特定された有望技術
経済産業省の第36回メタンハイドレート開発実施検討会(2020年3月16日)の資料5 回収技術に係る有望技術の特定についてに基づいて、今後研究開発が必要とされる有望技術を以下で紹介します。「要素技術」としては、採掘技術、分離技術、揚収技術のそれぞれについて2つの方式を有望技術として特定しました。今後、これら要素技術の研究開発、生産システムの検討が実施されることになりました。
また、「共通基盤技術]としては、「膜構造物の利活用」、「貯留層物性・メタンハイドレート分解挙動の検討」、「海洋調査・環境影響評価等」の技術開発、調査研究が実施されることになりました。
要素技術と共通基盤技術
表層型メタンハイドレートの天然ガス資源としての生産のためには、海底下の浅い深度で泥や砂の堆積層中に存在している固体のメタンハイドレートを最終的には海上、陸上まで運ばなければなりません。海底下では固体のメタンハイドレートは、海上の温度圧力では分解しメタンガスと水に分離します。そのため、メタンハイドレートを海底で採掘し、堆積物と分離して、海上まで持ち上げる技術が必要となります。これら「採掘」、「分離」、「揚収」の3つの分野の要素技術についてそれぞれ2つの方式の技術開発を進めます。2つの方式のどちらにも必要な共通基盤技術として、メタンハイドレートの回収時のガスの回収などへの「膜構造物の利活用」、泥層内のメタンハイドレートの分解に必要な知見を得るための「貯留層物性・メタンハイドレート分解挙動の検討」の技術開発を実施します。 また、表層型メタンハイドレートが存在している海底の詳細な地形や地盤強度等開発に必要な地質特性の把握のための地質調査、特殊な海洋環境特性の把握、開発に伴う環境への影響の種類や大きさの評価のための環境調査・研究を実施します。