構造解析・欠陥評価チーム

チームの研究内容

　マルチマテリアル研究部門 軽量金属プロセスグループが主担当として本テーマに従事しています。輸送機器等の軽量化に資すると期待される代表的な軽量材料であるアルミニウム合金と、その接合体(アルミニウム-マグネシウム異材接合体)を主な対象として、その接合部構造や欠陥を評価する技術を提供します。 　当グループでは、次世代航空機用アルミニウム合金の国内調達拡大に向け、高強度と高靭性を兼備した「アルミニウム合金」展伸材の開発を、企業と共同で実施しました。一般的に金属材料の強度と延性・靭性はトレードオフの関係にあり、どちらかの性能を向上させると、もう片方の性能が低下する。そのためISMAプロジェクトでは、高強度化により低下する延性・靭性を、組織微細化（図1）や含有水素量低減（図2）により向上させることで、高強度と高靭性の両立を行っています。 　輸送機器の更なる軽量化には、各種材料を適材適所に用いるマルチマテリアル構造が必要不可欠であり、その実用化のためにはマルチマテリアル部材（=接合体、接着体など）における各種性能が重要となります。単一材料同様、マルチマテリアル部材の性能もその組織・構造と密接な関係があり、性能評価のみならず接合・接着部の構造を解析・評価する必要があります。 　本拠点では、X線CT装置にて接合部・接着部の欠陥を含む内部構造を非破壊で観察・解析します。また、金属材料の特性、特に長期性能に大きな影響を及ぼすガス欠陥（含有水素量）について精緻に測定する技術を提供します。