ごあいさつ

運営委員長

COMS運営委員長

産業技術総合研究所 藤本俊幸

COMS (Consortium for Measurement Solution: ものつくり産業を支える計測ソリューションコンソーシアム )は、日本国内に開発拠点を有する計測機器メーカーと産総研からなるコンソーシアムであり、日本を支えるものつくり産業における競争力の根幹となる計測技術のソリューション提供を目指したプラットフォームを形成し、活動しています。

設立以降のCOMSにおける主な活動としては、欧米で導入が進められていたナノ材料の登録制に際する該非判定を可能とする計測ソリューションの開発が挙げられます。ここでは、ナノ粒子を粒径によって分ける(分級する)技術を核とした計測システムを構築することに取り組みました。ナノ粒子を粒径分布の狭い分画にすることによって、電子顕微鏡、動的光散乱、X線散乱、原子間力顕微鏡といった手法による評価を効率的かつ信頼性高く実現し、各評価結果を再構成することによって材料全体における粒径とその分布を正確に評価できる計測システムを産総研内に構築しました。さらに、このシステム開発によって実証された分級の有効性を中核として、ナノ粒子の粒径とその分布評価に関する国際標準化を進めてきました。

2021年より、広くものつくり産業ユーザーのニーズに応えるソリューションを提供するというミッションの達成にむけて、計測ソリューションに係る情報および知見の共有を活動の主眼とした、新たな産総研コンソーシアムとしてリニューアル致しました。日本国内に開発拠点を有する計測機器メーカーや分析センター等にメンバー加入して頂き、広範な技術分野における計測ニーズの課題解決を目指した調査や標準化に係る検討にも取り組んでまいります。これまで開発してきたナノ粒子の計測・評価技術にとどまらず、バイオ、エネルギー分野などにも共通した基盤的かつ先端的な計測技術課題を抽出・議論するとともに、その解決に向けてオールジャパンでの体制構築や連携推進の基盤となる活動にも繋げていくことを考えております。

引き続き材料メーカーやユーザーの声を聞きながら、ソリューションプラットフォームとしての機能を発展、充実させていきたいと考えておりますので、ご支援、ご協力のほど、宜しくお願い申し上げます。