Theme個別研究課題
フレキシブルサーミスタの研究開発
研究のキーワード
レーザー、塗布形成、フレキシブル、センサ、サーミスタ
研究の目的
ウェアラブルデバイスのような次世代形状可変装置には様々な電子部品が必要です。これまではフレキシブル基板上へセラミックのチップ部品を実装して対応されてきましたが、実装部の耐久性や製品意匠の具現化の面から、基材表面への直接機能付与が求められてきました。私たちは従来困難であった多種多様なセラミックスの室温成膜を、光照射を駆使することで克服し、セラミックフレキシブルセンサの成膜研究を進めています。
研究の成果
通常、高い温度の加熱により結晶化するセラミックスですが、光のエネルギーに着目して、光照射によってセラミックス膜を結晶化させる研究を進めてきました。時間的、空間的にエネルギーの投入場所を制御できる光の利用はとても便利で、その特徴をうまく使って、フレキシブルな樹脂基板に対してもダメージを与えることなく、表層の機能性セラミックス膜のみにその効果を及ぼし、室温で酸化物セラミックス膜を結晶化させることに成功しました。近年注目を集めるウェアラブル機器において、形状可変なサーミスタは非常に重要です。本研究では本光プロセスを用いてフレキシブルサーミスタの成膜に成功し、体表面への装着に対応するには皮膚表面の動きに追随可能な5μmという極薄基材上へサーミスタ酸化物結晶化させて極薄フレキシブルサーミスタアレイの作製に成功しました。本成果により新しいウェアラブルデバイスの創製など多くの応用先への展開が期待されます。
参照情報(外部発表や特許、関連リンクなど)
- T. Nakajima and T. Tsuchiya,“Ultrathin Highly Flexible Featherweight Ceramic Temperature Sensor Arrays”, ACS Appl. Mater. Interfaces 12, 36600 (2020).
- T. Nakajima, K. Shinoda and T. Tsuchiya, "UV-Assisted Nucleation and Growth of Oxide Films from Chemical Solutions", Chem. Soc. Rev. 43, 2027 (2014).
- 特許6529023, "サーミスタの製造方法"
- 特許6684406, "カーボン山型突状体配列膜状物とその製造方法"