水素材料グループが保有する装置群
試料合成装置
水素吸蔵合金の溶解法(アーク溶解、高周波誘導溶解)またはボールミリングによる試料合成を行っています。熱処理では真空またはアルゴン雰囲気で1500℃までの温度に対応可能です。粉末焼結の用途として、アルゴン雰囲気・真空・加熱など各種条件での粉末成型も可能です。
(左)アーク溶解炉 遊星型ボールミル 高エネルギーボールミル
(右)高周波誘導溶解炉
真空封入 熱処理炉(1500℃、真空・アルゴン) プレス成形機
(アルゴン雰囲気・真空・加熱対応)
試料評価装置
上記の各種手法で合成した試料に対して、X線回折測定、SEM-EDX、ラマン分光等を利用して評価しています。また、水素の存在状態は固体核磁気共鳴装置を使って評価しています。水素吸蔵・放出に伴う結晶構造評価を行うため、Ⅹ線回折装置には高圧水素ガス対応チャンバーを搭載し、5MPaまたは10MPaを上限に-10~190℃の温度範囲でのⅩ線回折パターンを取得できます。放射光Ⅹ線全散乱実験に利用可能な水素ガス雰囲気下温度可変型の試料セルも開発しています。
X線回折装置 SEM-EDX 固体核磁気共鳴装置
ラマン分光装置 In-situ Ⅹ線回折装置
水素吸蔵特性評価装置
-90℃~400℃程度の温度域で水素吸蔵特性の評価を実施しています。圧力範囲も最大で100MPaまで対応することが可能です。水素圧力下でのDSCでは水素吸蔵・放出反応に伴う熱の変化から相変化挙動を評価しています。TG-DTAや熱放出スペクトルを利用し、水素の放出温度の評価も行っています。
圧力-組成等温線図測定装置
1MPa対応装置 10MPa対応装置 40MPa対応装置
40MPa対応装置 100MPa対応装置
(左)水素圧力下DSC 熱放出スペクトル 水素分析装置
(右)TG-DTA
薄膜関連装置
水素吸蔵合金を薄膜で作製すると各種デバイス等への応用展開も期待できることから、多元同時マグネトロンスパッタ装置を保有しています。3種のターゲットを同時にスパッタして、合金薄膜を製膜できます。大気非接触のシステムを構築したことで、製膜後大気非接触でグローブボックスへの試料搬送も可能です。薄膜の水素吸蔵特性評価は水素吸蔵・放出に伴う光の透過性能の違いを利用した方法で評価しています。
多元同時マグネトロンスパッタ 薄膜の水素吸蔵特性評価装置 段差計(膜厚測定)
その他の装置
上記以外に、水素吸蔵放出後の微粉化挙動を評価するための乾式粉末粒度分布測定装置、粉末試料の大気非接触での取り扱いのためのグローブボックス、各種硬度測定装置も利用しています。