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セルロース材料グループでは、「作る」「知る」「使う」のサイクルで研究開発を進めています。


〒739−0046 広島県東広島市鏡山3-11-32
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
中国センター 機能化学研究部門

セルロース材料グループ

技術のポイントPRIVACY POLICY

当研究グループの研究開発の過程で得られた技術のポイントを紹介します。

アルコール置換によるナノセルローススラリーの凍結乾燥方法。

内容
 ナノセルロースの乾燥方法として,凍結乾燥は一般的ですが,凝集を抑制して乾燥するためには,水をt-ブタノールに置換して凍結乾燥する方法が有効です。手順は次のようです。50mlの樹脂遠心管などを用いて,ナノセルローススラリーをt-ブタノールと十分に混合します。その後,遠心分離して上清を捨てます。次に,沈殿をスパチュラやボルテックスミキサー等を用いてt-ブタノールと十分に混合して,再度,遠心分離して上清を捨てます。これを10回程度繰り返します。これらの操作は、安全のためドラフト内で行います。t-ブタノールは凝固点が25.7℃で,溶媒置換が十分に行われていれば,普通の冷蔵庫に入れると短時間で凝固します。冬などは室温でも凝固します。t-ブタノール置換を十分にした後は,冷凍庫等で十分に凝固させてから凍結乾燥機にセットします。凍結乾燥は,十分に溶媒が飛んだと見えても1週間以上減圧にする方が望ましいです。セルロースは低分子物質をトラップしやすいので,数日の処理だと,まだ,t-ブタノールが残存している場合もあります。このような乾燥試料を固体NMRで測定すると,t-ブタノールのピークが明確に観測されます。
 以上のような,t-ブタノール置換−凍結乾燥では,真空ポンプオイルへのt-ブタノールの混入により真空ポンプオイルやシール材が,装置本体の劣化や故障が起こりやすくなります。そのため,トラップは低温型(-80〜90℃程度)を用いるとともに,頻繁なオイル交換や装置内部の洗浄が必要です。このようにしても故障や不具合は起きることもあるので,実際に行うに当たっては十分な検討が必要です。
t-ブタノールの性質
置換プロセス
凍結乾燥の状況
装置・設備へのリンク
「特殊乾燥器」
凍結乾燥機 / 東京理化器械(株) FDU-2100

追記事項

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