産総研 東北 Newsletter
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共同研究の現場から
早坂さん
  加美電子工業(株)は、昭和45年に創業され、電子部品・機械部品・工学部品などの表面処理加工等を得意とされています。
  現在、加美電子工業(株)は、産総研東北センター・宮城県産業技術総合センターとの共同研究として、超臨界二酸化炭素塗装研究キーワード技術の実用化に向けた研究をされています。そこで、加美電子工業(株)技術開発室室長の早坂宜晃さんに、“産総研との共同研究で感じた印象”を伺ってみました。

Q共同研究を始められたきっかけは?
共同研究を始めたのは、プラスチックや金属の表面処理について、産総研に技術相談に来たのがきっかけでした。表面処理の共同研究を行ううちに、産総研側から研究内容を塗装にも応用できるという提案を受けました。ちょうど大気汚染防止法が施行された時期で、当社としても塗装中に排出されるVOC研究キーワードの削減を検討していましたので、“やってみよう”ということになりました。また、今回の共同研究では、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究で助成を受けることができました。
このように、研究シーズと企業ニーズ、助成制度などの環境がマッチしたことが、共同研究を推進できた原動力です。
Q共同研究を通じて感じた印象は?
 国立の研究所というと、どうしても敷居が高いイメージが共ありました。ところが、実際に産総研に訪れて、研究者と話をしてみると、研究内容がとても身近な技術に感じられて、親しみも感じました。共同研究を行う過程で驚いたことは、技術力の面もありますが、実用化に向けたプロセスをちゃんと考えた上で共同研究に取り組んでいる姿勢でした。共同研究の過程では、「この材料・製品は高いですね?」「では部品を替えてコストを下げましょう!」といったやり取りもしました。コストダウンを意識して開発を行う姿勢に強い印象を受けました。また、研究者と私たちの間を取り持ってくれる産学官連携コーディネーターの方は、民間と産総研の両方の事情を踏まえた上で相談に乗ってくれましたので、とても助かりました。技術や実績に加え、実用化に向けての意思がお互いにあったのが、この研究でした。
Q産学官連携活動の充実に向けて、産総研がさらに力を入れるべきところは?
 私は、産総研の持つ技術ポテンシャルは非常に高いと思っています。その一方で、産総研の高い技術力を産業界が知るチャンスは、まだまだ少ないと感じています。産総研がより積極的に技術力をアピールするようになれば、共同研究を検討する企業はさらに増えるのでは、と期待しています。
Q共同研究を考えている企業の方へメッセージをどうぞ。
 産総研は、企業の技術・製品開発に役立つ技術を多く持っている上、研究者の共同研究への姿勢もとても積極的だと感じています。企業だけでは行えない研究・開発などが共同研究で実施できる点は企業にとって大きなメリットだと思います。優れた技術があっても、使わなければ死んでしまいます。環境対策など、産総研には応用できる技術が多くあると思いますので、技術相談や共同研究など、是非アプローチしてみてください。
Qどうもありがとうございました。


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