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熱物性に関する解説

熱伝導率/熱拡散率とは?

熱伝導率(Thermal conductivity)は、定常的な温度勾配が存在する時の熱エネルギーが伝わる速さの割合を示す量である。また、熱拡散率(Thermal diffusivity)は、温度分布が緩和して熱的な平衡状態なる速さを表す量である。この両者は、熱エネルギーを貯蓄する能力を示す比熱容量とともに、物質や材料の熱的性質を定量的に表す値として、材料開発や熱設計において重要な役割を果たしている。例えば、家屋や建造物の断熱材の材質や厚さの選択、コンピュータや携帯電話に組み込まれる電子デバイスや回路の設計、宇宙ロケットや原子炉の設計において、省エネルギー、性能向上、安全性確保を検討する場合に用いられる。
熱伝導率 λ、熱拡散率 α比熱容量 c、密度 ρ の均質で等方的な試料を考える。試料に、単位面積あたりq の熱流エネルギーを与えた時、試料には、温度勾配Tx-T0 が生じる。これは、フーリエの法則より、
q = λ ( TxT0 )  
  = λ (∂T /∂x ) (1)
と表される。ゆえに、
λ = (∂T /∂x ) / q (2)
熱流エネルギー密度に対して
  (∂T /∂t ) + (∂q /∂x ) = 0 (3)
熱伝導率と熱拡散率、熱容量は
λ = αcρ (4)
の関係にあるから、1次元の熱伝導方程式は、
  (∂T (x,t) /∂t ) =α(∂2T /∂x2) (5)
で表される。熱伝導現象は、この熱伝導方程式を、測定方法に応じた境界条件で解くことに
よって理解することが出来る。



図


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