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“ 協奏型 ” 産業振興へのチャレンジ

―今回の「一緒に考える場」は従来とどのような点が大きく異なるのですか?

松田技術シーズを持つ我々産総研や大学・研究機関から企業の皆様に対して「こんな新しい技術があるので新しい事業ができますよ」と一方向に話をするだけでなく、「このようなサービスが提供されれば、社会の要望にうまくマッチする」といったことを一緒に勉強しながら探り出したいと考えています。
それを実現するために今ある技術では足りないとすれば、どんな研究が必要か。そんなフィードバックをかけながら一緒に勉強できれば、産総研の研究者も自己満足ではなく社会からの要請に基づいた研究の指針になりますし、経営者の皆様も「ただ聞いているだけではなく、自分で試してみよう」となる。すると従来とは異なる産業振興の場をつくれるのではと期待しているのです。
そのようなことから、本プロジェクトの名前も産総研内部では「東北地域新産業創出へ向けた “ 協奏型 ” 調査研究」としています。オーケストラのように地域の産学官金の皆様と共に奏で共に発展していく過程として、産総研のポテンシャルを使ったシーズの開発につながるのであれば、産総研としても喜ばしいことであります。

従来型の産総研シーズベースの企業支援とのちがいの図

▲従来型の産総研シーズベースの企業支援とのちがい


IoT をテーマに EBIS ワークショップ開催(岩手県北上市、12 月)の写真

▲IoT をテーマに EBIS ワークショップ開催(岩手県北上市、12 月)


東北発の内発型イノベーションへ

集まった企業の皆様には、一方的に講師から話を聞いてそのまま帰るだけではなく、放射光を例にすれば、「放射光に対して何を期待しているか」や「放射光でこんなことができるのか」といった積極的なご発言と、「だったらこういうこともしてみたい」と次のステップをお考えいただきたいのです。むしろ「こんなことをやりたいので、もっとこんな方向で研究をしてくれないか」と、こちらが研究の注文を受けるのが理想です。そうでなければ、恵比寿(EBIS)様のように鯛(TAI)を釣れないですからね。そのようにして将来新しい事業が東北発で生まれるようにとの想いを込めて「Tohoku Advanced Innovation(TAI:鯛) Project」と命名し、皆で頑張っていきませんか、というお声がけになっているわけです。

―目指すのは、東北から内発型のイノベーションが生まれることを促進する新たな場づくりですね

松田東北発の新産業創出が究極の目標とすれば、我々、産業技術総合研究所は「総合」の意味合いを少し広げる。そして長い目で見て、同じ方向に気持ちが向いている人たちのゆるやかな集団ができれば、いつかそれを達成できるのではないか、という気持ちでスタートしています。ぜひ産学官金の多方面にわたる分野の各階層の皆様にご参加いただき、お互いにエンカレッジしながら、東北発の新産業創出に向けて、ともに進んでいければと思います。



―松田さん、伊藤さん、ありがとうございました

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