私達が住む地球には、太陽から大量のエネルギーが常に降り注いでいます。大気や雲で反射されたりしながらも、地球の表面には約85PW(ペタワット=10の15乗ワット)ものエネルギーが届きます。
このうち人間が実際に収集可能なエネルギーは1000TWぐらいとされています。2015年時点での人類のエネルギー需要は約18TW(テラワット=10の12乗ワット)ぐらいと推計されています(資源エネルギー庁調べ)ので、実際に人類が収集可能なエネルギー量だけでもその数十倍あります(図1・図2)。
例えばゴビ砂漠の半分に太陽電池を敷き詰めれば、それだけで世界の需要と同じ量のエネルギーを生み出せる計算になります。
この膨大な太陽光のエネルギーは、今後も十億年単位で利用できるものと考えられます。事実上無限とも言えるエネルギーが常時供給され、しかも私たちが利用可能な状態にあるのです。その資源量は、他の多くの再生可能エネルギーを遙かに上回ります。
人類のエネルギー需要のうち、電力需要は2016年時点で約3TWの需要があり、今後増大が予測されています。例えば2040年頃には、約4TWに増えるとも言われています(IEA, World Energy Outlook 2017)。これが将来さらに何倍にも増えて20TWに達したとしても、太陽光発電システムの原料となるシリコンなどの資源量はこの需要をも満たすのに十分な量があり、人類が必要とする分を供給するのに特段の制限はありません(*1)。
現在ネックとなっているのはコストですが、太陽電池は工業製品のため、量産規模を拡大して新技術も逐次投入していけば、コストを下げられると予想されています(*2)。技術開発と導入を積極的に進めた場合、日本では200GWp程度(年間電力需要の2割程度に相当)を導入できると見られています(図3)。潜在的には日本の全電力需要の数倍をまかなえるほどの設備が置けるとされており、置ける量自体は大きな問題にならないと考えられます。(日本で導入できる量については、こちらをごらんください。)
太陽光発電は、既に実用化され、人工衛星や灯台、砂漠などでの長年の実績もある技術です。そして今後大量に普及する余地があり、温暖化を最小限に抑えられ、かつ増大する全世界の電力需要にも永続的に応えられる、頼れるエネルギー源なのです。
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