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※ 本記事の所属・役職は取材当時(2021年2月)のものです。
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産総研の総合力を活かし、「エネルギー・環境制約」の社会課題解決を目指す

-産総研東北センターの看板研究テーマが2020年度から「資源循環技術」になりました。その経緯や狙いについて教えてください。


 2020年度からスタートした第5期中長期計画で、産総研は「世界に先駆けた社会課題の解決と経済成長・産業競争力の強化に貢献するイノベーションの創出」をミッションに掲げ、産総研の総合力を生かし、国や社会の要請に対応する世界最高水準の研究機関を目指しています。このうち東北センターでは、エネルギー・環境制約という社会課題の解決と、「橋渡し」(革新的な技術シーズを事業化に結びつける)機能を拡充した地域イノベーションの推進、このふたつの観点から、新たに「資源循環技術」を看板研究テーマに掲げました。




-数ある技術の中で、なぜ東北センターが「資源循環技術」を?


 産総研東北センターの歴史を振り返ると、1967年から「黒鉱」と呼ばれる鉱石の高度利用技術に関する研究を進めて参りました。また、1993年からは、透明で均質な「合成スメクタイト」と呼ばれる粘土鉱物の量産技術を確立し、塗料や化粧品、触媒やファインケミカルなど、多分野に貢献してきました。その研究成果は現在、「Clayteam(クレイチーム)」という産総研東北センターのコンソーシアムにより、様々な企業にソリューションを提供する形で結実しています。さらに、国連が提唱する「SDGs(持続可能な開発目標)」でも掲げられている通り、社会の持続可能性を高めるためには、資源を掘って使って捨てるだけでなく、資源を循環させる点に着目する必要があります。
 そこで東北センターは、これまでの歴史的な背景、そして社会的な要請としてのSDGsに応えていくこと、さらに東北センターの有する「資源循環技術」に関する研究ポテンシャル、この3つを組み合わせ、「資源循環技術」を東北センターの第5期スローガンとしました。

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