産総研 東北 Newsletter
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トピックス
研究センター長

 今春発足しました産総研コンソーシアム「Clayteam」の活動や今後の展望について、Clayteam 会長の蛯名さんに伺いました。

QClayteam 発足の経緯について

産総研で2006年に開発された粘土膜は、その原料粘土、製膜法、加工法、応用に関して多くの検討が行われてきました。その結果、多くの研究機関・企業の個別的な開発は一定のレベルに到達し、実用化に至ったものもあります。一方、材料科学研究分野においても粘土やナノシートなどから膜化させる応用研究が多くなり、注目されてきています。
 しかし、汎用材としての粘土膜の本格的な実用化にはまだまだ技術的・経済的課題があり、さらなる研究機関・企業との連携が必要と考え、2008年に「クレースト連絡会」を設立しました。 ここでは産総研が中心となって約2年間活動してきましたが、次のステージは、その中心を徐々に企業へ移していき、技術が自由に展開していくような形として「Clayteam」の概念が浮かんできました。こうして、粘土膜および無機ナノ素材を生かした材料開発を、多くの分野・業種のものづくりの英知を結集し、加速・実現するための強力な連携を行う場として、産総研コンソーシアム「Clayteam」を今春設立しました。「Clayteam」の名称も チーム一丸となって進んでいくことを期待し命名したものです。
Qこれまでの活動について

 5月に発足総会と第1回セミナーを東京で行い、70数名の方々に御参加いただきました。粘土材料の今後を占うようなアカデミックな講演と粘土の応用技術についての講演を頂き、非常に良いスタートを切ることができました。第2回セミナーは9月14日に東北センターにおいて、4件のプレスリリースと併せて行いました。この4件はClayteamに参加する東北の企業2社、東北以外の企業2社で、各社共反響が大きく問い合わせが来ています。東北に立地する公的研究機関として当センターのアイデンティティが示せたかなと感じております。東北地域の企業の技術をどう盛り上げ、どう売り込みをかけていくかという点で全国ネットワークを持つ産総研東北センターの立ち位置が非常に良かったと思っています。第3回は12月10日に東京秋葉原において、ガスバリア材料と粘土合成の最新動向を話題にしたセミナーとし、第4回は2月中を予定しています。ここでも参加企業による複数のプレスリリースができればと考えております。さらに外国の方々を招いて仙台での数日間の国際セミナーの検討も行っています。

Q今後の展望について

 3年間のコンソーシアム期間終了後には、「この技術は社会に出ている」ことを基本目標にしています。端的な言い方をすれば、3年後は本格生産されている汎用材料という認識のところまで持っていきたいと思っています。粘土を生産する方々の体制、膜を作る方々の体制、それを使っていただける方々の体制がバランスよく成り立っていることを目標にしています。また国内だけではなく、日本の企業が海外進出していくことで、海外にも広がってくれることを期待しております。


http://unit.aist.go.jp/tohoku/ UP