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【特集】「TAI(鯛)プロジェクト」始動!
~東北発イノベーションに向けて~

伊藤日出男所長代理と松田宏雄所長のインタビュー写真

―TAI プロジェクト発足の経緯やねらいは何ですか?

松田最近、インダストリー 4.0 や Society 5.0 など、 重要そうだけどもよくわからない言葉が飛び交い、産業も非常に速いスピードで変革する中、企業の皆様も今後の方向性がわかりにくい状況になっています。また企業支援・産業振興のあり方も変革が迫られています。そこで、研究開発を通じて地域の産業振興を図るというミッションを掲げる産総研が地域のハブとなり、ゆるやかな集まりの中で企業の皆様あるいは大学も含めた他の研究機関等の皆様とこれらの新しい動きについて一緒に考える場をつくることはできないか、という議論になりました。それが本プロジェクト発足のそもそものねらいです。

伊藤必要とするニーズやシーズが明確化している企業向けの支援メニューは、各支援機関がすでにお持ちだと思います。本プロジェクトでは既存の支援メニューにつながるもう一歩手前の、企業の曖昧模糊としたニーズを明確化する領域をつくっていきたいと考えています。
その際、産総研が支援できるシーズを持っていない場合もあるかもしれません。しかし産総研以外にもさまざまな産学官金の支援機関がありますので、産総研がハブとしての役割を果たしながら、皆で一緒に企業の皆様の気づき、そして事業の新展開へ向かう動きを支援する場をつくりたいと考えています。


―具体的にはどのような取り組みですか?

伊藤産業・技術環境の変革の波に乗って企業が大きく発展できるよう、経営者や次期経営者の皆様が先端技 術 にチャレンジできる体験型の勉強会「EBIS(Expanding Business Innovations for executiveS)ワークショップ」を開催します。単なる改善にとどまらない、イノベーションによる新事業拡大を目指すという意味をその名に込めています。ロゴマークも名前にかけて TAI(鯛)を釣り上げる EBIS(恵比寿)様で、恵比寿様は経営者の皆様をイメージしています。

松田従来のセミナー等は一方的に講師の話を聞くだけで終わってしまうことが多かったと思います。本プロジェクトでは先端技術の紹介に加え、経営者の皆様が「少し試してみたい」と思われた時、そのチャンスを可能な限り提供することで、従来とはまた違ったもう一歩踏み込んだ取り組みにできるのではと期待しています。

―勉強会のテーマはどのように決めるのですか?

伊藤各県で施策も事情も異なりますので、各県の自治体や公的研究機関等と相談しながら設定していきます。地元の企業の方から「こんなテーマで勉強会を開いて欲しい」と提案があれば、それにお応えできるような企画を考えます。今年度は IoT や放射光をテーマに、仙台市、北上市、青森市の会場で開催しました。

POINT

EBIS(Expanding Business Innovations for executiveS)ワークショップ

主に中小企業の経営者層を対象に、さまざまな先端技術を体験できる勉強会。「○○○について試したい」等、勉強会のテーマは参加企業から提案も可能。

産総研が支援シーズを持つか、企業のニーズが明確かどうかは問わない。

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