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研究チーム紹介/研究紹介
材料プロセッシング チーム

 材料プロセッシングチームは常勤研究員5名に加え、ポスドク、海外研究員、企業研究員、研究補助員、学生など総勢22名を擁しています。ここでは、いろいろな素材から機能性材料を合理的に作製するプロセス技術や、作製した材料の応用開発に取組んでいます。たとえば、水の超臨界場による結晶成長制御を利用した無機ナノ結晶の製造や、化学メッキの特徴を生かした水溶液中での貴金属薄膜の作製、層状粘土鉱物の水分散液系での自己配向とナノ層間修飾による機能性粘土膜の作製などのプロセス技術が挙げられます。このように材料製造プロセスには、環境負荷の少ない“水”を媒体として用いること、ナノサイズの構造、空間、粒子径を制御することを特徴としています。また、素材や材料の合成、製造プロセスでは、なによりも“使える”ことを重視します。したがって製造された素材や材料は、研究センター内外の他グループや民間企業との連携により、積極的な応用と産業分野への普及を図っています。

 材料機能の応用として、1)貴金属系薄膜によるクリーンエネルギーの水素の高純度分離、2)ナノ粒子化による触媒の高活性化や蛍光体などの光機能の高度化、3) イオン交換体による高選択イオン分離、4)粘土を素材とした耐熱シール材、ガスバリア材などへの展開を目指します。

 以上の研究を基盤として、複数の企業との共同研究、研究員の受け入れにより実用化を目指した研究に取り組んでいます。また近隣の大学との連携大学院協定のもとで、院生、学生を受け入れ研究教育にも力を入れています。
( 鈴木 敏重 記 )
メンバー
メンバー: ( 後列 左から) 弘 、 行田 、 田中 、 伯田 、 松井 、 ゴラ
    (中列 左から)上田、李、ソンワングサ、堀篭、マル
        ゴット、タナカ、岡崎、高橋
( 前列 左から) 蛯名、鈴木(敏)、林、和久井


触媒反応 チーム

  化学工業プロセスにおいて触媒はキーテクノロジーです。環境、資源、エネルギー問題の解決のために、限りある資源を有効に使いながら、再生可能な資源の利用と、 副産物を生成しないで、より安全な化学物質の使用を可能にする触媒プロセスの技術開発が求められています。

  このような環境調和型の化学プロセスを実現するために、触媒反応チームでは、活性、選択性を極限まで高め、超高効率で化学反応を制御する触媒技術開発に取り組んでいます。チームのメンバーは常勤職員3名、契約職員 4名の少数ですが、コンパクト化学プロセス研究センター内の6チームや、他ユニットと共同で幅広く研究を行っています。また、産総研内にとどまらず、大学、企 業と の幅広い連携のもとで、成果の実用化に取り組んでいます。メンバーの出身は理学、工学、薬学、地球環境科学と幅広いこと、平均年齢も33歳と若いこともこのチームの特徴で、元気に本格研究に取り組んでいます。

  現在の研究テーマとしては、固体触媒と二酸化炭素、もしくは固体触媒と水と を 組み合わせた触媒反応システムにより、1)化成品・医薬品原料や有機系水素貯蔵材料の合成反応、2)種々のバイオマスからの化成品原料回収と燃料へのガス化技術、 3)ポリエステル系高分子のケミカルリサイクル研究に取り組んでいます。

  反応機構解明や、反応中における固体触媒表面活性点の動的挙動観察といった基礎研究的なアプローチにより固体触媒反応の解明を行い、得られた知見を元に、高機能触媒の開発や新たな反応系の開拓などの触媒反応プロセスの実用化を目指しています。より詳しくは
http://unit.aist.go.jp/ccp/cat.html
へアクセスしてください。
( 白井 誠之 記 )
メンバー
メンバー: ( 左から) 佐藤 ( 修 )、 佐藤 ( 恭子 )、 村上、
     白井、峯、日吉、長田


http://unit.aist.go.jp/tohoku/ UP