Theme個別研究課題
レーザを熱源とするワイヤ供給型積層造形技術の研究
研究のキーワード
レーザ、溶融、フィラーワイヤ、積層加工、ホットワイヤ
研究の目的
金属粉末を使った積層は、粉末の扱いが難しく、積層速度の劇的な向上は困難です。そこで、積層材料の供給を金属ワイヤのような固体で供給して積層させることで、積層速度を向上させ、高速大体積積層が容易にできるための積層技術の開発を試みました。
研究の成果
レーザの照射部に金属ワイヤを供給して母材とともに溶融し、何層も重ねることで、幅狭の積層壁を造形することに成功しました。この時の積層速度は4kg/hくらいでした。そこで、更に積層速度を上げるためにワイヤを高温で供給できるホットワイヤ方式を導入し、同様な積層加工を試みたところ、8.1kg/hの積層速度を達成でき、高速大容積積層の可能性を確認しました。なお、ワイヤ供給型の積層中の挙動についても観察を行い、レーザによってワイヤが溶融して溶融池に侵入し、凝固することで造形の肉になっていく挙動が安定に継続していることが確認されました。また、直線壁だけでなく、円筒のような簡単な形状の造形にも成功しました。
参照情報(外部発表や特許、関連リンクなど)
- Naoki Seto and Hiroshi Sato,“Deposition Conditions for Laser Formation Processes with Filler Wire”, International Journal of Automation Technology (IJAT), Vol.10 No.6 pp. 899-908, (2016)
- 瀬渡直樹、”ホットワイヤ方式によるワイヤ3D造形の高効率化”、天田財団助成研究成果報告書2020、(2020)