信頼性評価チーム
チームの研究内容
軽量金属材料の信頼性(疲労特性、耐食性)評価技術
マルチマテリアル研究部門 部材接合研究グループが主担当として本テーマに従事しています。実用金属中最軽量であるマグネシウム合金と、その接合体(マグネシウム-アルミニウム異材接合体)を主な対象として、その信頼性(疲労特性、耐食性)を評価する技術を提供します。当グループでは、マグネシウム合金を高速車両鉄道構体に適用することを目的として、優れた機械的特性と難燃性を兼備した「難燃性マグネシウム合金」展伸材を、企業と共同で開発しました。また、マグネシウム合金を自動車部材として利用することを目的として、優れた成形性と強度のバランスを有するマグネシウム合金圧延材を、企業と共同で開発しました。
なお、開発したマグネシウム合金を用いて輸送機器の抜本的な軽量化を達成するためには、その使用環境に応じて、長期性能を保証する必要があります。そのためISMAプロジェクトでは、開発合金母材およびその接合材の疲労特性、耐食性等を系統的に評価するとともに、微視的組織特性との紐付けを実施してきています。また、マグネシウム合金を輸送機器に適用するためには、異種材料とのマルチマテリアル部材として利用することが不可欠であり、本テーマでは、マルチマテリアルとして利用する際の疲労特性や耐食性についても系統的な評価を実施しています。
疲労特性については、高速車両構体のトンネルの出入に対応した疲労試験を実施しました。そこでは、車両製造に利用される接合方法(MIG、TIG、FSW)により作製した接合継手および母材を対象として、疲労試験を実施し、アルミニウム合金と比較して遜色のない疲労特性が得られることを確認しました。(図1、図2)
耐食性に関しては、屋外環境でのマグネシウム合金の耐食性に関する情報がほとんどないため、大気暴露試験、複合サイクル試験等により各環境下での腐食特性を評価しました。また、走査振動電極を用いて、接合界面における腐食メカニズムを解明するための研究開発も推進しています。(図3)
本拠点では、疲労特性に関しては、各種変形モードに対応した疲労試験機を配備するとともに、微視的組織評価装置(SEM-EDS, SEM-EBSD, TEM-EDS等)により疲労特性と微視的組織を紐付けするための技術・データを提供します。また、耐食性に関しては、各種腐食促進試験機や電気化学測定装置を配備するとともに、表面分析装置により、耐食性と微視的組織を紐付けするための技術・データを提供します。


チームの構成メンバー
所属・役職 | 氏 名 | |
---|---|---|
マルチマテリアル研究部門
部材接合研究グループ 研究グループ長 |
古嶋 亮一 (FURUSHIMA Ryoichi) | ![]() |
マルチマテリアル研究部門
部材接合研究グループ 主任研究員 |
Bian Mingzhe (BIAN Mingzhe) | ![]() |
マルチマテリアル研究部門
部材接合研究グループ 招聘研究員 |
中津川 勲 (ISAO Nakatsugawa) | ![]() |