ナノ材料の主な分級法には、 (1) 液体クロマトグラフィ (SEC・HDC)、 (2) 流動場分離法 (FFF)、 (3) 電気移動度分級器 (DMA) 法などがあります。
液体中に含まれる試料成分毎の分離カラムとの親和力(相互作用)の違いから、 試料成分を分離する方法です。 固定相の違いにより、 「サイズ排除クロマトグラフィ (SEC/GPC)」と 「ハイドロダイナミッククロマトグラフィ (HDC)」の 二つのタイプに分かれます。
固定相の細孔への、試料粒子の入り込み易さの違いによって分離を行う方法です。 固定相により、分離できる粒子サイズが制限され、 一般的に100~200nm程度が排除限界(粒子サイズの上限)とされています。
細孔を持たない粒子を固定相とする方法です。 試料粒子のサイズによる固定相付近での移動速度の違いにより分離を行います。 分離能の高いカラムが流通しておらず、 一般的には普及していないのが現状です。
流動場分離法は、液体クロマトグラフィと異なり、 分離担体を伴わず、キャリア流内に形成される分離場により分離を行う方法です。 したがって分離できる粒子のサイズは分離担体に依存しません。
フローセルの流れ方向に対して垂直な方向に、 分離場 (Field Force) を印加します。
分離場の力により、粒子はフローセル壁に寄せられます。 この時、粒子の拡散と釣りあった定常濃度分布をとります。
フローセル内に送液することで、分離・溶出を行います。 この時、フローセル内のキャリア線速度分布は放物線状となります(層流) 。
分離場の力により、粒子はフローセル壁に寄せられます。 この時、粒子の拡散と釣りあった定常濃度分布をとります。
分離場から受ける力が小さいもの、 粒径(分子量)の小さいものは広い分布をとります。 つまり線速度が速いフローセル中央部まで分布をとることから、 早く溶出されるわけです。
試料粒子をあらかじめ荷電させ、 粒子サイズによる電気移動度(単位電界あたりの粒子の移動速度) の違いにより分級を行う方法です。