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セルロース材料グループでは、「作る」「知る」「使う」のサイクルで研究開発を進めています。


〒739−0046 広島県東広島市鏡山3-11-32
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
中国センター 機能化学研究部門

セルロース材料グループ

技術のポイントPRIVACY POLICY

当研究グループの研究開発の過程で得られた技術のポイントを紹介します。

ディスクミル装置を用いたナノセルロース製造の概要

内容
 ディスクミル(グラインダー)装置によるナノセルロース製造では、水分散した木粉、パルプ等を電動石臼型解繊機構で処理します。ディスクミル装置の解繊部は、上下2つのセラミックディスクで構成されています。
 ディスクミル処理では、処理1回で十分に解繊が進行しない場合、原料を分散させた懸濁液を再度、装置に投入して繰り返し処理を行います。その際、必要に応じて上下のセラミックディスク間のクリアランスを調整(処理回数の増加に伴い、原料が微細化するた、クリアランスを狭める)します。木粉のように原料サイズが大きい場合でも、処理を繰り返してクリアランスを調整することで、粗砕からナノ化までを実施することができます。
 セラミックディスクの材質には、様々な材質のものが用意されていますが(増幸産業(株))、ナノセルロース製造では、シリコンカーバイト(SiC)製のディスク砥粒# 120(超微粉砕用)がよく用いられています。原料が大きい場合は、# 46(微粉砕用)などで、ディスク間のクリアランスを調整して数回処理して、均質化した後、ディスクを# 120等に交換して、さらにナノ解繊を実施します。メーカーでは、ディスクサイズは、φ150 mmからφ500 mmまであり、研究用から量産まで対応可能です。
 ナノ化時に水は木材組織をほぐす「くさび”」の作用をします。水が存在しない(少ない)状態で、ディスク間クリアランスを狭めすぎると、ディスク同士が直接に接触してしまい、ディスクの著しい摩耗やモーターへの過負荷により、装置ダメージが発生する恐れがあります。処理の際の固形分濃度は、5wt % 程度以下が一般的です。
 ディスクミル処理では、ディスクが原料に直接的に接するため、運転条件によっては繊維へのダメージが発生し、得られたナノセルロースの短繊維化や結晶性の低下が起こる場合があります。これらを抑制するためには、事前に原料を微粉砕やパルプ化等により前処理して、木材組織等を脆弱化させる方法も必要です。
装置外観・内部
装置メカニズム
参考資料
NEDO「セルロースナノファイバー利用促進のための原料評価書」2020年3月公開
装置・設備へのリンク
「微細化装置」
ディスクミル(グラインダー)・小型  増幸産業(株) MKCA6-2

追記事項

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