免疫応答を利用したアルパカ由来シングルドメイン抗体の取得技術

The predictions of high affinity single domain VHH antibody through repeated immunizations

バイオメディカル研究部門 細胞・生体医工学研究グループ 主任研究員

赤澤  陽子

  抗体は医療(治療薬や診断)などに広く用いられていますが、その構造の複雑さに由来する様々な問題が存在します。私たちはこの課題に対しラクダ科動物由来シングルドメイン抗体であるVHH抗体に着目し研究を進めています。 VHH抗体は通常抗体と比較して、安価に製造可能、安定性が高く、加えて工学的操作が容易である点が特徴です。私たちはラクダ科動物アルパカへの抗原免疫とNGS解析を組み合わせた「ヒット抗体予測システム」を開発してきました。 本システムの的中率(目的の抗原に結合するVHH抗体の選抜)は高く、従来法のファージディスプレイによるスクリーニング方法に比べ多種多様な抗原結合能を有するVHH抗体配列の取得が可能です。 抗体医薬品を代表とする産業応用においては、多様な候補抗体の取得が開発の初期には重要で、その中から目的の性能を有する抗体の絞り込み作業が必要となります。
  この「ヒット抗体予測システム」はVHH抗体の治療・診断用医薬や素材開発につながると期待しております。


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