Theme個別研究課題

ナノ凹凸による親水性・撥水性制御

研究のキーワード

超撥水、滑落、防曇、超親水

研究の目的

ぬれ性制御技術は、多くの分野の製品製造で用いられている重要な技術です。このぬれ性制御はのためには、材料固有の親水・ 撥水特性を利用し、それらの材料を製品に塗布する手法が一般的に用いられています。そして、最近では、動・植物が示す持つ親水・撥水機能の解析から、表面形状を人工的に制御することで、ぬれ性を制御した応用製品開発も盛んに行われています。本研究では、表面形状をナノメータサイズまで微細化し、ナノ構造による濡れ性制御とナノ構造による特異的な光学特性制御の融合による新機能デバイスの開発を目指しています。また、その産業化に必用な低コスト・簡便な製造技術の開発も行っています。

研究の成果

本研究では、表面形状をナノメータサイズまで微細化し、ナノ構造による濡れ性制御とナノ構造による特異的な光学特性制御の融合による新機能デバイスの開発を⾏っています。開発した技術は、ナノ構造体が形成された大面積金型を用いて、大型からの転写成形によって、プラスチック基板表面にナノ構造体を形成するもので、撥水性のプラスチック基板を親水化できます。この技術は、転写プロセスだけでプラスチック基板を親水性に変化させることができるため、大面積化が可能であり、射出成形を用いた場合には、3次元立体構造物の表面濡れ性制御ができます。図1のようにナノ構造体転写技術を用いると、成形だけでプラスチック基板を親水性(水濡れ性)に変えることができるようになりました。また、プラスチックピペットに凹凸構造体を付与した場合には、構造体により毛細管力が発現できます(図2)。この技術により、親水コート等が必要であった親水部材の生産工程が省略でき、親水基材等のより一層の低価格化・高機能化に貢献できます。