研究内容

主な研究テーマは、接着界面の分析、新規接着剤材料の開発、接着接合部の強度評価および信頼性評価、表面処理法の開発、並びに検査手法の開発などです。
各種プロジェクトを通して、産学官の連携を図ることを大きな目標としていますので、技術的な課題をお持ちの場合は、お気軽にご連絡ください。

接着界面の分析

本研究では、接着界面における化学結合状態や微細構造、界面反応を多角的に解析します。電子顕微鏡観察や分光分析などの手法を用いて、界面で生じる反応生成物や応力分布を明らかにし、接着強度や耐久性を支配する要因を解明します。これにより、界面設計の最適化や接着剤材料の改良に必要な基礎知見を提供し、長期信頼性の高い接着技術の確立を目指します。

イメージ:接着界面の分析

新規接着剤材料の開発

本研究では、高強度・高耐熱性を有し、環境負荷の低い新規接着剤材料の開発を行います。分子設計と有機合成技術を組み合わせ、構造制御により優れた機械特性と耐久性を両立させます。また、再利用性やリサイクル性を考慮したサステナブルな材料設計にも取り組みます。これにより、自動車、電子機器、航空宇宙など多様な分野で応用可能な高機能接着剤の創製を目指します。

イメージ:新規接着剤材料の開発

接着接合部の強度・信頼性評価

本研究では、接着接合部の強度および信頼性を定量的に評価します。引張・せん断試験などの実験と有限要素解析を組み合わせ、応力集中やき裂進展挙動を解析します。また、温湿度変化や疲労負荷などの環境要因が接合部の劣化に及ぼす影響を調べ、長期信頼性を予測する評価モデルを構築します。これにより、安全性と耐久性を両立した接合設計指針の確立を目指します。

イメージ:接着接合部の強度・信頼性評価

表面処理法・検査手法の開発

本研究では、接着性を向上させる新規表面処理法の開発と、その効果を高精度に評価できる検査手法の確立を目指します。プラズマ処理や化学処理による表面改質を行い、表面エネルギーや粗さ、官能基分布を最適化します。また、非破壊的に界面品質を評価できる光学・電気的検査技術を開発し、製造プロセスでの品質管理に応用します。
また、レーザー処理技術の開発により、10年相当を超える接着界面の長期安定性を可能としました。

イメージ:表面処理法・検査手法の開発