AIST 表層型メタンハイドレートの研究開発
AIST 表層型メタンハイドレートの研究開発



これまでの取り組み
HISTORY
これまでの取り組み
HISTORY

研究開発のはじまり

実験室内でのみ知られていたメタンハイドレートは、1930年代に天然ガスパイプラインを詰まらせる(閉塞)物質として発見されてから主に石油工学分野での研究が行われてきました。1960年代に自然界にも存在することが知られるようになってから、エネルギー資源としても注目されるようになり、探査や自然界での実態解明のための調査が行われるようになりました。

日本では、2001年より国によるメタンハイドレートの研究開発が開始されました。その主な対象は南海トラフ海域に存在する砂層型メタンハイドレートです。
一方、2018年に閣議決定された第三次海洋基本計画では、日本周辺海域のメタンハイドレートについて、「平成30年代後半に、民間企業が主導する商業化に向けたプロジェクトが開始されることを目指し」、将来の商業生産を可能とするための技術開発を進めることが発表されました。

これに基づき、先に研究開発の進んでいる砂層型メタンハイドレートとは別に、表層型メタンハイドレートの研究開発のロードマップが決定されました。

2013年〜2015年の3年間の調査

2013年〜2015年の3年間、表層型メタンハイドレートの資源量把握のための調査が実施されました。
日本海側の複数海域を中心に行われた資源量調査では、

1)特異点の探索をする「広域地質調査(広域マッピング)」
2)特異点の超音波構造探査を行う「詳細地質調査(AUV音響探査)」
3)エアガンによる構造探査「精密地震探査(3D地震探査)」
4)海底下の比抵抗分布を調査する「海洋電磁探査(CSEM探査)」
5)坑井の物性測定を行う「掘削同時検層(LWD)」
6)堆積物の採取を行う「掘削地質サンプル採取(コアリング)」
7)環境ベースライン調査である「ROV調査+モニタリング」

の7項目に渡る調査が実施されました。

調査が行われた海域では、表層型メタンハイドレート存在の可能性のある構造が合計1,742箇所存在することが確認されました。
この構造(ガスチムニー構造)の内部でのメタンハイドレートの分布は不連続で不均質のため広がりの推定が困難で、また、ガスチムニー構造毎に内部の様相が多様であることも分かりました。そのため、特定の海域の構造に限定して資源量の試算が行われました。

試算対象となったのは、上越沖の海鷹海脚という地形の上の構造です。
「海鷹海脚中部西マウンド」(面積約200m×250m、深さ約120m)において、掘削同時検層(LWD)・地質コア試料分析・海洋電磁探査による比抵抗異常によって資源量が試算されました。

試算結果は、メタンガス換算で約6億㎥(0.02TCF)と推定されました。
ただし、この試算結果は「海鷹海脚中部西マウンド」のみに適用されるものです。ガスチムニー構造の内部におけるメタンハイドレート分布のしかたは均一でないため、この試算結果と存在が確認されている1,742箇所で、例えば掛け算をして全体の資源量の試算を行うことはできません。

調査の様子(動画)

調査の様子が経済産業省のYouTubeチャンネルで公開されていますので、御覧下さい。

平成25年度表層型メタンハイドレート調査映像


平成26年度表層型メタンハイドレートの資源量調査