グループのミッション
鉱物資源研究の重要性
現代の産業に必要な鉱物資源の種類や量は、時の経済状況や技術革新によって刻々と変化します。特にレアメタル資源は、種類が多く個々の元素の消費量が少ないので、その傾向が顕著です。しかし、鉱物資源は、探査から開発まで通常10年以上の年月が必要です。ある鉱物資源の供給不足が生じてから、探査や研究を開始したのでは、対応が間に合いません。したがって、鉱物資源の研究は、公的機関により普段から継続的に実施することが重要です。
鉱床成因の研究
鉱床探査や開発を効率的に進めるためには、鉱床成因の研究が必要です。鉱床は成因によっていくつかのタイプに分類されます。たとえば、鉱脈鉱床は鉱石が脈状に、堆積鉱床は鉱石が地層に沿って分布しています。鉱床の成因がわかれば、鉱床が伸びる方向や地下での形態などが推定できるのです。鉱床成因の研究は、鉱床の地質と産状、鉱石の鉱物学的・地球化学的分析、年代測定などを総合して行います。
資源評価の研究
鉱物資源を安定的に供給するためには、有望な鉱床を開発する、または開発する権益を獲得する必要があります。そのために企業や政府機関が投資をするには、対象となる鉱床の埋蔵量や品位、採掘環境などを事前に把握する必要があります。これが資源評価の研究です。資源評価の研究は、前述の鉱床成因の研究に加えて、採掘や選鉱のしやすさ、有害元素の濃度や存在形態、鉱床周囲の環境なども研究対象になります。
鉱石の分析・選鉱技術の研究
鉱床成因や資源評価の研究には、鉱石の品位や各元素の存在形態を正確に分析する技術が必要です。また、分析は迅速で安全に実施することも重要です。鉱石から有用鉱物を分離・抽出することを選鉱といいます。効率的な選鉱の可否が、しばしば資源開発の成否を決める鍵となります。鉱物資源研究グループでは、最新鋭の機器を装備し、分析・選鉱技術の研究を推進しています。
成果普及・広報活動
鉱物資源研究グループでは、研究の成果や技術を産業界、大学、JICA研修生などに普及する活動を積極的に行っています。また、学会や産総研テクノブリッジ、部門成果報告会などを通じた広報活動も展開しています。