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産業技術総合研究所 計量標準総合センター 工学計測標準研究部門|English|

研究内容Research Tpics

硬さ分野の研究

■硬さ標準に関連する校正・計測技術の開発

本研究グループでは、ロックウェル硬さ、ビッカース硬さ、ブリネル硬さにおいて、剛性等に優れた標準試験機を導入し、さまざまな条件下でのばらつき要因と硬さの関係を明らかにする研究を行っています。

■硬さ試験の高度化に関する研究開発

本研究グループでは硬さ標準の維持・供給だけではなく、硬さ試験の高度化に関する研究も行っています。測定対象の材料特性が硬さ測定に及ぼす影響を明らかにするための研究や、硬さ試験における汎用的な自動測定技術の研究開発など、硬さ試験の利便性向上に資する研究開発を進めています。

■微小領域の機械特性評価技術の研究開発

近年、製品の微細化などが進められており、微小領域における材料強度測定に関する需要が増加しています。微小領域の機械特性を評価可能な手法としてナノインデンテーション法があります。ナノインデンテーション法では、圧子を押込み除荷する過程において、荷重と変位を連続的に測定し得られたデータから弾性率や硬さ値を算出できます。一方、解析手法が複雑であり複数の仮定や補正が必要になることから、値のバラつきが大きく信頼性に問題がありました。そこで、我々のグループでは値の信頼性向上に関する研究を進めています。

超音波分野の研究

■超音波計量標準の範囲拡張

超音波パワー標準、超音波音圧標準に関して供給範囲の拡張を予定しています。超音波パワー標準は、校正パワー範囲の上限を200 W(2022年度整備予定)まで、超音波音圧標準は校正周波数の上限と下限を、それぞれ100 MHzと50 kHz(2023年度整備予定)まで拡張予定です。

■広帯域超音波の瞬時音圧の精密測定技術の開発

患者に安全安心な超音波診断を提供するために、超音波診断装置に使用されている広帯域超音波(パルス波)の瞬時音圧を精密に測定する技術が必要です。これまでは、音圧測定には、パルス波の中心周波数のみのハイドロホンの振幅の自由音場感度を使用していました。しかし、超音波診断装置の高性能化に伴い、これまで以上に精密な音圧測定が求められています。我々のグループでは、精密音圧測定のために、振幅特性と位相特性を考慮した瞬時音圧精密測定の技術開発を行っています。

■音響キャビテーション発生量の定量計測技術の開発

音響キャビテーションは、産業分野の加工部品や医療分野のデバイスの洗浄に使用されています。一方、超音波照射対象を破壊する作用を有するため、発生量を計測制御する技術が求められています。そこで我々は、気泡から生じる音響信号を利用する方法を検討しています。