GDC

2022年 次世代グリーンデータセンター用デバイス・システムに関する協議会 公開シンポジウム プログラム

開始 プログラム
13:00 開会宣言: 並木 周 (産総研 プラットフォームフォトニクス研究センター、次世代グリーンDC協議会会長)
  産総研からのご挨拶: 安田 哲二 (産総研 エレクトロニクス・製造領域長)
  来賓ご挨拶: 野原 諭(予定) (経済産業省 商務情報政策局長)
13:10 基調講演 〜GX戦略に資する次世代グリーンデータセンターの推進〜:
梶村 啓吾 (エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役副社長)

企業活動におけるリスク要因は、ウクライナ問題といった地政学に端を発し、サプライチェーンや経済安全保障につながるものなど、複雑かつ不確定なものとなってきております。地球環境問題もその一つであり、GX戦略は、今後の企業経営における必須要件であり、グローバル企業においては国際的な目標であるSBTの準拠は必須条件となりつつあります。

NTTコミュニケーションズはGX戦略における最大のファクターであるICT分野において脱炭素をサポートしていく1つのキーワードが「グリーンデータセンター」であると考えております。 NTTコミュニケーションズでは、他のDC事業者に先駆けてグリーン化されたDCおよびその上で展開するクラウドサービスのご提供により、企業のGX戦略をサポートさせていただきます。

加えて、電力そのものを革新的に削減し、脱炭素社会へのパラダイムシフトの切り札となる「IOWN」構想についてご紹介いたします。

13:40 特別講演 〜スーパーコンピュータとデータセンターにおけるネットワーク技術の違いと共通点〜:
安島 雄一郎 (富士通株式会社 未来社会&テクノロジー本部 プリンシパルアーキテクト)

高速な並列処理のために設計されるスーパーコンピュータと、多量のリクエストに応答するために設計されるハイパースケール・データセンターでは、求められるネットワーク技術に大きな違いがある。しかし近年、データセンターにおいて大規模データ処理や機械学習が取り入れられるに従い、スーパーコンピュータのネットワーク技術であるインターコネクトの技術要素が必要とされるようになってきた。本講演ではスーパーコンピュータのインターコネクトとデータセンターのネットワークの相違点と共通点について解説する。2つのネットワーク技術には導入、運用、品質、トラフィック、アプリケーションの観点で要件における本質的な相違がある。しかしながら物理層においては共通化が進んでおり、上位層についてもデータセンターのネットワークにインターコネクトの技術要素が取り入れられる形で共通化が模索されている。

14:10 特別講演 〜光電融合型フォトニクスデバイスが拓くオールフォトニクスNWと光ディスアグリゲーテッドコンピューティング〜:
富澤 将人 (NTTデバイスイノベーションセンタ センタ長)

我々の世界はサイバーフィジカルな方向へと今後さらに進展すると考えられるが、次世代の通信ネットワークとコンピューティングプラットフォームはその重要性をさらに増していく事は明白である。増加し続ける通信トラフィックとデータセンタの分散配置のトレンド、および進化しつづける最新のアプリケーション、それらは計算量とトラフィックをさらに飛躍的なレベルへと要求する。一方で消費電力の壁が立ちはだかり、従来の半導体微細化技術だけでは乗り越えられそうもない。

本稿では、今後伸び続ける要求条件を低消費電力で実現する光技術を積極的に取り入れた光電融合型フォトニクスデバイスのロードマップを紹介し、デバイスカテゴリそれぞれの最新状況をアップデートする。光電融合型フォトニクスデバイスが拓くオールフォトニクスネットワーク(APN)のターゲット性能および現ポジション、さらに光ディスアグリゲーテッドコンピューティングの技術内容を報告する。

14:40 休憩:
14:55 次世代グリーンDC協議会紹介 〜光電融合の架け橋によりグリーンな社会の実現へ〜:
並木 周 (産総研 プラットフォームフォトニクス研究センター長、次世代グリーンDC協議会 会長)

「光電融合の架け橋によるグリーンな社会の実現へ」を副題として、本協議会の概要紹介を行う。具体的には、まず本協議会の運営母体および光電融合技術の重要性と本協議会のミッションを説明し、運営体制とスケジュール概要を紹介する。

15:05 = 社会実装推進部会セッション =
  社会実装推進部会紹介: 加瀬 将 (富士通株式会社 未来社会&テクノロジー本部 マネージャー)

社会実装推進部会は、次世代グリーンデータセンター技術開発の開発成果の社会実装促進を目的として、データセンター技術動向や市場動向の調査や共有、2025年の大阪・関西万博出展の検討などを行い、活動状況や成果を広報して行きます。

また、サプライヤー、ユーザー、プレーヤーやコンソーシアム等の動向調査やグローバルなニーズを把握することを目的に、動向調査分科会を設置します。参加企業による先端技術情報の共有を行うことで、参加企業によるシナジーを生み、次世代グリーンデータセンター技術開発成果の競争力強化を図って参ります。

本講演では、社会実装推進部会の活動を紹介させていただくとともに、エヌビディア合同会社より永田様をお招きして社会実装に関連したエコシステム戦略について講演していただきます。

 
  アドバイザリ講演 〜NVIDIAの先端技術を支えるエコシステム戦略とこれから〜:
永田 聡美 (エヌビディア合同会社 エンタープライズ事業本部 シニアマネージャ)
15:50 = システムアーキテクチャ検討部会セッション =
  システムアーキテクチャ検討部会紹介
〜システムアーキテクチャ検討部会の活動と光電融合デバイスのご紹介〜:
草野 義博 (富士通株式会社 未来社会&テクノロジー本部 グループディレクター)

システムアーキテクチャ検討部会は、次世代グリーンデータセンター技術開発における光電融合技術、省電力チップ技術、ディスアグリゲーション技術、システムアーキテクチャ、そしてこれらから導出される要素技術開発へのリクワイヤメントなどの技術的な議論と、開発課題の共有と方針管理、システム実証実施の議論など、共同実施者間の開発連携を図る会議体である。

次世代グリーンデータセンター技術開発に採択された共同事業者および再委託先の産総研を加えた、協議会の第一種会員で構成される。

本講演では、システムアーキテクチャ検討部会の活動紹介、および未来社会の実現に際して大きな課題であるデータセンターの電力削減において、ゲームチェンジャーの一つとして期待される光電融合デバイスについて紹介する。

  ディスアグリゲーション検討分科会紹介
〜次世代グリーンデータセンターのディスアグリゲーション技術が目指すもの〜:
谷岡 隆浩 (NEC / システムプラットフォームビジネスユニット システムプラットフォーム事業部門・ヘテロコンピューティング&グローバル事業統括部ディレクター)

ディスアグリゲーション分科会はシステムアーキテクチャ検討部会の下部組織としてディスアグリゲーション技術と要素技術開発への要求事項の議論と策定を行う会議体である。

次世代グリーンデータセンターの研究開発において、データセンターのIT機器が消費する電力効率の改善が課題としてあるが、光電融合チップや電力効率に優れた各種デバイスの開発に加えて、ディスアグリゲーション技術によるIT機器の利用効率や電力効率を改善する事でデータセンターの電力削減を目指している。

本講演では、ディスアグリゲーション技術より、電力効率に優れたデータセンターを実現する研究開発の取り組みについて検討中のアーキテクチャや現在の分科会の活動について概要を紹介する。

  光スマートNIC分科会紹介 〜光スマートNIC分科会 活動内容のご紹介〜:
福満 勝巳 (富士通株式会社 フォトニクスシステム事業本部 ネットワークシステム開発統括部 シニアディレクター)

光スマートNIC分科会はシステムアーキテクチャ検討部会の下部組織として光通信技術と要素技術開発への要求事項の議論と策定を行う会議体である。

世界のデータセンターのトラフィック量は急増しており、2030年には2019年の11倍になる見解があり、このトラフィック増に伴いネットワーク機器の消費電力も比例して上昇しており、消費電力低減がますます重要な課題である。消費電力の低減手段として光電融合実装技術が注目されており、この技術をネットワーク機器に取り込むことで消費電力低減を目指している。

本講演では、データセンター内の光伝送装置とサーバ用SmartNICを統合し、光電融合技術を組み込んだ光スマートNICの実現に向けた分科会の活動について概要を紹介する。

16:35 = 光電コパッケージ技術検討部会セッション =
  光電コパッケージ技術検討部会紹介:
天野 建 (産総研 プラットフォームフォトニクス研究センター 光実装研究チーム長)

近年、情報伝送帯域の向上と低消費電力化の両立のため、光電融合技術が必要となっています。しかし、光電融合技術の導入には半導体分野と光分野が融合した新しい産業構造の形成が必要となります。そこで光電コパッケージ技術検討部会では次世代の光電融合技術である光電コパッケージ技術を中心に関して、材料からアプリケーションまで垂直統合で議論を行います。本講演では本検討部会を立ち上げた背景から本部会の目的、最近の活動内容までを紹介します。

16:50 来賓ご挨拶: 西村 知泰 (新エネルギー・産業技術総合開発機構 理事)
  閉会の辞: 安里 彰 (富士通株式会社 未来社会&テクノロジー本部 シニアアーキテクト、次世代グリーンDC協議会 副会長)