研究内容
「レーザフラッシュ法の不確かさ評価」
熱拡散率は、理想条件下において
α = d2 / τ0 ~ 0.1388 × d2 / t1/2 (1)
で示されるように、ある一定温度のもとで、試料厚さdと熱拡散特性時間τ0(~ t1/2 / 0.1388)で求められる。また、熱拡散率は温度に依存する物性値である。したがって、基本量である長さと時間と温度の組み立て量であるから、これらの基本量へトレーサビリティを取り、不確かさ要素を評価することで、SIトレーサブルな熱拡散率の測定を実現することができる。
長さに関する部分は、試料厚さを計測するユニットである。このユニットは、校正されたブロックゲージを利用して校正する。
時間に関する部分は、温度応答を観測する際の時間軸と対応する。レーザフラッシュ測定装置のデータ集録部分に、赤外放射計の出力の代わりに、校正済みのファンクションジェネレータからの信号を入力し、時間応答性を評価する。
温度に関する部分は、試料温度を計測するユニットである。熱電対は、定点校正を行った基準熱電対と比較校正したものを用い、試料ホルダ内の温度分布も考慮して、試料温度を決定する。
(1) 試料厚さ測定の不確かさ
(2) 測定時間間隔の不確かさ
(3) 放射測温の不確かさ
(4) パルス幅の不確かさ
(5) 不均一加熱による不確かさ
(6) 熱損失による不確かさ
(7) 1回のパルス加熱に対する測定中の試料温度のドリフト
(8) 温度変化曲線の解析の不確かさ
(9) ゼロ外挿の不確かさ
(10) 熱電対による試料温度の不確かさ
(1)~(8)は、1回のパルス加熱で得られる見かけの熱拡散率に関わる不確かさである。また、(9)は、(1)~(8)の不確かさを有する見かけの熱拡散率データから、その温度での物質固有の熱拡散率を求める際の不確かさである。さらに、一定としている試料温度の不確かさがあるが、これは、熱拡散率の温度依存性が既知であれば、熱拡散率の不確かさに換算して、(1)~(9)と合成することができる。
α = d2 / τ0 ~ 0.1388 × d2 / t1/2 (1)
で示されるように、ある一定温度のもとで、試料厚さdと熱拡散特性時間τ0(~ t1/2 / 0.1388)で求められる。また、熱拡散率は温度に依存する物性値である。したがって、基本量である長さと時間と温度の組み立て量であるから、これらの基本量へトレーサビリティを取り、不確かさ要素を評価することで、SIトレーサブルな熱拡散率の測定を実現することができる。
1.測定装置の最適化と校正・評価
熱拡散率は、(1)式より長さと時間で記述され、温度依存性がある物性値であるから、計測システムも各量の計測に対応するユニットに分けて考えることができる。計測システムは、それぞれの量に関連するユニット毎に、評価・校正を行った。長さに関する部分は、試料厚さを計測するユニットである。このユニットは、校正されたブロックゲージを利用して校正する。
時間に関する部分は、温度応答を観測する際の時間軸と対応する。レーザフラッシュ測定装置のデータ集録部分に、赤外放射計の出力の代わりに、校正済みのファンクションジェネレータからの信号を入力し、時間応答性を評価する。
温度に関する部分は、試料温度を計測するユニットである。熱電対は、定点校正を行った基準熱電対と比較校正したものを用い、試料ホルダ内の温度分布も考慮して、試料温度を決定する。
2.不確かさ評価
レーザフラッシュ法による熱拡散率測定において、考慮すべき不確かさ要因を下記にあげる。(1) 試料厚さ測定の不確かさ
(2) 測定時間間隔の不確かさ
(3) 放射測温の不確かさ
(4) パルス幅の不確かさ
(5) 不均一加熱による不確かさ
(6) 熱損失による不確かさ
(7) 1回のパルス加熱に対する測定中の試料温度のドリフト
(8) 温度変化曲線の解析の不確かさ
(9) ゼロ外挿の不確かさ
(10) 熱電対による試料温度の不確かさ
(1)~(8)は、1回のパルス加熱で得られる見かけの熱拡散率に関わる不確かさである。また、(9)は、(1)~(8)の不確かさを有する見かけの熱拡散率データから、その温度での物質固有の熱拡散率を求める際の不確かさである。さらに、一定としている試料温度の不確かさがあるが、これは、熱拡散率の温度依存性が既知であれば、熱拡散率の不確かさに換算して、(1)~(9)と合成することができる。