玉虫塗は輸出品とするために 工藝指導所の
小岩 峻によって発明され、1933(昭和8)年に特許申請された高級漆器です。この年、工藝指導所と東北帝国大学金属材料研究所は研究成果の商品化と流通のために協力して「東北工芸製作所」の設立を支援しました。以来、つくり続けられ80年となろうとしています。
東北工芸の元工場長で漆塗りの高度な技術を持ち、仙台の工藝指導所を知る
五十嵐 邦英さんによれば、化学塗料が普及する前には漆塗りの需要も職人の数も多く、新しい塗りの技法は工藝指導所から東北各地へ広まっていったのだそうです。漆製品は洗うことで水分が与えられるので、しまいこまずに使うのが一番の手入れになると教えてくださいました。
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「指導所の教えは『用の美』、日常使うことで愛着も湧きます」と話してくれたのは 東北工芸製作所 店長の
佐浦 みどり さん。伝統を守るだけでなく、宮城県出身のデザイナーとの合作や、産総研 東北センターの粘土膜の技術を取り入れた機能的な玉虫塗の開発を目指すなど新しい商品開発にも熱心に取り組んでいます。 |