Remanufacturingリマニュファクチャリング
一度作ったものを可能な限り使い続けることで
環境負荷を低減し、循環型経済を回す
About研究の取り組み
全てのものは、いつかその役目を終え、棄てられる時が来ます。ユーザの立場では、代わりの新しいものを買えばよい、で済むかもしれません。しかしながら、廃棄物の処理、新しいものを製造する際に必要なエネルギー、排出されるCO2は地球環境にとって大きな負荷になります。ものを極力棄てずに、まだ使える機能を再生することで、その負荷を減らすことができます。リマニュファクチュアリングは、一度作ったものを可能な限り使い続けることで環境負荷を低減し、循環型経済を回すためのテクノロジーです。我々は、リマン製品が普通に流通する社会の構築向けて、リマンに必要な製造技術の研究を先導します。
Feature研究の特色
当部門では、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現に向けたリマニュファクチャリング(リマン)の研究開発を推進しています。リマンの要素技術としては、解体・分離、検査、信頼性評価、余寿命評価、修復、加工、再組立、洗浄に関わる技術が必要です。また設計(リマン配慮設計)や、リマンの生産システム、情報システム、環境性評価、社会受容性評価の研究開発が重要です。
当部門では、これまで機械製品の製造技術として研究開発してきた技術をベースにして、リマンの研究開発に取り組んでいます。
Technology関連技術
検査・計測
検査、計測の技術、および信頼性評価、余寿命評価の技術は、リマンの生産性向上と信頼性向上の鍵をなす。使用済み製品(コア)の状態は様々であり、状態の特定、リマン製品の信頼性評価が必須である。レーザー超音波非破壊検査、微小計測、X線透視観察、トライボロジー特性評価、軸受損傷診断、薄膜剥離診断等の研究開発に取り組んできている。
- 内部き裂のインプロセス評価
- 微小計測
- X線透視観察
- トライボロジー特性評価
- 軸受損傷診断
- 薄膜剥離診断
補修・加工
損傷や劣化した部分の補修と加工は、リマンの中核をなす工程である。近年AM(3Dプリンタ)やコールドスプレー積層造形による修復技術の開発が期待されている。リマンのデジタル化・自動化・分散化に繋がるためである。パウダーベッド(PBF)型AMによる修復、コールドスプレーによる修復の研究開発に取り組んでいる。
- PBF修復技術の開発
- コールドスプレー
- ワイヤDED
- AM粉末プラズマ処理
- 光MOD
- オンデマンドリペア・アップグレード技術
- リマン設計に基づく部材開発
- 接合・分離技術
破損部を除去し、PBFで形状と機能を復元する
金属積層造形技術であるコールドスプレー積層造形は他の積層造形技術に比べて高い造形速度を誇るのが特徴です。リマニュファクチャリングの考えに基づいた補修技術の研究を推進し、部材生産性の向上に寄与します。
社会システム・標準化
リマン配慮設計、リマン生産システム、情報システムの開発に取り組んでいる。リマンは特に製造の元となる使用済み製品(コア)の状態が多様であるため、DX・AI化が重要である。またリマンの社会普及に向けた、リマンの環境性評価(LCA)、資源効率指標開発、社会受容性評価、海外ベンチマーク等を推進している。
- リマンの需要予測モデル
- 製品資源効率指標の開発
- リマンの需要側の受容性モデル分析
- リマンのケーススタディ
- リマンの環境効果分析
リマンの生産性と信頼性の向上のための各種製品データの分析を、企業とも連携しながら推進している。
リマンを考慮した製品資源効率指標の開発を推進している。リマンの効果の可視化と企業の意思決定を支援する。