ンパクト化学プロセス研究センターは、平成17年に、従来から東北センターに設置されていた超臨界流体研究センターとメンブレン化学研究ラボを統合する形で設立されました。異なる分野の研究ユニットが一つになったことで、研究者間の交流が深まり、研究者同士が意見交換したり、刺激しあうような環境が生まれてきたと感じています。従来は、研究者ひとりひとりが別々に研究を行っている場合が多かったのですが、交流が進んだ現在では、異分野の研究者が集まって、新しい領域にアプローチする研究も生まれてきています。本研究センターの5年間を振り返って、研究者同士の交流が深まった事が最大の収穫だと感じています。このような環境の中で、例えば、粘土膜技術を活用したアスベストフリーガスケットの実用化や超臨界二酸化炭素塗装の開発などの成果が出てきています。 |
もっとも、東北センターは、従来から超臨界流体の研究に加えて、粘土などの無機材料の研究を積み重ねてきました。このような基礎研究の積み重ねが現在の応用研究の成果につながったのだということも強く感じています。その点を踏まえると、基礎研究から応用研究まで一通り取り組んでいる現在の体制は望ましいものであると感じています。応用研究の芽となる基礎研究も含めてこそ、新しい研究成果が継続的に出てきます。
また、東北センターは、研究者サイドと支援・事務サイドとの間の交流も円滑だと思います。支援・事務サイドの方も研究サイドの成果を自分たちの成果と思ってくれているので、研究成果の普及や研究環境のバックアップなどに積極的に取り組んでくれています。本研究センターの研究シーズと産業ニーズのマッチングを目指したグリーンプロセスインキュベーションコンソーシアム(GIC)の活動成果などはそのいい例だと思います。研究サイドと支援・事務サイドとの一体感、この部分は東北センターのステータスだと思っています。
研究者間の交流が深まり、いい成果が出てくると共に、研究成果の積極的な普及活動の結果、私たちの研究成果が外部の方からも評価していただけるようになり、数多くの共同研究を実施できるようになりました。
コンパクト化学プロセス研究センターは本年度で終了しますが、新しい研究センターでも、研究者同士が交流していく環境を大切にしながら、研究活動を続けていって欲しいと願っています。 |