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-このラボの研究テーマについて教えてください。


 このラボでは、資源循環型社会の実現に向けて、廃棄物を製品の材料として再利用する「マテリアルリサイクル」や、化学反応によって組成変換した後に再利用する「ケミカルリサイクル」といった機能材料循環技術や、炭素・窒素・リン資源の循環技術の研究に取り組んでいます。さらに、LCA(Life Cycle Assessment:製品やサービスのライフサイクルの環境負荷を評価する手法)とコストの観点から各資源循環技術を評価し最適化を図る、横串的な研究テーマにも取り組んでいます。

資源循環利用技術研究ラボの研究テーマ

-特に東北センターに関する取組事例をご紹介いただけますか。


  東北センターがポテンシャルを有するケミカルリサイクルに関して、例えば、プラスチックごみの法規制対応に取り組んでいます。材料として再利用できない廃棄プラスチックを、環境に優しい条件(高温水中)で原料のモノマーまで分解する触媒技術の開発等を行っています(写真1)。

モノマーの写真

【写真1】ポリエステル(PET等)等を分解し、モノマーに連続的に変換する技術を確立


 また、炭素循環技術に関する例として、「2050年二酸化炭素排出実質ゼロ」に向けて、年間約100億トンの二酸化炭素を分離・回収する必要がありますが、二酸化炭素は様々な産業から発生するため、幅広い濃度や処理量に応じた分離・回収技術が必要です。なかでも東北センターにポテンシャルがあるのが二酸化炭素の分離技術で、高い二酸化炭素選択性を持つゼオライト膜の開発等を行っています(写真2)。

ゼオライト膜の写真

【写真2】高い二酸化炭素選択性を持つゼオライト膜を開発


人類共通課題に協力して取り組む

-読者の方へ届けたい想いをお聞かせください。


 エネルギー・環境制約という社会課題は、人類に背負わされた非常に深刻な問題です。この重大テーマに中長期スパンで取り組むことが国立研究所の重要な使命ですし、企業や色々なセクターの人が協力して取り組むべき時期が今だと思います。産総研として、環境保全とビジネスを両立する技術開発を実現しようと努力していますので、このような課題に興味をお持ちの方はぜひコンタクトいただき、産総研をご利用いただきたいと思います。

-佐々木さん、ありがとうございました。

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