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カーボンナノチューブ(CNT)やグラフェンなどのナノカーボン材料は、軽量かつ高強度であることや、化学的に安定であり、熱、電気をよく通すことなどから、従来の材料に置き換わるポテンシャルを有するため、世界中で精力的に研究開発が行われています。多くの場合、CNTやグラフェンがそのまま実用化されることはなく、何らかの加工が行われますが、それら中間プロセスにおいて、ナノカーボン材料がどのような状態になっているのかを知るのは非常に難しいことでした。
そこで、我々はナノ炭素材料の状態や品質を見える化し、設計情報を得るための評価法開発を行っています。そして開発した評価法を用い、これまで「匠の技」としてブラックボックスであった中間プロセスを明らかにすることでナノカーボン材料の実用化に貢献することを目指しています。
さらに、開発した評価方法を他のナノ材料へと展開しています。
遠赤外吸収分光法によるCNT長さ評価法の開発
T.Morimoto, S.-K. Joung, T. Saito, D. N. Futaba, K. Hata and T. Okazaki* ACS Nano, 8, 9897-9904 (2014).
遠心沈降法による分散液中の粒子サイズ分布解析
Y. Kato,* T. Morimoto, K. Kobashi, T. Yamaguchi, T. Mori, T. Sugino and T. Okazaki* Powder Technol., 407, 117663 (2022). Y. Kato, T. Morimoto, K. Kobashi, T. Yamada, T. Okazaki* and K. Hata
J. Phys. Chem. C, 123, 21252?21256 (2019).
ロックイン式発熱解析によるグラフェン品質評価ならびに複合材中のCNT分散評価
H. Nakajima, T. Morimoto,* Y. Okigawa, T. Yamada, Y. Ikuta, K. Kawahara, H. Ago and T. Okazaki*
Science Advances, 5, eaau3407 (2019).
T. Morimoto,* S. Ata, T. Yamada, T. Okazaki*
Sci. Rep., 9, 14572 (2019). |