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田口 修弘
2018年入所
研究事務

最先端技術の開発に取り組み、様々な分野の研究者が活躍している産総研に魅力を感じ入所。入所後、産総研の研究成果を活用したベンチャーの創業を支援する部署に配属。2020年より現部署にて、研究ユニットの研究事務担当として研究活動のサポート業務に従事。

小塚 菜津美
2014年入所
研究事務

大学時代、産総研の地質マップを活用していたことから馴染みがあったこと、説明会での人事担当者の人柄に魅力を感じたことから入所を決めた。入所後、経理・研究事務・調達業務の経験を経て、現在、再び研究ユニットの研究事務業務に従事。

稲葉 史哲
2012年入所
総務(調達)

学生時代、草野球で産総研のチームと対戦したことがあり、雰囲気の良さを感じていたこと、また自身の志向にもマッチし入所。入所後、産学協同研究の企画部門・研究事務・東北地方での広報担当などを経て、現在、調達業務に従事。

総合職座談会
研究職を支える業務編

研究職のもっとも近くで研究を支援する、
産総研の総合職ならではの喜び。
研究職を支える役職を担う3名に、
その魅力とやりがいを聞きました。

Term - 1

研究職を支える業務の意義、
やりがいとは?

研究職のコンシェルジュとして、
産総研の信頼を守ることが我々の仕事です。

稲葉
産総研は最先端の研究を行う研究所ですが、総合職は自ら研究をしているわけではないので、研究職がより研究に集中できるように、成果を生み出しやすい環境をしっかり整えることで支えていきたいという思いは強いですね。私は今、研究に必要な研究装置やサービスを購入する調達業務を担当していますが、その中で持ち上がるのは、研究職の要望が、そのままでは予算執行上の制約でかなわないことです。そんなときは、研究職の言葉に耳を傾け、その要望の裏にある真のニーズを見出し、「それを解決するためなら、こういう方法がとれますよ」と新しいアプローチを提案していきます。その結果、問題を解決でき、研究職の研究の遂行に貢献できたときは大きなやりがいを感じますね。
田口
公的機関である産総研は予算執行の際、様々なルールに則る必要があり、研究職の要望をそのまま叶えられないこともありますよね。あるとき、研究職の方から、国際会議に関係するイレギュラーな支出の依頼があったときは、各部署にヒアリングして情報収集しながら、どう処理すべきか検討を続けました。最終的には支出できるようになり、無事に国際会議での研究を発信することができ、ホッとしましたし、達成感を覚えました。
小塚
研究ユニットの研究事務は、もっとも研究職に近い立場です。例えば、産総研で何か新しいルールができた際、それを研究ユニットで運用するにはどうしたらいいか、あるいは、どうしたらより効率的になるか、などを、研究ユニット長と相談しながら調整し、ルールを決めて周知し、さらには事務の立場としてルールが適正に守られているかどうか確認させていただきます。研究現場のマネジメントというと言い過ぎかもしれませんが、研究を円滑に進める上で、研究事務のサポートは欠かせないと思っていて、そこにやりがいもあります。
稲葉
確かに。研究職の方々に、自分がいないと困ると思ってもらえるのは誇らしいことでもありますよね。しかし、キャリアを重ねて、育休で仕事を離れる経験もしてきた中で、自分一人で研究職の皆さんを支えるのには限界があると思うようになりました。だからこそ、属人的になりすぎない仕組みづくりを行って、チームとして研究職を支えることが大事だと考えています。産総研はジョブローテーションで人が入れ替わることもあってどこの部署もチームで対応する体制がありますよね。
田口
その通りですね。自分はそこまでの考えに到ってないですが…。日々の業務の中で意識しているのは、書類作成一つとっても、間違いのないようにすることです。それはとても地道な作業の積み重ねで、ともすると、「これは何のためにやっているんだろう」と思うこともあります(苦笑)。でも、その書類を提出しなければ、研究職が必要としているものを購入できない事態になります。だからこそ、自分自身が行なっている業務が、技術を社会実装する中でどのような位置付けであるのかをいつも意識しています。技術を生み出す最先端の現場で研究職をサポートすることにつながっていると思うと、業務一つ一つへの向き合い方が変わってきます。
稲葉
適正な手続きを踏んで購入した装置を使って研究開発を行い、そこから成果を出していく。そんなフェアなやり方で技術を社会実装していることが、産総研の信頼を担保しているのだと思うんです。その信頼の部分を自分たち総合職は担っているのだと考えています。

Term - 2

苦労を重ねた先に
得られるものとは?

全ては研究者のために、
それが技術の社会実装の近道だと信じています。

稲葉
業務の中で難しさを感じていることはなんですか? 語り出すと山ほどありますよね(苦笑)。
田口
苦労したのは、年末から年度末にかけての繁忙期に、研究職からの依頼や問い合わせが殺到したときのことです。まだ産総研の事務手続き等のルールを熟知していなくて、一案件一案件、どう対応すべきか調べていると、どんどん時間だけが過ぎていって、なかなか仕事が終わらなくて……。その後、産総研のルールを日頃から把握するなどして判断材料を増やすよう心掛けるようになりました。いつまでに何をする、あるいは誰にお願いする、などスピード感を持って対応できるようになってきました。
小塚
調達担当をしていると、案件について、研究職の方からの要望を受けることも多いです。研究職の方に、なぜ調達できないのか、明確な根拠を示して、わかってもらえるように説明するのも一苦労だし、その一方で、どうすれば調達可能か調整を行うのも一苦労なんです。
稲葉
できないことはできないんだけど、私たちは研究職を支える立場だから、「できません」というのは心苦しいし、できれば言いたくないものですよね。だからこそ、一見、不可能であるように思えた依頼案件について、研究職の方とよくよく話した結果、突破口を見出すことができて、こちらが根回しすることによって実現できたときの喜びは大きいわけです。
小塚
研究だけに没頭したい研究職の中には手続きやルールについて疎い方もいます。そんな方々の気づかないところまでサポートすることで感謝されることはよくあります。縁の下の力持ちではありますが、この積み重ねが研究者の成果に、そして技術の社会実装に繋がっているのだと信じています。

Term - 3

ジョブローテーションの
必要性とは?

一気通貫、
全ての部署の業務は繋がっているんです。

稲葉
総合職にとってジョブローテーションは非常に重要な仕組みだと思っています。例えば、調達業務は予算の流れでいうと出口に近い部分にあたりますが、研究事務担当として研究ユニット運営に関わってきた経験があることで、研究ユニットでの意思決定のプロセスなど、出口に至るまでの予算の流れを把握できていることが大きく役立っています。また、現在担当している研究ユニットと、以前担当していた研究ユニットが共同研究で連携した際、私が双方の研究職を知っていることで、スムーズに支援できたということもありました。
田口
同じような経験があります。大学との共同プロジェクトに携わっている研究職の方から、「研究サンプルを外部の研究機関から取り寄せて使用するにはどうすればいいか」という問い合わせをいただいたときのことです。当初はイレギュラーでややこしい案件に思われましたが、お話を伺うと、私が以前所属していた部署が担当する業務だということがわかりました。それですぐに、顔見知りの前部署の担当の後輩に電話して、わずか5分で研究職の方をうまくつなぐことができたんです。
小塚
私がジョブローテーションのメリットを痛感したのは、調達担当の業務を担っていたときです。それまでに経理部総括グループで財務会計システムの問い合わせ窓口担当としてトラブル対応を行った結果得られたシステムに関する知識と、研究事務担当として予算ルール面で調達決裁を行なっていた経験によって、多角的な視点を持って調達業務に取りかかることができました。産総研の中で各部署が具体的にどんな業務を担っていて、それらがどう関連して組織全体としてうまく回っているか、というのは、おおよそはつかめても、経験してみないと詳細までは見えないしわからないんですよね。だからこそ、産総研の業務の全体像や各部署のつながりを把握するためにはジョブローテーションは必須だと思います。
田口
キャリアの長いお二方と違って、私はまだ2部署目です。次は、外部の方々と関わる部署に行きたいなと思っているところなんですが……。
小塚
調達業務なら、業務の半分以上が外部の方々との関わりですよ。もちろんイノベーション推進本部で企業連携に携わるのも面白いとは思いますが。
田口
いいですね。あと、地域の企業の方々と関わることのできる地域センターでも経験を積みたいなと思っています。
稲葉
私は東北センターに所属していたことがありますが、地域の中で産総研がどう思われているかということがわかって、改めて自分の仕事の意義を定義づける機会にもなり、勉強になりました。きっといい経験になると思いますよ。

Term - 4

研究職との関わりを通じて
感じることとは?

研究成果創出のためには、
研究職との二人三脚が重要になります。

田口
今担当している研究ユニットでは、積極的に研究室に顔を出すようにしています。そうしてお互いをよく知り、十分に信頼関係を築いていないと、同じことでも解釈が違ったり、メールのやり取りで齟齬が生まれたりすることもあるので。緊急の用件でなくても、研究室に顔を出して。そこに私が苦労して手続きして購入された装置や機器が置いてあるのを確認するたび、「本当に研究に役立っているんだ、よかった」と思います。また、研究内容を楽しそうに話してくれる研究職の方も多くて、聞いていると興味深いですよね。
小塚
私もできる限り研究室を覗きに行きますよ。お互いの顔を知っていることで、格段にやりとりがスムーズになります。それに、やっぱり自分が担当している研究ユニットがどういう研究をしているのか気になりますしね。産総研の公式Youtubeに知り合いの研究職が出ていると見たりします。また、担当研究ユニットの研究職の方がパラリンピックの解説者としてテレビに出演しているのを見た際は、産総研と社会のつながりが実感できてうれしかったですね。
稲葉
私も研究職の方々との良い思い出はたくさんあります。特に2年目から4年目に所属していた部署で研究事務に携わっていたときは、当時の研究ユニット長が面倒見の良い方で、「研究現場で起きていることは全部見せたい」ということで、事務担当として、海外での会議に事務担当として出席する機会を得ました。その研究ユニット長には自分の結婚式でスピーチもしてもらい、今でも親しくおつきあいさせていただいています。
田口
研究事務と、今稲葉さんが携わっている調達担当では、研究職との向き合い方に違いがありますか?
稲葉
調達担当は、研究事務に次いで研究職との接点が多い部署ですけど、向き合い方は違いますね。研究事務は研究ユニットと同じ方向を向いて一緒に仕事に取り組み、事務のジェネラリストとして、必要なら他の担当部署に取り次いで課題を解決していく仕事。一方、調達担当は、調達業務のプロとして、研究職の要望を受け止め向き合っていく仕事です。
田口
私はあまり深く考えずに前例踏襲で仕事を進めていたとき、それを研究職の方に指摘されたことがあります。「状況が変化している中で、本当にその進め方でいいのか?」と。「言われてみると確かに」と思い、はっとしました。以来、現状のルールや業務の進め方を「当たり前」と思わないで、「それで良いのか」と常に問い続けることを大切にしています。
稲葉
私の目標は、自分自身の価値を高めるために「自分にしかできないこと」を身につける一方で、「自分にしかできないこと」を、組織として「誰もができるようにすること」。その両立が理想です。それが、研究職の方々により良い成果を生み出していただくことにつながっていくと思っています。

/ MESSAGE /

学生へのメッセージ

田口
自分は文系だから、理系の職場である産総研には就職できないと思い込んでいたこともありますが、そんなことはありません。産総研には文系出身者が活躍できる舞台がたくさんあります。一見、自分の学問分野と関係なさそうに見えても、まずは自分の目で確かめて、その上で自分がどう思うか、将来どんな働き方がしたいかを考えてもらえればうれしいです。
小塚
産総研には総合職の先輩や上司、研究職の方まで、個性豊かな多様な人材がいます。その中で、お互いが連携して仕事を進めていくため、自分一人で業務に取り組まなければならない状況にはなりません。その意味でとても働きやすい環境です。また、研究内容も多様で、知的好奇心を刺激される興味深い仕事でもあります。
稲葉
入所以来、いろいろな方々と出会い、いろいろな経験をし、楽しみながら仕事ができています。まだまだ進化中の若い組織なので、積極的に挑戦したいという方にもいい職場だと思います。