産総研 東北 Newsletter

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産業技術総合研究所東北センター 所長 三石 安 

 平成26年度は産総研の第3期中期計画期間5年の最終年度に当たります。平成22年4月に始まった今期は、「21世紀型課題の解決」と「オープンイノベーションハブ機能の強化」をミッションに掲げて、「グリーン・イノベーション」、「ライフイノベーション」などの国の成長戦略及び各地域での産業育成・活性化に貢献する活動を進めてきたところです。
期中の平成23年3月に発生した東日本大震災では、3月の本震に続き4月の余震にも見舞われて東北センターは大きな被害をこうむりました。幸いにも人的な被害はありませんでしたが、復旧・復興に時間を取られ、しばらく十分な活動ができない時期もありました。震災後3年を経た今も、老朽化対策を含めた建物の改修工事が進行していますが、本年度中には改修工事も完了する予定です。加えて、震災被害の大きかった建物を解体し、新しい研究棟の建設が本年10月の竣工を目指して進んでおり、新たな研究環境の整備が着々と進んでいます。
産総研東北センターでは、第3期の計画に基づき地域事業化計画策定し、コンパクト化学システム研究センターで開発する「革新的環境負荷低減技術」を東北地域のものづくり産業に利用して

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頂き、「ものづくり産業の環境ブランド化による競争力強化」を目指してきました。第3期の最終年度に当たって、成果を振り返ると、超臨界二酸化炭素の利用技術や粘土膜の利用技術など、コンパクト化学システム研究センター初の技術を東北地域の企業の皆さまに活用いただき、いくつかの製品を市場に投入するに至っています。また、超臨界水やマイクロ波を利用した化学反応の研究開発から、新しいコンパクト化学システムの芽も育ちつつあります。
 来年度から始まる第4期において、政府は産総研に対して研究成果を産業界で利用できる技術にまで磨き上げる橋渡し機能の強化と、これまで以上の地域貢献を求めています。橋渡し機能については、第3期における研究成果の実用化にみられるように、東北センターでは着実に実績を上げてきたところであり、またその実施者に東北地域の企業が含まれることから、地域産業の振興にも貢献してきたところです。このような経験から第4期においても、これまでの方向性を維持し、これに磨きをかけることで政府・社会の要請に十分応えることができるものと考えていますが、加えてこれまで以上に産総研全体の研究・開発の中核的開発型企業と連携して東北の産業振興に貢献したいと考えています。
 このためには、地域の産業界の皆さまに産総研のことをより深く知って頂く必要があります。東北センターでは2011年以来コラボ100事業として地域の企業を訪問し、皆さまのお話を伺う活動を継続的に実施するとともに、東北地域の企業に全産総研の最新の成果を紹介する「新技術セミナー」の開催も30回を超え、橋渡しの実績を上げつつあります。産総研の研究成果を知っていただくこれらの活動を第4期にはさらに強化し、東北地域の製造業との連携実績をさらに積み重ねていきたいと考えています。皆さまの更なるご支援をよろしくお願いします。


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