能性について検討した。
  66. 金属チタン中の軽元素分析

    大畑昌輝、城所敏浩

    チタン標準液を開発するためには純度が評価された金属チタンが必要であり、そのためには不純物分析が必要であるが、 その一環として金属チタン中の軽元素(炭素、水素、窒素、酸素など)分析について検討を行ったので、その際に得られた知見について報告する。
  67. 【物質計測標準研究部門 環境標準研究グループ】
  68. LA-ICP-MSによる固体試料中の微量元素の定量分析法

    朱 彦北

    試料の主成分を定量したうえで内標準元素として用い、マトリックスマッチングした溶液スタンダードに基づいた検量線法を用いて、LA-ICP-MSによる固体試料中の微量元素の定量分析法について発表する。 測定はガラス試料を用いた例を紹介する。
  69. 単一粒子誘導結合プラズマ質量分析法によるナノ粒子分析システムの開発

    宮下振一、藤井紳一郎(バイオメディカル標準研究グループ)、

    高津章子(バイオメディカル標準研究グループ)、稲垣和三、藤本俊幸

    単一粒子誘導結合プラズマ質量分析法は、ナノ粒子の元素組成、個数濃度、サイズ情報の取得を可能とする比較的新しい分析法であり、 様々なナノ粒子含有製品における粒子の特徴付けや環境中での粒子の挙動解析等のツールとしての活用が広まりつつある。 本講演では、より精確かつ簡便な個数濃度・サイズ情報の取得の実現を目指した分析システムの開発成果について報告する。
  70. 2液同時噴霧型グリッドネブライザーを用いたオンライン標準添加/ICP-OES法の検討

    井戸航洋、松下莉那、藤井紳一郎(バイオメディカル標準研究グループ)、宮下振一、稲垣和三

    当グループで開発した2液同時噴霧型グリッドネブライザーを用いたオンライン標準添加/ICP-OESシステムの概要と、生物試料中微量元素分析への応用結果について報告する。
  71. 金属多層膜標準物質のNi層、Cu層及びAu層の物質量定量

    有賀智子、稲垣和三、黒河 明(表面・ナノ分析研究グループ)、寺内信哉(表面・ナノ分析研究グループ)、

    熊谷和博(表面・ナノ分析研究グループ)、伊藤美香(表面・ナノ分析研究グループ)、内田みどり(表面・ナノ分析研究グループ)

    金属多層膜標準物質のニッケル層、銅層及び金層の面密度の値付けを目的として行った物質量定量に関して、ID-ICP-MS、ICP-OES及びICP-MSによって得られた結果の詳細を報告する。
  72. 【物質計測標準研究部門 ガス・湿度標準研究グループ】
  73. 多種ガス用微量水分発生装置におけるガス流量制御の安定性向上

    天野みなみ

    様々な半導体材料ガスを対象とした微量水分の一次標準確立を目指し、「多種ガス用微量水分発生装置」を開発している。 本装置では、目標水分濃度(最小10 ppb)を得るために乾燥ガスによる二段階希釈を行っている。ここでは相対標準偏差で10^(-3) %〜10^(-4) %オーダーという高精度な流量制御が必要となる。 音速ノズル式流量計による流量の安定性評価、および室温変動が流量制御に与える影響について述べる。
  74. デュアルレーザーCRDSによるN2中微量水分の近赤外スペクトル

    阿部 恒

    半導体デバイスの製造分野では、材料ガスとして用いる高純度ガス中に不純物として残留する水分の管理のため、 物質量分率(モル分率) 100 nmol/mol (100 ppb)以下の領域でのガス中微量水分の計測が重要な課題となっている。 私たちは、この領域での水分測定法として、現状で最も信頼性が高いと考えられるキャビティリングダウン分光法(CRDS)を使った、微量水分測定システムの開発を行っている。 今回、2つの波長のレーザーを用いてベースライン変動の補正を行いながら、ガス中微量水分のスペクトルを測定するシステムを開発したので、それについて報告する。
  75. 波長計制御型CRDSを用いたガス中微量水分の高感度長期安定測定

    橋口幸治

    ガス中の微量水分の高精度な測定を可能にする信頼性の高い測定方法としてキャビティリングダウン分光法(CRDS)が注目されている。 現在開発中の測定装置では、波長計を用いてレーザー周波数の制御を行うことで、高フィネス共振器の使用を可能にし、高感度化を実現している。 本装置は複雑な制御機構を必要とせず、長期安定測定の期待ができる。実際に長期測定を行い、検出感度pptレベルを達成したので報告する。
  76. 有効磁気モーメント法による純度分析を目的とした二トロキシルラジカルのESR低温測定

    松本信洋

    キュリー・ワイスの法則及び電子スピン共鳴(ESR)基本方程式を組み合わせた定量分析法「有効磁気モーメント法」により、フリーラジカル等の不対電子によるスピンの個数の直接定量を試みている。 この分析法によるフリーラジカルの個数(フリーラジカルとしての純度)の分析値の精確さ向上を目的として、安定なニトロキシルラジカルをもつ二種類の高純度有機化合物粉末について、 室温から約10 KまでのESRスペクトルの温度変化等を調べたので、報告する。
  77. ホルムアルデヒドの国際比較(CCQM-K90)

    青木伸行

    これまで、標準ガス分野では質量比混合法で調製された標準ガスを用いて国際比較が行われてきたが、 ホルムアルデヒド標準ガスでは動的発生法により調製された標準ガスを用いて、国際比較が行われた。 われわれは、パーミエーションチューブ法による標準ガス調製方法を開発し、本国際比較に参加した。本発表ではその内容について報告する。
  78. ポストカラム反応GC-FIDシステムを用いた値付け方法の炭化水素混合ガスへの適用

    渡邉卓朗

    演者らは水素炎イオン化検出器付きガスクロマトグラフ(GC-FID)と化学反応を組み合わせることで、 炭素・水素・酸素で構成される被検成分を一旦酸化して二酸化炭素にした後に還元してメタンに変換して、被検成分の炭素原子の数に比例した応答を示すシステムを開発し、すでに報告している。 本発表では、炭化水素類58種混合ガスへの値付けへ適用した例について報告する。
  79. 【物質計測標準研究部門 有機組成標準研究グループ】
  80. ホタテガイ中腸腺中のオカダ酸群分析に関する試験所間比較試験

    鎗田 孝、稲垣真輔、川口 研(バイオメディカル標準研究グループ)、

    山崎太一(有機基準物質研究グループ)、高津章子(バイオメディカル標準研究グループ)

    昨年3月に、下痢性貝毒検査に液体クロマトグラフ/質量分析計を用いる機器分析法が適用され、多くの試験所が同法の導入を進めている。 そこで、CRMの原料としてNMIJが調製したホタテガイ中腸腺を用いて試験所間比較を実施したので、その概要を報告する。
  81. ラマン分光装置の標準化に向けた活動とその進捗

    伊藤信靖

    近年、ラマン分光装置(顕微型やポータブル型など)の高度化は目覚ましく、また、原理的にも適用範囲が広いため、様々な分野での応用例が急速に増加している。 その一方で、測定結果の信頼性を担保する上で不可欠な、各パラメータを評価・校正するための標準的な手法が存在しておらず、結果を相互比較する上での課題となっていた。 最近になり、ラマン分光装置に対する標準化の活動が始まったので、その最新状況を報告する。
  82. PCB分析用ヒト血清標準物質の開発

    大竹貴光、沼田雅彦(有機基準物質研究グループ)、高津章子(バイオメディカル標準研究グループ)

    健康影響の評価などを目的として、生体試料中の化学物質が分析されている。 分析操作は複雑である場合が多く、信頼性が高い分析値を得るためには十分な精度管理が必要であり、組成型の認証標準物質を用いることが有効である。 今回は、ポリ塩化ビフェニル (PCB) 分析用のヒト血清標準物質NMIJ CRM 7407-aの開発を行ったので、そのプロセスについて報告する。
  83. 水分分析用標準液0.1 mg/gおよび1 mg/gの開発状況の報告

    稲垣真輔、沼田雅彦(有機基準物質研究グループ)、鎗田 孝

    産総研計量標準総合センターでは、これまでにカールフィッシャー水分計などによる水分測定の精度管理に用いることが可能な認証標準物質として、 NMIJ CRM 4222-a(水分分析用標準液(0.1 mg/g))を開発し、頒布している。 現在では、この次ロットとなるNMIJ CRM 4222-bおよび濃度レベルの異なるNMIJ CRM 4228-a(水分分析用標準液(1 mg/g))の開発が新たに進行中である。 本発表ではこれらの開発状況について詳細に報告する。
  84. 正確な特定芳香族アミン分析のための標準液の安定性評価

    宮本綾乃、羽成修康、沼田雅彦(有機基準物質研究グループ)

    2016年度より繊維製品中の発がん性芳香族アミン(特定芳香族アミン)の法規制が開始され、各試験機関で特定芳香族アミンの分析が行われるようになった。 しかし、測定対象物質の不安定性などが問題となっており、市販標準液を希釈して調製した機器校正用標準液の濃度変化によって正確な分析が困難となる可能性などが指摘されている。 本研究では異なる条件で標準液の安定性試験を行い、標準液の適切な保存条件を検討した。
  85. 【物質計測標準研究部門 有機基準物質研究グループ】
  86. マラリア原虫迅速検出法実用化のためのポジティブコントロール用粒子の調製

    沼田雅彦、青柳嘉枝、八代聖基(健康工学研究部門) 、片岡正俊(健康工学研究部門)

    産総研健康工学研究部門で開発した細胞チップを用いた迅速かつ高感度なマラリア原虫の検出技術の実用化を図る上で、現場での測定精度管理は重要な課題である。 そこで、ポジティブコントロール用に感染/非感染赤血球を模擬したDNA固定化微粒子を開発したので紹介する。
  87. 高純度ハロ酢酸の熱重量分析による揮発性・吸湿性試験

    清水由隆、鮑 新努、加藤尚志、沼田雅彦、井原俊英

    高純度物質の純度評価や標準液調製を正確に行うためには、正確なはかり取りが必要であり、試料の揮発や吸湿を避けた取り扱いが求められる。 当グループでは4種のハロ酢酸についてJCSS標準液の供給に向けた検討を行っているが、それらの高純度物質の揮発性・吸湿性が懸念されていた。 そこで、湿度制御が可能な熱重量分析装置を用い、当グループで確立した揮発性・吸湿性の同時評価方法を高純度ハロ酢酸に適用したのでその結果を報告する。
  88. qNMR/GCによる有機混合標準液への新規値付け法の開発と(クロロ)フェノール類への適用

    北牧祐子、斎藤直樹、山崎太一、大塚聡子、中村哲枝、井原俊英、沼田雅彦

    qNMRとGCを組み合わせた有機化合物成分の新規値付け方法を提案し、水道法対応のJCSS標準液の1つとして整備する (クロロ)フェノール混合標準液の値付けへの適用について報告する。 本法は、qNMRとGCで共通の基準物質を内標準物質として用いることで、混合標準液中の有機成分濃度を一斉に求めることができる方法である。 本法は、国際単位系にトレーサブルな値を持つ基準物質を用いることで、各分析種の認証標準物質を用意すること無く、GCによりSIトレーサブルな値を得ることができる。
  89. 19F核を用いた高精度な定量分析

    山崎太一、大手洋子、齋藤 剛、井原俊英、沼田雅彦

    ふっ素(19F)核を用いた定量NMRの高精度な定量分析事例として、校正サービスの中でクロルフェナピルに対する実用化事例を報告する。 19F核は1Hと比較して、シグナルが検出される周波数範囲が広く、シグナルの半値幅も広がる傾向があるため、測定条件・解析条件の最適化を行うことで、高精度な定量分析を実現した。 また、得られた定量値について不確かさ評価を行い、不確かさ要因の検討も実施したので、詳細について報告する。
  90. 定量NMR法における不純物の重なる信号に対するクロマトグラフィーを併用した新規評価法の確立

    斎藤直樹、北牧祐子、大塚聡子、西雄三(国立医薬品食品衛生研究所)、

    杉本直樹(国立医薬品食品衛生研究所)、井原俊英

    定量NMR法により精確な定量を実現するためには、分析対象成分からの類似構造不純物等の信号分離が重要な課題となる。 演者はこれまで、液性や組成など溶媒条件の変化による信号分離を検討してきたが、それらの手法では解決ができない場合があった。 そこで本研究では、分離能に優れたクロマトグラフィーを併用することで、定量NMR法において分析対象成分の信号と重なる不純物の信号量の評価ならびに補正が可能な新規手法を考案し、 その実証実験を行った。
  91. 新規定量法であるqNMR/LC法による非イオン界面活性剤標準液の濃度評価

    黒江美穂、山崎太一、斎藤直樹、中村哲枝、沼田雅彦、西雄三(国立医薬品食品衛生研究所)、

    杉本直樹(国立医薬品食品衛生研究所)、井原俊英

    我々のグループでは、水道法で規制された成分の定量に使用する標準液の整備を行っている。 そのうち、非イオン界面活性剤標準液の濃度評価に、新規定量法であるqNMR/LC法の適用を試みたので報告する。 本法は分析対象成分ごとの標準物質が不要であるというqNMR法の利点と分離分析が可能であるというHPLCの利点を組み合わせた分析法である。 本法を用いて測定した非イオン界面活性剤標準液の濃度は、調製値と測定ばらつきの範囲内で一致した。
  92. 【物質計測標準研究部門 バイオメディカル標準研究グループ】
  93. 貝毒認証標準物質の開発

    川口 研、山崎太一、惠山 栄、高津章子

    現在、世界的に下痢性貝毒の検査方法として、機器分析への移行が進んでいる。機器分析において、測定値の信頼性を確保するためには、基準となる標準物質が重要である。 また、その標準物質には、トレーサビリティおよび不確かさが明記された認証標準物質(CRM)を用いることが望ましい。本研究では、貝毒標準液のCRMを開発した。
  94. タンパク質標準物質を用いたトリプシン消化効率の評価

    加藤 愛

    定量的標的プロテオミクスを行う上で、タンパク質をトリプシンなどのプロテアーゼで消化するステップは、定量の高感度化や高精度化を達成する上での鍵となっている。 本研究では、タンパク質標準物質を試料とし、intactなタンパク質の切れ残り量や、消化ペプチドの生成量等を指標に、これまでに報告されている各種プロトコールにおけるトリプシン消化効率を評価した。
  95. カルボキシル基誘導体化LCを用いたタンパク質脱アミド化の評価法の開発

    坂口洋平、絹見朋也、高津章子

    タンパク質の主要な劣化の一つとして、脱アミド化が挙げられる。本研究では、タンパク質中のカルボキシル基を誘導体化し、LC-UVまたはMSで検出することで、 タンパク質の脱アミド化を評価する手法を開発する。合成したモデルペプチドを使って基礎検討を行い、タンパク質脱アミド化評価への展開を行った。
  96. 同位体希釈LC-MS/MSによる血清C−ペプチド定量の共同測定

    絹見朋也、水野亮子、高津章子

    血中C−ペプチドの定量はインシュリン分泌能の評価のための重要な臨床検査項目であり、免疫測定を用いた日常検査法を標準化するための基準測定法が求められている。 同位体希釈LC-MS/MS法について、我々が開発した方法と、ミズーリ大学糖尿病診断研究室による方法を比較検討した結果を報告する。
  97. LC-MS/MSを用いた核酸塩基測定によるDNA定量法の開発とNMIJ CRM 6205-aの値付けへの応用

    柴山祥枝

    精確なDNA定量法として、酵素分解を用いたDNAモノマーのLC-MSによる定量があるが、酵素分解では長鎖DNAを完全に分解することが難しい。 本研究では、多種多様なDNAの中でも、特に長鎖DNAを精確に定量可能な手法の開発を行った。 定量試料として10 ng/mLのラムダDNA(48502 bpの二本鎖DNA)を用いて、酸分解条件を最適化した結果、ラムダDNAを約5 %程度の拡張不確かさで定量することができた。 この手法を、DNA CRMであるNMIJ CRM 6205-aの値付けへ応用した。
  98. キャピラリー電気泳動法を用いたRNA分析技術の開発

    藤井紳一郎、高津章子

    高分子RNAの分離分析技術として安価で温度耐性のあるガスクロマトグラフィー用キャピラリーカラムを適用したキャピラリー電気泳動(CE)法を開発した。 分離ゲルとしてはヒドロゲルを用い、核酸モノマー分子を内標準として用いることで、繰り返し再現性を向上させた。
    【物質計測標準研究部門 表面・ナノ分析研究グループ】
  99. XPSによる濃縮Si球表面酸化膜及び炭素汚染層の膜厚測定

    張ルウルウ、倉本直樹(工学計測標準研究部門 質量標準研究グループ)、東 康史、

    黒河 明、藤井賢一(工学計測標準研究部門 質量標準研究グループ)

    基礎物理定数による新しいキログラム定義を実現するために、アボガドロ定数を更なる高精度な測定が求められている。 28Si濃縮単結晶球体を用いてアボガドロ定数を精密に測定する際に、球体表面酸化膜と炭素汚染層の膜厚を精密に評価する必要がある。 本研究では、X線光電子分光法(XPS)を用いて、濃縮Si球Avo28-S5c表面酸化膜と炭素汚染層の膜厚を測定し、不確かさ各要因の評価を行った。
  100. 薄膜・多層膜構造を対象にした膜厚標準の開発

    東 康史

    微細化する薄膜材料の膜厚を正確に評価するために必要な標準物質の開発を行ってきた。 一方で薄膜材料における材質や膜厚はその用途によって多岐にわたるため、ユーザーのニーズに応える標準物質をすべて供給していくことは困難である。 そこでこれまで培った膜厚計測技術を用い、ユーザーが必要な標準物質の使用を可能とするために膜厚校正サービスを開始している。 これまでに開発した標準物質および膜厚校正サービスの概要について紹介する。
  101. 走査電子顕微鏡像シャープネス評価用標準物質の開発

    熊谷和博

    像空間分解能は走査電子顕微鏡法(SEM)における重要な性能指標の一つであるが、業界内でもその評価法が統一されていないこと、 また、像分解能を評価するための標準物質がこれまで存在しないという問題が存在する。 そのため発表者は像分解能の一つである像シャープネス評価用準物質の開発を進めている。本ポスターでは標準物質プロトタイプの開発およびこれを用いた像シャープネス評価の実証試験について述べる。
  102. 電子線励起電子分光スペクトルのバックグラウンド処理

    城 昌利

    これまで、X線光電子スペクトル(XPS) のピークの形状・強度評価を目的として開発を行い、物質パラメータに依存しないバックグラウンド計算法を提案した。 XPS と並び広く用いられるオージェ電子分光(AES)はその信号発生・伝達の原理は類似しているが、励起電子線を通じて試料外部から余分な電子が持ち込まれるため、その処理が格段に複雑になる。 この発表では本方法のAESへの適用における現状の到達度と問題点について述べる。
  103. 表面分析用標準物質の安定性モニタリング

    寺内信哉、伊藤美香、内田みどり

    これまでに開発した表面分析用標準物質の安定性モニタリングについて紹介する。 EPMA用標準物質(CRM 1001a-1010a,1017a-1020a)、デルタBN多層膜(AsドープSi基板,CRM 5206-a)についてXRFやEPMAを用いて安定性の評価を行っている。 評価の実例や新旧2台装置間でのデータの比較を行った結果を紹介する。
  104. 蛍光エックス線分光法用多層金属膜標準物質の開発

    黒河 明、稲垣和三(環境標準研究グループ)、寺内信哉、熊谷和博、有賀智子(環境標準研究グループ)、伊藤美香、内田みどり

    銅メッキ配線層を模擬した金属多層膜からなる蛍光エックス線分析(XRF)用の標準物質の開発について紹介する。 この物質はAu/Ni/Cu/硝子基板からなる層構造を持つ。特性値として膜厚と面密度を予定している。これらの結果を紹介する。
  105. 【物質計測標準研究部門 ナノ構造化材料評価研究グループ】
  106. レーザースペックル画像からの位相情報の抽出法

    富樫 寿

    スペックル画像は専らその強度分布が考察の対象とされるが、観察される光の位相分布も、もし測定できれば、重要な情報である。 ここでは凹凸のある試料から散乱する光(スペックル光)と形状既知の物体の表面からの反射光との干渉によって生成する画像から散乱光の位相に関する情報を抽出する方法を検討した。
  107. 酸化ハフニウム薄膜の安定性モニタリング

    高塚登志子

    ハフニウム定量用酸化ハフニウム薄膜(NMIJ CRM5605-a)の経時安定性モニタリングとして、蛍光X線分析を実施している。 膜中のハフニウム量を非破壊で測定することにより、同一試料の経時変化をモニタリングすることができた。また、試料面内でのハフニウム量ばらつきを評価した結果についても報告する。
  108. 市販型陽電子寿命測定装置の開発

    山脇正人、伊藤賢志

    陽電子寿命測定法を用いると、電子顕微鏡では解析が難しい原子・分子レベルの空隙や欠陥を、非破壊、かつ感度よく評価できる。 当研究グループでは、“サンプルを切出さずに陽電子寿命測定を実現する技術”を開発し、民間企業との共同研究により、その計測技術を踏襲した市販用陽電子寿命測定システムを開発した。
  109. メタノール電気酸化におけるPt(111)電極表面構造変化の波長分散型表面X線回折法による解析

    白澤徹郎

    発表者等が開発してきた波長分散型表面X線回折法を用いて、直接型メタノール燃料電池に用いられるメタノール電気酸化分解におけるPt(111)触媒電極表面の構造変化を、オペランド観察した。 Pt表面原子層の吸着物による構造変化を時間分解能1秒で原子スケール解析することができた。 この結果、反応中間体であるCO吸着表面と触媒活性の間に明瞭な相関が見られ、CO被毒がメタノール酸化の律速要因であることが示された。
  110. MeV級イオンビームによる薄膜評価

    平田浩一

    イオンビームは、半導体への元素ドーピング、表面改質・分析等、材料改質、材料分析の幅広い分野で用いられている。 イオンビームを用いた材料分析では、入射イオンと材料との相互作用により、試料表面から放出される散乱粒子や2次粒子等を適切な方法で検出・分析することにより、 材料の深さ方向元素分布、材料表面の微量元素や化学構造の分析を行うことが可能である。 本発表では、MeV領域の入射エネルギーを持つ高速イオン照射による2次粒子放出現象を用いた薄膜評価に関する報告を行う。
  111. 【物質計測標準研究部門 粒子計測研究グループ】
  112. パーティクル数基準ウェハの開発

    飯田健次郎、田島奈穂子(技術研究組合TASC)

    電子デバイスの製造ラインでは半導体ウェハが十分に洗浄されたことを確認するため、表面パーティクルスキャナが使用される。 この確認では、ウェハ上に付着したパーティクルの粒径と個数が評価の軸である。 この評価結果をより定量的に理解することを目的として、 当研究グループではパーティクルを模擬した粒径が既知である標準粒子をウェハに既知の個数付着した「パーティクル数標準ウェハ」を作製する技術を開発した。
  113. 気中粒子の粒径分布標準に関する研究

    村島淑子

    気中粒子の粒径分布測定の精度保証に資する標準や校正技術の開発に取り組むにあたり、粒径分布測定装置の性能評価法として、個数濃度標準で校正した凝縮粒子計数器(CPC)を基準とし、 単分散PSL粒子の総個数濃度を比較する校正法を提案する。また、この方法によって市販の電気移動度式粒径分布測定装置の性能評価を行ったので、その結果を報告する。
  114. 光学的手法によるゼータ電位標準物質の開発

    高橋かより、桜井 博

    光学的計測法を使用して明らかとなる微粒子の特性として、拡散粒子径、回転半径、微粒子質量、電気泳動移動度などが挙げられる。 NMIJではこれまでに、光学的手法を使用して分子量標準物質や微粒子サイズ標準物質などを開発してきた。 それらの技術を応用して、現在、ゼータ電位(電気泳動移動度)標準物質の開発を進めており、その途中経過について報告する。
  115. 20 nm以下の粒子径標準開発に向けた研究

    前田綾香

    電気移動度分析(DMA)法による粒子径値付けについて、10 nm以下の粒子径標準の開発を行っている。 高分解能なDMAを用い、10 nm近傍のタンパク質2種および1 nm近傍の塩由来のナノ粒子について粒子径を計測し、その不確かさ評価を行った結果について報告する。
  116. 電気移動度分析による粒径分布の逆推定: スペクトル分割によるDMAモーメント法の拡張

    高畑圭二、桜井 博、榎原研正(計量研修センター)

    DMAスペクトルをいくつかの分布に分割することによってDMAモーメント法を拡張し、広くゆがんだ分布を有する粒子に対しても高精度な粒径分布の推定が可能であることを示す。 DMAスペクトルの粒径分布モーメントへの変換自体は線型演算ではないが、モーメントから再構築した粒径分布関数は、DMAスペクトルの線型汎関数であることが、 このような拡張が可能であることの基礎となっている。
  117. 窒素吸着測定のSIトレーサブル化と不確かさ評価

    水野耕平、田中秀幸(計量標準基盤研究グループ)

    窒素吸着測定は比表面積や多孔性評価の手段として、フィラー、触媒、吸着剤等の粉体材料に欠かせない測定法である。 しかしトレーサビリティに関しては現状十分に確保されているとはいえず、試験室間の整合性は標準物質によるバリデーションによるところが大きい。 本発表では窒素吸着測定の高精度化を目的とした、SIトレーサブル化と不確かさ評価について報告する。
  118. 質量校正式粒子計数装置を用いた液中粒子数濃度評価方法の開発

    坂口孝幸

    液中粒子数濃度標準の値付け作業効率と測定精度の向上のため、光散乱式液中粒子計数装置波高分析を用いた計数の結果と、試料懸濁液質量変化測定を同期させた濃度測定技術の評価を行った。 計数範囲を決定する粒径校正の影響や、計数・質量測定同期性の評価結果を報告すると共に、液中粒子数濃度標準を用いた実用校正技術の検討結果を報告する。
  119. ナノ粒子径標準物質の開発

    中村文子、伴野秀邦、加藤晴久

    欧州におけるナノ材料輸出入時における登録制度が2013年より開始したことに伴い、材料の精確且つ国際整合性の高い粒子径計測は必須である。 産総研におけるナノ粒子径標準物質の開発状況並びに戦略に関して報告する。
  120. エレクトロスプレー式エアロゾル発生器による液中分散粒子の気相噴霧における噴霧効率の粒径依存性

    桜井 博、村島淑子

    分散液中の粒子をエレクトロスプレーエアロゾル発生器によって気相に分散させた際の、液相と気相の間の濃度比と、その粒径依存性を調べる実験を粒径範囲30 nm〜300 nmにおいて行った。 その結果から、気相法によって液中分散粒子の粒径分布を測定した際の補正式を導出した。
  121. 【物質計測標準研究部門 熱物性標準研究グループ】
  122. 3次元物体表面へのカーボンナノチューブ直接成長技術の開発

    渡辺博道、石井順太郎(物理計測標準研究部門)、太田慶新((株)マイクロフェーズ)

    スパッタリング処理を用いずに3次元形状の物体表面にカーボンナノチューブ(CNT)を簡便に成長させる技術を開発した。 この技術の特徴はCNTを成長させるために必要な金属触媒の担持層を簡便で低コストな粒子ブラスト法で成膜する点である。 本技術を用いると円筒や球体空洞の内面にCNTを成長させることが可能となり、 次世代のカメラや望遠鏡の内部に使われる遮光材開発や光学機器の校正光源に使われる黒体炉の高度化に寄与することが期待される。
  123. 遮熱コーティングの熱拡散率測定

    阿子島めぐみ

    高温で駆動する部材(例えば、火力発電のガスタービン翼など)には耐食・遮熱の目的でコーティングが施されている。 これらの熱設計に必要な材料の物性値の取得、新規開発のための材料評価、使用済み部材の経年劣化評価などにおいて、熱拡散率や熱伝導率の評価技術が必要とされている。 これまでに開発した技術と標準化活動について報告すると共に、更なる向上に向けて現在取り組んでいる課題を紹介する。
  124. 比熱容量測定ラウンドロビンテスト最終報告

    阿部陽香、阿子島めぐみ、山田修史

    産業技術連携推進会議(産技連) 知的基盤部会 計測分科会の温度・熱研究会において、比熱容量測定ラウンドロビンテストを実施した。 4種類の固体材料について、示差走査熱量法とレーザーフラッシュ法を用いて評価を行った。本ラウンドロビンテストの内容を紹介すると共に、その成果について報告する。
  125. 分散型熱物性データベースにおけるデータ整合性チェック機能

    山下雄一郎

    熱物性や熱力学分野においては物理量間に存在する相関関係や定義を利用して、それぞれのデータに矛盾がないかどうかを検証する仕組みが存在する。 本報告では、熱物性データベースに収録されたデータに対して機械的・自動的にデータ整合性検証を実施する機能の開発について報告する。
  126. 固体熱膨張率計測技術開発 -炭素繊維の熱膨張特性評価装置の開発-

    山田修史、渡辺博道、岩下哲雄(分析計測標準研究部門 非破壊計測研究グループ)

    固体熱膨張率に関する標準の開発・供給と共に先端機能材料特性の計測技術開発および評価を行っている。 現在、航空機への利用などで注目を集める炭素繊維の熱膨張特性を評価するための計測装置の開発を進めている。 本計測システムは試料の繊維方向および直径方向の熱膨脹を光学的手法により検出する構成となっている。本装置を用いた数種の炭素繊維を対象とした熱膨張特性の測定の検証実験の結果を報告する。
  127. 【物質計測標準研究部門 計量標準基盤研究グループ】
  128. 計量ソフトウエアの検証を高速化するためのMLL proof search問題の研究

    松岡 聡

    計量ソフトウエアの検証をより高速に行うためには、検証を高速化するアルゴリズムの開発が不可欠である。 その目的達成のために、数学的にはMLL proof search 問題を効率的に解く必要がある。 本発表では、MLL proof search 問題を解くための従来の網羅的検証法と今回検討したbacktrack 機構を導入した方法との効率性の違いを比較する。
  129. SDBS-NMRの帰属評価を題材としたAssurance Case作成実験

    渡邊 宏

    測定・評価されたデータの信頼や品質を明文化する方法として、Assurance Caseの枠組みを適用できないか検討している。 実際に、SDBSのH-1 NMRスペクトルの帰属評価を題材に、評価結果の妥当性を主張するAssurance Caseを作成した。 作成したメタノールの事例と進めている形式化の進捗状況を紹介する。事例作成とその形式化は神奈川大学との共同研究の中で実施している。
  130. プラスチック添加剤含有標準物質の開発

    松山重倫、折原由佳利、齋藤 剛

    欧州におけるRoHS規制などによって、一部のプラスチック添加剤の使用が規制されている。 産総研ではこのRoHS規制に対応した有機系プラスチック添加剤を含有した標準物質を2007年度より供給してきた。 今回、開発中の添加剤含有標準物質と期限延長を行う標準物質の開発経過について報告する。
  131. 「OIML R87 包装商品の内容量」最終ドラフトと用いられるサンプリング手法について

    田中秀幸

    現在OIML TC6では、包装商品の内容量を検査するための国際勧告文書R87の最終ドラフトが審議されているところである。 包装商品の内容量を決定するためにはサンプリング調査が必須であるが、新R87では大きく日本が貢献した新しいサンプリング手法が採用されている。 また、日本独自提案のサンプリング手法も採用される予定である。本発表では現状紹介とR87に採用予定であるサンプリング手法について解説する。
  132. ISOガイド34の国際規格化(ISO 17034)について

    齋藤 剛

    ISO/REMCO(標準物質委員会)から発行されている、標準物質生産者の能力に関する一般要求事項に関わる規格、ISOガイド34が、ISO/CASCO(適合性評価委員会)から新たに国際規格 ISO 17034として新たに発行されることとなった。改定によって変わる部分を中心にISO 17034について解説する。
  133. 【物質計測標準研究部門 精密結晶構造解析グループ】
  134. 水晶振動子を用いた液体の粘性圧力依存性測定

    山脇 浩

    水晶振動子の共振周波数は周囲の媒体粘度と相関を持つことが知られる。ピストンシリンダー型圧力セル中における小型水晶振動子応答を調べた。 振動子自体の圧縮効果による振動数シフトを経験的に求め、共振周波数シフトから分離することで液体媒体の粘性の圧力変化を求めることができることを明らかにした。
  135. X線CT測定における画像コントラストから得られる物質密度の検討

    竹谷 敏

    X線の位相コントラストを用いた非破壊三次元可視化測定では、低元素により構成される物質では、吸収コントラストよりも高精細な画像の撮影が可能である。本研究では、位相コントラスト法で得られた画像のグレースケール情報から、測定対象物質の密度について調べるとともに、物質を構成する元素の影響について検討する。
  136. 超偏極NMRによるリアルタイム状態追跡

    服部峰之

    NMR計測の飛躍的な高感度化を実現する超偏極を導入するための装置開発を行った。 既存のNMR分析装置や小型MRI装置での129Xeの計測時間の高速化が実現し、数十msから1秒程度の時間分解で、リアルタイム測定が可能になった。 多孔質材料に吸着しているXeの129Xe NMRの化学シフトと線幅から、細孔径とXeと細孔との相互作用の解析を行った。 従来のNMRが平衡状態にある核スピン磁化を電磁波で操作して生じる信号を解析して分析・定量を行うのに対して、超偏極により誘起される磁化は、 熱平衡のものの10万倍といった大きな物ではあるが、非平衡状態であり、磁化の生成についても不確かさに関する考慮が必要になる。
  137. プロトン伝導性無機固体酸塩におけるNMRスピン−格子緩和とカチオン置換

    林 繁信、治村圭子

    CsHSO4に代表される無機固体酸塩ではAO4型の四面体イオンが水素結合ネットワークを形成している。 これらの物質の中には融点直下の高温相において高いプロトン伝導を示すものがある。 その中で、Cs2(HSO4)(H2PO4)はいったん超プロトン伝導相になると転移点以下でも超プロトン伝導相が長い時間維持される。 しかし、室温相においては水素結合でプロトンが固定されているため、プロトンであっても100秒以上の長いスピン−格子緩和時間を示した。 本研究では、Csイオンの一部をNH4イオンで置換し、プロトンの緩和がどのように変わるかを調べた。
  138. リートベルト解析と分子力場計算による窒素酸素混合系の結晶構造解析

    藤久裕司

    窒素N2-酸素O2混合液体は低温または高圧下で固化し、温度圧力条件により5種類の結晶相が出現することが知られている。 我々は各相のリートベルト解析を行いそれぞれの結晶構造を調べた。さらに分子力場を用いた分子動力学シミュレーション(MD)を行い、分子の回転運動に関する知見も得ることができた。
  139. 単結晶精密X線構造解析法の高度化による結晶構造と化学組成のモデル評価

    後藤義人

    微小な単結晶を用いる精密X線構造解析法において、精密な原子構造の詳細モデルの決定を行うために、 統計的モデリングの手法である情報量規準を用いたモデル評価法を導入することにより効果が確認されつつあるが、さらに化学組成の微量評価についてもその有効性の検証を行った。 新規の鉄系超伝導体を例に紹介する。