●超短パルスレーザー加工過程の解明と非熱的加工・微細加工技術の開発 |
現在、ものづくり分野だけでなく様々な分野で超短パルスレーザーによる非熱的加工・微細加工技術が注目されています。一方、レーザー加工現象は複雑な光-材料相互作用過程を経ているため、予測や最適化が困難な分野でもあります。本研究では、超短パルスレーザー加工の最適化研究を進め、そのメカニズム解明のための先端レーザー技術および先端オペランド計測技術を開発し、熱に弱い材料(ポリ乳酸等)や脆性材料など、これまで加工が困難であった各種材料の非熱的・微細加工技術の確立を目指しています。メカニズム解明研究では、ポンプ・プローブイメージング法をベースとした加工中のオペランド計測技術により、フェムト秒からナノ秒における様々な相互作用現象の観測を進めています。また、レーザー加工プラットフォームを構築し、様々な材料の非熱的・微細加工のニーズに対して迅速に応えることを目指しています。 |
●熱マネジメント用ゴム複合材料の実用化に向けた基盤技術研究開発 |
近年、フレキシブルデバイスの普及に伴い、柔軟で壊れにくく、電子部品が発する熱をすみやかに放熱する基板材料のニーズが高まっています。このような材料は一般的に、柔らかい高分子材料と熱を伝えやすい無機材料を複合して得られますが、放熱性を追求すると柔軟性・強靭性は失われる傾向にあります。本研究では、放熱性、柔軟性、強靭性を合わせ持つ複合材料(タフコンポジット)の開発を目指し、機械特性低下の一因とされる無機材料凝集の抑制に効果的な「液中プラズマプロセスによる無機材料の表面改質」と、優れた柔軟性と強靭性を合わせ持つ先進高分子材料の「ポリロタキサン」を柱に研究開発を進めています。また、開発したタフコンポジットの実用化を目指し、産業化に結びつけるための材料設計・製造基盤技術の開発も進めています。 |