物質計測標準研究部門では、化学分析の基礎を支えるpH 標準液や元素標準液、生活・食品の安全性確保に不可欠な生体関連標準物質や組成系標準物質、高品質な工業製品の開発・生産で利用される先端材料系標準物質など、材料・化学 産業などへ資する国家計量標準の設定と標準物質の整備・普及、関係する計測・評価技術の開発を行います。また、材料、計量、評価技術等に係る 信頼性が明示されたデータベースの維持・高度化を行っています。
物質計測標準研究部門では、化学分析の基礎を支えるpH 標準液や元素標準液、生活・食品の安全性確保に不可欠な生体関連標準物質や組成系標準物質、高品質な工業製品の開発・生産で利用される先端材料系標準物質など、材料・化学 産業などへ資する国家計量標準の設定と標準物質の整備・普及、関係する計測・評価技術の開発を行います。また、材料、計量、評価技術等に係る 信頼性が明示されたデータベースの維持・高度化を行っています。
核磁気共鳴(NMR)分光法を用いることにより、水素を指標にさまざまな有機化合物の物質量を迅速かつ正確に測れる技術を開発し、世界に先駆けて標準物質の値付けに利用
しています。本技術は、物質ごとの国家標準を整備する必要が無いことから、従来技術とは桁違いのスピードで産業界への有機標準物質の供給が実現し
ています。また、食品添加物公定書や日本薬局方などの公定法に採用されたことで普及が加速し、さらには世界中で利用可能な測定プロトコル策定に向
けて国際度量衡局(BIPM)との共同研究が進行中です。
水は吸着性が高く大気中に水蒸気として大量に存在しているため、高純度ガスを用いる各種製造プロセスや科学実験では、極めて除去の困難な不純物と考えられています。要求される管理レベルは、ハイテク産業や科学の進展にともなって、より微量な領域へと進んできており、現在では物質量分率(モル分率)で100 nmol/mol (100 ppb)以下と言われています。しかし、この領域では信頼性の高いガス中水分計測技術がいまだ十分に確立されていません。これは、計測器を校正する微量水分の一次標準とppbレベルでも十分な性能を有する高精度な微量水分計が、ごく一部のガス種を除いて、まだ存在しないからです。本研究では、この問題を解決するため、多種ガス中の微量水分の一次標準の開発と、サブppbレベルの微量水分を高精度に測定できる、キャビティリングダウン分光法(CRDS)を用いた計測技術の開発を行っています。
|
|