当グループでは、電子顕微鏡技術のさらなる高機能化・高性能化を実現し,分子や原子の挙動を高速・高感度で捉えるための最先端計測評価技術を開発を行っています。
カーボンナノチューブやフラーレン、グラフェンなどのナノカーボン物質の多様な構造を正確に把握し、そこで生じる特異な物理・化学現象の実験的検証を進めることは、ナノカーボンの科学の探求と画期的な応用法の確立の両面において、きわめて重要な課題です。
最先端の電子顕微鏡観察技術を駆使して、ナノカーボン物質の構造を原子レベルで可視化したり、その中に閉じ込められた分子一つひとつの動きや変形をリアルタイムに観察するなど、世界をリードする研究を展開しています。このように私たちは、電子顕微鏡という“目”を用いて「その場で直接見る」ことにより、ナノカーボンのフロンティアの開拓に貢献しています。
電子顕微鏡
1. デルタ型収差補正機構(JEOL社)を搭載した低加速電子顕微鏡(TEM/STEM)
この低加速電子顕微鏡では、単分子・単原子の元素分析技術を飛躍的に向上させ、特にLi、ホウ素、窒素、酸素、カルシウム等の単原子軽元素分光分析を実現しました。具体的には、まったく新しい球面収差補正機構(デルタ型収差補正機構)を考案し組み込むことで、通常200〜1000キロボルト(kV)である電子顕微鏡の加速電圧を15〜60kVまで低減することに成功しました。 この技術を組み込むことにより、これまで高電圧の電子線によって壊れやすく観察が困難であった有機分子、生体分子、グラフェン、遷移金属ダイカルコゲナイド等の低次元材料を構成する一つひとつの原子の観察と分光が実現可能になりました。
その他の電子顕微鏡
|
その他の装置
|
|
|