化学構造に基づいた高分子材料の力学物性・耐久性の評価技術の開発

最先端の構造解析法とデータ可視化技術を駆使して、高分子材料の構造と耐久性との相関を解明するための技術を開発しています。具体的にはプラスチックやゴム材料の耐久性や劣化状態を表す化学構造指標の構築や、低分子モデル反応や精密化学構造解析技術を活用する架橋反応ならびに熱酸化反応メカニズムの解明に取り組んでいます。

樹脂再生材の活用に向けた材料診断技術

カーボンニュートラルに向けて樹脂のリサイクルが求められています。マテリアルリサイクルにおける再生樹脂の使いこなすために化学特性と物性の相関を解析する材料診断の研究を行っています。
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精密高分子合成技術を基盤とした新規機能性材料の創製

・精密高分子合成技術を基盤とした光応答性接着剤の開発 光に応答して粘弾性が変化する高分子を利用して可逆的に着脱できる接着剤の開発を行っています。


バイオベース材料を用いた高機能性材料の創製

人間は太古の昔より自然界に存在する様々な素材・材料を用いて生活を豊かにしてきました。我々のグループでは、このような天然由来の素材や材料に着目し、その機能性発現の秘密を科学的に解き明かすと共に、さらに人工的な工夫を加えることにより、これまでにない高機能性・多機能性材料の創製をおこなっております。


バイオマスからの1, 3-ブタジエン合成プロセスの開発

1,3-ブタジエンは、合成ゴム(BR, SBR)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)などの原料として需要増加が見込まれている。現在この1,3-ブタジエンはナフサのクラッキングによるエチレン製造時の連産品として製造されているが、シェールガスを原料とするエタンクラッキングにより、安価なエチレンが製造されるようになり、高価なナフサを原料とする日本国内のエチレンの製造量は減少し、必然的に国内の1,3-ブタジエン生産量は減少すると見込まれている。そこで本研究では、バイオマスからの1,3-ブタジエン生産をし供給を行うことを目的として、成分分離後のリグニンを熱化学的変換反応・触媒反応により1,3-ブタジエンを合成する触媒・プロセスの開発を行う。

セルロースからの化学品原料製造プロセスの検討

再生可能な資源であるバイオマス中のセルロースを成分分離し、グルコース等の化学品原料を製造することが求められている。しかしながら、セルロースはヘミセルロースやリグニンと強固に結びついているため、簡単に成分分離することができない。このため、様々な前処理方法等が検討されている。また、樹種等のバイオマスの種類により特性も異なり、それぞれに適した前処理方法の確立が求められる。 これらの問題を解決するため、熱化学的・生物化学的な実験による最適な前処理方法の検討と、プロセス評価による経済性の検討の両面から研究を行い、セルロースから高効率かつ低コストにグルコース等の化学品原料を製造するプロセスの開発を目指している。