産総研 東北 Newsletter No.27
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イベント開催報告
 全国の高校生を対象に、スプリング・サイエンスキャンプ2009『地球を探る〜仙台市郊外で地質の調査〜』を3月24日〜26日の期間で実施しました。サイエンスキャンプは、独立行政法人科学技術振興機構が主催する科学技術の体験実習プログラムです。

  キャンプ1日目は、産総研東北センターの見学に続いて、東北大学大学院環境科学研究科に赴き、大学の概要と自身の研究内容について土屋教授による紹介がありました。宿についてからも、産総研地質調査総合センターの加藤代表による『宮沢賢治の地的世界』と題した講義や、産総研北海道産学官連携センターの中川講師から岩石の分類について、東北産学官連携センターの高橋講師から翌日の地質調査について説明があるなど、内容盛りだくさんの初日となりました。

 2日目は、磊々(らいらい)峡周辺の地質観察から始まりました。そして、多くの受講生が待ちに待った名取川河床での地質調査を体験しました。調査中は、貝の化石を多く見つけたり、講師の説明を熱心に聞いたりする受講生の姿がありました。
 さらに、近くの中の森山頂に登り、高橋講師が周辺の地質についての概要を説明しました。
 また、新東北化学工業株式会社において、ゼオライトの性質についてわかりやすい説明と共に、鉱山見学をさせていただきました。
 宿に戻ってからは、名取川・中の森周辺の地質調査に基づいて、受講生それぞれが地質図を作成しました。 また、地質調査情報部門の井川講師による地質図の基礎とその利用についての講義や、受講生が地球の将来について日ごろ疑問に思っている内容についての議論を行ううちに、2日目の夜も更けていきました。
 キャンプ最終日は、まず仙台市内にある活断層の一つ、坪沼断層を観察し、活断層の調査の仕方や地震の周期の推定などについて高橋講師が説明しました。
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 最後の観察地である青葉の森観察センターでは、森の自然観察に加えて、沢の礫層を観察しました。受講生の中には、珍しい結晶を発見して周囲から驚かれる場面もありました。
 その後、キャンプの修了証授与式が行われたのち、受講生から講師に向けて記念の色紙がプレゼントされる嬉しいハプニングを経て、無事にプログラム終了・解散となりました。
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受講生からプレゼントされた色紙
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ゼオライトを使った物質分離法について、受講生がイメージしやすいように構造模型を使いながら説明するナノ空間設計チームの清住主任研究員。所内見学にて。

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名取川周辺のフィールド調査にて、高橋講師から岩石の種類や分布についての説明を受ける受講生。受講生から様々な質問が講師に向けて寄せられました。

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フィールドでの体験学習が終わった後も、消灯時間まで講義やディスカッションなどを行い、受講生の地質・地球についての疑問に答えました。



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