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G-EVER1協定

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2012年2月22-24日,つくば市において第1回アジア太平洋大規模地震・火山噴火リスク対策ワークショップ(G-EVER1 国際会議)が開催され,地震・津波・火山といった自然界の地質学的危険事象に起因する国内的,国際的災害リスクをいかに軽減するかについて議論した.会議には12の国と地域,56の国内および国際機関から152名が参加した.参加者は近年のスマトラ,クライストチャーチ,東北での災害に深く心を痛めているが,減災に成功した事例や,地域や世界的規模での様々なリスク低減努力の進展に勇気づけられてもいる.アジア太平洋地域の防災関連研究機関と関連組織間での国際的協力を強化することが自然災害に関する研究を進展させ,地震,津波および火山噴火による自然災害リスクの低減に貢献すると,我々は確信している.

我々,出席者一同は,以下の提言を「G-EVER1 協定」として全会一致で採択した.

提 言

我々は,以下に掲げる10の提言をアジア太平洋地域の研究機関及び関連組織に周知し,会議に参加したすべての機関と今回参加出来なかったアジア太平洋地域の研究機関や組織に対して,これらの提言を受け入れるよう奨励する.

  1. 協力の強化,情報の共有,そして地震・火山噴火によるリスクに関する情報をアクセスしやすく理解しやすい形にすることを目的として,アジア太平洋地域の自然災害関連研究機関のコンソーシアムを立ち上げる.

  2. 市民,政府,企業がその意思を決定する際には危険性情報を利用するよう促して,地球科学を減災活動に役立てる.

  3. コンソーシアムのハブサイトを英語及びアジアの主要言語に対応させ,これをVHub, GEM Nexus, ISC等,共に世界的な取り組みを行っているウェブサイトにリンクするようにする.

  4. 世界の自然災害研究機関同士でデータ共有や比較分析を促進するため,データ交換標準及び標準化した解析手法を構築,承認する.

  5. IRDR,GEM,GVM 等,関連する世界的なリスク軽減プロジェクト,およびその一部であるデータベースプロジェクトWOVOdat, GEM Fault Earth等に積極的に参加する.

  6. 共通のデータセットと,これまで以上に均質かつ最新の手法や解析ソフトを用いて,シームレスなハザードマップを作成し,「国境なき科学の世界」を促進する.

  7. コンソーシアムの研究者間の相互交流を促し,自然災害分野の大学院での研究機会を後押しする.

  8. 広範で学際的,統一的なテーマでのワーキンググループ設立を推進する.

  9. マスメディアとの連携,災害への備えに関する市民や学生・児童に対する働きかけ,火山学者と地域の火山灰警報センターとの連携に関する成功事例のトレーニングを促進する.

  10. AOGS,WPGM,AGU の会合等,地域の主要行事に合わせて,2年毎にアジア太平洋地域でG-EVER 国際会議を開催する.

本協定は日本のつくば市で開催されたG-EVER1 国際会議において起案され,2012年2月24日,参加者の全員一致により承認された.