研究グループ概要
無機分析では、その分析対象が工業材料でも環境試料でも何であっても、濃度や純度の分かっている標準物質の利用が不可欠です。それらの値は、世界中のどこで誰が使っても共通の尺度(可能な限りSI単位)に基づいていなければなりません。
当研究グループでは、SI単位につながる一次標準を実現するために、 一次標準測定法になり得る滴定法、重量法、電量分析法、同位体希釈質量分析法、中性子放射化分析法等の方法を用いて、無機物質の純度評価法と元素標準液の濃度決定法に関する研究を行っています。
また、Harned Cell法によるpH標準液の研究や溶液の電気伝導率の研究も行っています。
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単元素標準液 | Harned Cell | 電量滴定セル | ジョーンズセル |
研究テーマ
新規標準物質の開発
- 金属標準液に関する製造法、原料物質の探索を実施、その測定法を検討し、新規標準物質の開発を行う。
- 材料系組成標準物質(酸化物系ファインセラミックス(アルミナ)、重金属分析用プラスチック、鉛フリーはんだなど)の開発を行う。
- pH緩衝液のpH測定法、電気伝導率測定法の高度化を行い、標準液開発を行う。
- 高純度無機標準物質および栄養塩海水標準物質の開発を推進する。
分析手法の開発・高度化
- 同位体希釈質量分析法を中心としたICP-OES、ICP-MS、ICP-TOFMSなどの分析技術の高度化。
- Harned Cell法を中心としたpH測定技術の高度化。ジョーンズセル等を用いた電気伝導率測定法の高度化。
- 滴定法、重量法、電量分析法の高度化。
- 放射化分析技術の高度化。
- 連続流れ分析法を中心とした栄養塩海水の分析技術の高度化。
- 燃焼-イオンクロマトグラフィーを利用した材料中ハロゲンの分析技術の高度化。
標準物質の開発 | |||||||||
装置の校正用 | 方法のバリデーション用 | ||||||||
pH標準液 / 電気伝導率標準液 |
高純度物質 | 元素標準液 | 同位体標準液 | 海水 | 工業材料 | 放射性核種 | |||
新規分析方法の開発 / 分析方法の高度化 |
pH | Harned Cell法 | * | ||||||
電気伝導率 | ジョーンズセル法 | * | |||||||
主成分分析 | 電量滴定 | * | * | ||||||
重量分析・電解重量分析 | * | * | |||||||
滴定 | * | * | * | ||||||
(燃焼)イオンクロマトグラフィー | * | * | * | * | |||||
微量分析 | |||||||||
連続流れ分析 | * | ||||||||
蛍光X線分析 | * | ||||||||
放射線利用分析 | * | * | * | ||||||
原子吸光分析 | * | ||||||||
ICP発光分光分析 | * | * | |||||||
ICP質量分析 (IDMS, LA) | * | * | * | * | * | ||||
非分散型赤外線吸収法 | * |
国際活動
- 関連する国際比較(CCQM、APMP)への参加と幹事の分担。
- 日中韓の研究交流、標準物質にかかわる共同分析等のネットワーク構築。
- 国際技術協力。
アクセス
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 計量標準総合センター 物質計測標準研究部門 無機標準研究グループ
〒305-8563 茨城県つくば市梅園1-1-1 つくば中央第3-9棟
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