産総研 東北 Newsletter
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GICの活動履歴
image グリーンプロセスインキュベーションコンソーシアム(GIC)は、平成15年に設立された超臨界インキュベーションコンソーシアム(SIC)、および翌16年設立のメンブレンインキュベーションコンソーシアム(MIC)の活動成果を継承しつつ、平成17年発足の産総研コンパクト化学プロセス研究センター傘下に設立された産学官連携コンソーシアムです。
 GICは、コンパクト化学プロセス研究センターの有する研究シーズと産業ニーズのマッチングによる、研究シーズの実用化に向けた共同研究の推進を目的として、隔月での研究セミナーの開催や、東北・関東『環境とものづくり』技術交流フェアなどの共催、協賛行事を実施してきました。また、平成20年度からは、分科会としてクレースト連絡会を発足、粘土膜研究キーワード技術に関する情報共有・共同研究活動の更なる推進を図っております。
 研究者会員の積極的な協力の結果、GICは100社を超える企業会員が参加する組織にまで発展できました。一方で、GICの活動は、研究者会員に対して共同研究の機会拡大、産業ニーズの抽出・分析による研究課題の明確化に繋がり、研究モチベーションの向上にも役立てたのではと感じております。
 来年度のGICは、新研究ユニットのもとで、これまでの実績を踏まえつつ、新しい企画を含めたより積極的な展開を図っていく予定ですので、皆様のより一層のご支援をお願いいたします。

研究キーワード 新連載となるこのコーナーでは今号に掲載された専門用語を簡単に解説します。
キーワード
 ゼオライト膜の作製では、多数の小さな結晶を並べて成長させることにより膜を形成させます。このようにして作られた膜は、多数の結晶がモイク状に並んだ状態をしていますが、並んだ結晶同士の間に隙間が生じています。このような隙間を結晶粒界と呼びます。

キーワード
 サトウキビやトウモロコシなど植物を原料として生産されるエタノールのことです。植物は大気中の二酸化炭素を吸収して成長しているため、植物由来の燃料は、大気中の二酸化炭素量を増やさないと考えられます。そのため、環境にやさしいエネルギーとして注目されています。

キーワード α
 アルミナは、酸化アルミニウムの別称です。アルミナは結晶の構造の違いによってα型、β型のように分類されています。α-アルミナは耐熱性が高く、強度があり、酸性・アルカリ性の条件にも比較的強い素材のため、耐火材、半導体基板、耐薬品容器など様々な用途で利用されています。
キーワード
 物質は、それぞれ固有の沸点を持っています。例えば、1気圧のとき、水の沸点は100℃、エタノールは78.3℃です。この沸点の差を利用して、混合物を分離・濃縮する操作を蒸留と言います。

キーワード
イメージ 粘土膜(クレーストR)は、粘土を主成分とするフィルム材料です。プラスチックに比べて耐熱性やガスを透過させない性質に優れ、柔軟性のある新素材として開発されました。粘土膜をコーティングしたメンテナンス性の高いアスベストフリーガスケット(写真)を実用化したほか、プラスチック材料と組み合わせて、水素ガスをほとんど通さない燃料自動車向けの軽量水素タンク用素材や、太陽電池の劣化を防ぐシート材料などを開発しています。


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